スーパードクターU   作:黒い平方四辺形

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エピローグ
それぞれの道


 

 

春の陽気があたたかなある日。

その日はレース場がトレセン学園によって貸し切られ、

トレセン学園のウマ娘たちによるエキシビジョンレースが行われることとなった。

 

コースは芝2400。折よく天気も良好で、晴・バ場状態も良。

出場するウマ娘の大半にとって最も走りやすい環境である。

 

出走するのがGIウマ娘ばかりであることも相まって、

観客や外部の記者たちも大勢押し寄せて大賑わいだ。

 

その観客席の一角、VIP用の特別貴賓室に来た男たち。

それはドクターK、富永、一也の3人だった。

 

「いやァ、こんないい席でトレセン学園のエキシビジョンレースが見られるなんて最高っスね!

いいのかな、こんな席に招待してもらっちゃって!」

 

普段なら絶対に入れない最高の客席に座れて、興奮している富永。

 

「トレセン学園からのご厚意だ、ありがたくいただいておこう。

せっかくの機会なのでよくレースを観察しておくといい。

若くしてトッププロとなったウマ娘だらけのレース、

全員が心の強さも体の強さもお前たちにも負けないほどだ。学べることがあるだろう」

 

「間近で直接見られる、またとない機会ですもんね。

でもK先生と富永先生はともかく僕まで来てよかったんですかね?」

 

「一也くんだってライスシャワーの治療を一緒にやってくれたろ。

諸々のお礼を込めてって話なんだから大丈夫!」

 

「あの時は2人ともよくやったな。ライスシャワーが今走っていられるのはお前たちの活躍だ」

 

「いやあ、あの時はもう必死でしたよ。ちょうど僕たちがいてよかったですね。

一也くんに誘われてなかったと思うとゾッとします」

 

「本当ですね、運が良かったです」

 

ライスシャワーを治療した件については、

麻純による死の予言があったため警戒して直接レースを見に行ったのだが、

そのことを富永は知らされていないので今もただの幸運だと思っている。

 

 

「まあトップクラスのウマ娘の走りを直接観察できるいい機会だが、

勉強は勉強として、レースも普通に楽しむといい。

これからサイン会とかもあるのだろう?」

 

Kがちらりと時計を見ると、富永が慌てて準備を始めた。

 

「そ、そうでした!そろそろ並びにいかないとえらい人数が集まって時間切れになるかも!

行くよ一也くん!ライスシャワーに会いに行こう!」

 

「そうですね、久しぶりに会いたいです」

 

「じゃあ俺は…麻上くんに頼まれたナリタブライアンの所に行くか」

 

診療所を留守にするわけにはいかないので、麻上や村井は診療所に残っている。

麻上は自分が行けない分、「絶対にナリタブライアンのサインだけは頼む」と、

観戦しに行くKたちに物凄い気迫で頼んでいたのだった。

 

 

 

 

 

富永と一也がライスシャワーの列に並び、しばらく待った後に順番が近づいてきた。

富永がデレデレとした表情をしていると、ライスシャワーもこちらに気づいたようだ。

 

「ライスシャワー!レースに復帰できて本当によかったよ!

これからも応援してるからね!」

 

「ライスシャワーさん、こんにちは。今日は頑張ってくださいね」

 

「富永先生、一也さん、こんにちは!お久しぶりですね…!

ライスがこうして走れるようになったのは先生たちのおかげです。

本当にありがとうございました…!今とても幸せです!」

 

ライスシャワーは命の恩人である富永たちにとても感謝していた。

治療してもらった際には気を失っていたため覚えてなかったが、

怪我の治癒後に村の診療所まで直接お礼に来たので面識があるのだ。

一也としても、母である麻純の心を救うきっかけとなったライスシャワーには感謝していた。

 

「いやあ、僕らがやったのは傷を治しただけだからね。

長~いリハビリを諦めず頑張った、君の努力の賜物さ。

おかげで楽しくレースを見させてもらってる、ありがとう!」

 

「えへへ…それじゃあ、これからもライスのこと応援よろしくお願いします…!」

 

「頑張ってくださいね!僕も応援してますから!」

 

「ありがとうございます、富永先生、一也さん…!

また何かあったらよろしくお願いします…!」

 

ライスシャワーからサインをもらい、握手をして別れた2人。

並んで歩いていると、富永が唐突に呟いた。

 

「…………羨ましいな」

 

「えっ、なんですか?」

 

「羨ましいんだ、一也くんが」

 

「な、何の話です…?」

 

「ライスシャワーは僕たちのことを呼んでくれるが、僕は『富永先生』で君は『一也さん』。

名前で呼ばれてるのが羨ましいんだ…!」

 

「そういえばそうですね。

僕の周りの人ってほとんどが一也って呼ぶから気にしてませんでした。

お礼に来てくれた時、診療所の皆さんもそうでしたからそう呼んでくれるんですかね」

 

「君らの年齢を考えるとこうなんというか、幼馴染的な雰囲気があるね。

くっそォ、羨ましい!青春の波動を感じる!」

 

「あはは…じゃあ富永先生も下の名前で呼んでもらえるよう頼んでみますか?」

 

「いや、遠慮しておくよ。下の名で呼ばれるのは気恥ずかしいし…」

 

「えっ!?僕が羨ましいんですよね!?」

 

「羨ましいけど、実際に呼んでもらいたいかと言うとそうとは限らないんだよ。

このジレンマがわかるときがきっと来るさ」

 

「そ…そういうものですかね?」

 

一也はのちによき相手となる宮坂と出会い、

富永の言っていたことを骨身に染みて理解できる時が来るのだった。

 

 

 

 

Kはナリタブライアンの列に並び、麻上のためにサインをもらうこととなった。

ナリタブライアンは並んでいるKのことにすぐ気づいたらしく、

並んでる間もチラチラと視線を送っていた。

 

「久しぶりだな、ナリタブライアン。あれ以来調子がいいようで何よりだ」

 

「ふっ…Kか、久しぶりだな。

アンタは目立つ格好をしているから、並びだした時すぐわかったぞ。

あの手術のおかげで今も自由に走らせてもらっている。感謝している」

 

「君がしっかり鍛えていたおかげで俺もやりやすかったよ。

患者の心の強さは、医者にも力を与えてくれるのだ。

それに血色もいいし、きちんとバランスのとれた食事をしているようだな?」

 

「ああ。あれ以来ずっとバランスよく食べている。

最初は不満もあったし、今もないと言えば嘘にはなるが…流石に慣れたな」

 

「よろしい。食事は体を作る最も重要な行為だ。今後もそうするといい」

 

「わかってるさ。

しかしアンタが私のサインをもらいに来るとは意外だぞ。

ん…?これ、名前は『K』と書けばいいのか…?なんか夏目漱石を思い出すな」

 

「ああ、俺が来たのはウチの診療所の看護師が君のファンだからでね。

彼女に頼まれてきたのだ。名前は『麻上夕紀』で頼む」

 

「そうか、わかった。それじゃあその人によろしく伝えておいてくれ」

 

諸々の経験でファンサービスもまあまあできるようになったナリタブライアン。

麻上へのサインも快く書いてくれた。

しかし一部の過激派にはナリタブライアンは誰にも靡かぬ一匹狼であり、

優しくファンサービスする姿は解釈違いだと騒いでいる者もいるらしい。

 

 

 

 

 

サイン会終了後の時間、Kはオグリキャップやタマモクロスとも会った。

タマモクロスは三錦の治療の後、折を見てKの診療所までお礼のあいさつに来たことがある。

 

「おお、K先生じゃないか。来てると聞いていたから、会えてうれしいぞ」

 

「先生やないか!おっちゃんのことはホンマおおきにな!

最近のおっちゃんは元気出すぎてやかましいくらいや!

今日のレースは観戦に来る言うとったから、たぶんどこかにいるはずやで」

 

「それは良かった。患者が元気になってくれるのを見ると医者も嬉しいものだ」

 

「先生には感謝してもしきれへんわぁ。

今日はウチが勝ったるから、白い稲妻の走りを楽しんでってくれや」

 

「そうか、楽しみにしておこう」

 

「待てタマ、K先生。勝つのは私だから今のは間違っているぞ。

勝った後に美味しくご飯を食べるために朝から断食までしているんだ。

私が負けるはずがない」

 

「ふ…ならどちらが勝つのか見届けさせてもらおう」

 

「ほう、オグリもいい覚悟しとるな…って、

朝からの断食って、単に間食を食うとらんだけやないか!」

 

タマモクロスの鋭い突込みがオグリキャップに突き刺さった。

 

「私にとっては大ごとなんだ。これが私の覚悟だ」

 

「いやまあ確かにオグリにとってはそうかもやけど…

しかしK先生が突っ込んでくれるかと思っとったが華麗にスルーしよったな」

 

「……」

 

Kは、診療所で見たオグリキャップの食べっぷりを考えると、

今の発言が冗談ではないだろうと理解したためスルーしていたのだった。

 

 

 

 

そしてエキシビジョンレースが始まる時刻となった。

 

『さあ本日のこのレース場、出走ウマ娘はトレセン学園の優駿たちのみ!

しかしそれは宝塚記念や有馬記念をも上回るほどの豪華メンバーが勢ぞろいです!』

 

『人気順もほぼ均等となっており、もはや勝敗が誰にも予想が付きませんね。

これは歴史に残るレースとなるでしょう。それでは出走ウマ娘の紹介です』

 

 

 

『小柄な体に宿る鬼神の如き力!小さき勇者、1番ライスシャワー!』

 

「みんなを幸せにするため、がんばります…!」

 

【ライスシャワー】

宝塚記念で負った大怪我は富永たちによって救われ、

本人の強い意志によるリハビリとお姉さまのサポートによって復帰。

復帰後もなかなか元の走りには戻れなかったが、

しばらくのちに完全復活を果たした。

卒業後はお姉さまの手伝いとしてサブトレーナーをしながら、

絵本作家としての才能を発揮して作家としても名を馳せる。

 

 

 

『主役の座を狙い、頂へ這い上る渾身の走りを見よ!2番、マチカネタンホイザ!』

 

「ここで勝ったら普通のウマ娘から脱却できそう!頑張るぞ~!」

 

【マチカネタンホイザ】

中長距離路線でそこそこの活躍を続ける。

卒業後は帽子デザイナーの仕事に就き、おしゃれな帽子で人気を集める。

中でも人気なのは、通常の人間用の帽子だが、穴をあけるとウマ娘用にもなるマルチな帽子。

本物の蜘蛛が苦手なのはいつまでも治らず、鼻血を出す運命も治らなかった。

 

 

 

『帝王の存在ここにあり!最強のウマ娘となるべく、不屈の魂を燃え上がらせる!

3番、トウカイテイオー!』

 

「見るべきは他の子かボクか、その目でちゃんと確かめてよ!」

 

【トウカイテイオー】

3度の骨折を乗り越え、再びターフの帝王としてコースを駆ける。

メジロマックイーンとは幾度も名勝負を繰り広げ、幅広い層から人気を集めた。

のちにシンボリルドルフから生徒会長の座を受け継ぎ、

トレセン学園の発展にも活躍した。

 

 

 

『灰の怪物が、すべてのウマ娘を喰らいつくす!4番、オグリキャップ!』

 

「こんな豪華なメンバーと走れるなんて、とても楽しみだ…!」

 

【オグリキャップ】

芝・ダート・距離問わず高い実力を発揮し、芦毛の怪物として人気を博す。

後に繋靭帯炎を患うが、Kの治療によって大事には至らず復帰した。

宿敵のタマモクロスを筆頭に、スーパークリーク、イナリワン、

ヤエノムテキ、サクラチヨノオー、バンブーメモリー、オベイユアマスターなど、

数々のウマ娘と名勝負を繰り広げた。

 

 

 

『トップを取るのはこの私、君臨するは緋色の女王!5番、ダイワスカーレット!』

 

「誰が相手でも、1着を取るんだから!」

 

【ダイワスカーレット】

トリプルティアラ路線を制して人気を馳せる。

シニア期終了後は海外遠征を行い、世界で1番を目指して走り続けた。

その後は装飾品メーカーの職に就き、着けた者が輝くような美しいティアラを作成する。

それらは勝負服のための装飾品で大人気となった。

 

 

 

『我が道を切り開く、最強のアウトロー!6番、ウオッカ!』

 

「俺がこの中で1番カッケェウマ娘だってところ、見せてやるぜ!」

 

【ウオッカ】

ティアラ路線から三冠路線に変更したことで大きな話題を呼んだが、

確かな実力を見せつけ多くのファンを魅了した。

シニア期終了後は海外遠征を行い、ヨーロッパのレースでいくつもの成績を上げる。

 

 

 

『その逃げる姿は皆の夢!異次元の逃亡者、7番サイレンススズカ!』

 

「誰が相手でも、先頭の景色は譲らない…!」

 

【サイレンススズカ】

アメリカ遠征を継続し、逃げウマ娘としての名を世界に轟かせる。

卒業後は沖野の手伝いとしてスピカのサブトレーナーになり、

沖野といい仲となっているらしい。

 

 

 

『超光速の探究者、未だ見ぬ果てへと駆ける!8番、アグネスタキオン!』

 

「ハッハッハ!実力のあるウマ娘ばかりのこのレース、データ取集の貴重な機会だねえ!」

 

【アグネスタキオン】

トレセン学園においても自らの研究欲を満たすために過ごし、

レースはあくまで目的のための手段である。

しかしトレーナーと厚い信頼関係を築いてからは、

彼の評価のために研究と関係のないレースに出ることも。

卒業後は村井の協力を得ながらウマ娘の研究を続け、

ウマ娘の薬学研究者として名声と悪名を轟かせる。

 

 

 

『限界も柵もワタシが壊す!俺を止めるものなどあるものか!9番、タニノギムレット!』

 

「俺以外のウマ娘が勝つという幻想(ユメ)…ワタシが全て壊してやる!」

 

【タニノギムレット】

己の美学に基づき、MCローテと言う独自の路線を貫いた。

その結果、理想を完遂するとともに過酷なローテーションにより脚部に屈腱炎を起こし、

一度は引退を決意したがトレーナーの思いに報いるため復帰を目指す。

その後Kの治療によって脚は完治し、天皇賞の連覇などの新たな偉業を達成する。

なお柵への破壊衝動が収まることは無く、たづなに怒られ続ける日々を過ごした。

 

 

 

『ギャルウマ娘の一番星!緑のターフに輝く蹄跡を刻め!10番、トーセンジョーダン!』

 

「やべーウマ娘だらけなんですけど。でもここで勝てば絶対バズるやつじゃん!行ったるわ!」

 

【トーセンジョーダン】

Kの治療以来、爪の異常は無くなりレースを全力で走れるようになった。

レースの成績は上々で、ギャルウマ娘としてキャラも実力も人気を博す。

卒業後は念願のネイルブランドを立ち上げ、

ゴールドシチーの協力も得ながら宣伝をして人気となった。

 

 

 

『勝利の方程式に死角なし!満点に咲く白い大輪!11番、ビワハヤヒデ!』

 

「これほど多彩なメンバーだと方程式の変数に入れきれん。信ずるべきは私だけだな」

 

【ビワハヤヒデ】

怪我からの復帰以降、ナリタブライアンやBNWの2人と幾度となく勝負を繰り広げた。

卒業後は実家に戻り酒屋を継ぐ。

持ち前の計画性と、アスリート時代に築いた顔の広さを生かし、

事業範囲を桁違いに発展させることに成功した。

 

 

 

『ターフを貫く一筋の光!天下に轟く白い稲妻、12番タマモクロス!』

 

「これほどおもろいレースに出られるんは、ホンマラッキーやな!全員、度肝抜かせたるで!」

 

【タマモクロス】

オグリキャップと共に多くのライバルたちと名勝負を繰り広げ、

「芦毛は走らない」という定説を完全に払拭した。

卒業後は「おっちゃん」こと三錦のクラブでトレーナーとなり、

今度は教え子を中央へと殴りこませるようになる。

三錦は癌の完治はしないものの軽度の化学療法で対処可能な範囲に収まり、

20年後に老化による心不全で死去するまで、元気にクラブでウマ娘を指導した。

 

 

 

『未だ渇きは潤わない!すべてのウマ娘よ、わが糧となれ!

13番、天賦の怪物ナリタブライアン!』

 

「全員ブッちぎって勝つ、それだけだ」

 

【ナリタブライアン】

Kの治療によって取り戻した「強い本来の走り」によって、数多のレースで勝利を掴んだ。

現役を退いても走りへの「渇き」が癒えることは無く、

トレーナーに転身したのち、「指導」と称して現役ウマ娘を並走でブッちぎる姿がよく見られる。

 

 

 

『黄金世代の総大将!願いを背負って未来に駆ける!14番、スペシャルウィーク!』

 

「2人のお母ちゃん、見ててね!私が絶対に勝ってみせるべ!」

 

【スペシャルウィーク】

日本一のウマ娘を目指して走り続ける。

サイレンススズカを見習って、何度か海外への殴り込みも行った。

卒業後は実家の農場を継いで、トレセン学園への食材納品の契約を結び安定した生活を得る。

広い農場を自分で管理できるようになったため、

食材が自給自足となり、食費が著しく減少したことがとてもありがたい。

 

 

 

『今日は真面目に走ってくれるのでしょうか!?黄金の不沈艦、15番ゴールドシップ!』

 

「エデンへの鍵がここにあるって話だからな。あたしが貰ってやるぜ!」

 

【ゴールドシップ】

高い実力と、相変わらずの破天荒さで高い人気を保つ。

現役中はずっとチームスピカに所属し、

多くのメンバーを誘うとともに断った者をダートに埋めてきた。

のちに彼女についての話題では永遠に語り継がれることとなる、

1番人気からの伝説的出走ミスによるブービー事件を引き起こす。

 

 

 

『不屈の闘志で輝く星へ!芝に舞い降りる春色の彗星、16番、サクラローレル!』

 

「ふふっ、こんな人たちと走れるなんて夢みたい!」

 

【サクラローレル】

体の弱さを克服してからは成長していく一方だったが、

憧れのナリタブライアンが復活して以降はさらに甚だしくなった。

その後の勝負では何度かナリタブライアンを下して存在感を見せつけた後、

フランスへ渡り日本出身ウマ娘初の凱旋門賞制覇を達成する。

 

 

 

『天まで駆け昇る我が姿を見よ!最強のステイヤー、17番メジロマックイーン!』

 

「メジロ家や友への誓いにかけて、勝利を手に入れて見せますわ!」

 

【メジロマックイーン】

1年に渡る繋靭帯炎の治療を乗り越えてレースに復帰。

宿命のライバルであるトウカイテイオーとも幾度と競い合った。

ステイヤーとしての実力を活かし、3度目の春の盾も手に入れる。

のちにトウカイテイオーの補佐として生徒会役員となった。

卒業後はメジロ家とウマ娘界の発展のために力を尽くし、

学校・レース場の環境設備やウマ娘の安全対策、怪我や病気への対応設備を充実させた。

 

 

 

『最後は大外18番!七冠を戴く絶対の力!皇帝シンボリルドルフ!』

 

「レースに絶対はない…だが、私の『絶対の走り』を見せてやろう!」

 

【シンボリルドルフ】

トレセン学園の代表として生徒会長を長く勤め、

引退の際にその座をトウカイテイオーへと譲った。

卒業後もウマ娘界の重鎮に就き、ウマ娘のために尽力し、

出走の制度改革など、多くの分野で改善を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

関係者席で見守る理事長とたづな。

 

「壮観ッ!わがトレセン学園の名ウマ娘が一堂に会するとは!

だが残念ッ!上限がなければ出てほしいウマ娘はまだ何十人もいるというのに!

そうだ、無制限で走れるようなコースを建造すればよいのでは…!?」

 

「理事長、いっぺんに走らせるよりは複数回に分けて走らせた方が、

レースも盛り上がりますし安全ですよ!」

 

 

【駿川たづな】

トレセン学園の理事長秘書兼事務員として、学園のウマ娘の生活を支え続ける。

生徒の安全と幸福を何よりも優先し、安全指導、設備管理、医務室の充実を推進した。

自身のことをあまり鑑みない性格だったが、破傷風にかかって以降はある程度自重。

自分の健康が生徒の健康にもつながると考えを改めて気を遣うようになった。

今日も明日も、全力で逃げるウマ娘を捕まえる、強靭な脚力が冴えわたる。

 

 

 

 

客席で応援をするキタサンブラックとサトノダイヤモンド。

 

「がんばれ、テイオーさん!」

 

「がんばれ、マックイーンさん!」

 

「「むむむっ…!」」

 

「勝つのはテイオーさんだもん!」

「勝つのはマックイーンさんだもん!」

 

【キタサンブラック】

後にトレセン学園へと入学し、トウカイテイオーの背を追いチームスピカの一員となる。

トウカイテイオーとシンボリルドルフのように、ただ憧れるだけではなく

超えるための目標としてトウカイテイオーに幾度も勝負を挑んだ。

サトノダイヤモンドとは本格化の時期がずれたためにデビューは1年違うが、

彼女に自身の背中を見せながら活躍し、有記念で勝負の約束を果たす。

 

【サトノダイヤモンド】

キタサンブラック同様トレセン学園へと入学。

キタサンブラックとはあえて違うチームに所属し、ライバルとして心を燃やす。

彼女も同様に憧れのメジロマックイーンを超えるために努力し、

ステイヤーとしての実力を発揮してサトノ家悲願のGI制覇を成し遂げる。

 

 

 

 

 

チームカノープスの3人と南坂。

 

「いけー!マチタン!カノープスの星ー!」

 

「くっ、アタシも出たかったな…!まあ出ても勝てなさそうですけども…!」

 

「私たちも見習ってGIに勝たないといけませんね。精進しなくては」

 

「ネイチャさんたちもきっと勝てますよ。一緒に頑張りましょう」

 

【ツインターボ】

「脚質:ツインターボ」と呼ばれる、全てを振り切った破滅的大逃げを貫き、

実力を遥かに超える大人気ウマ娘となった。

トウカイテイオーとは何度かレースで勝負をしたものの、

やはりボロ負けしてしまい、「もう一度勝負しろ」と何度も言い続けた。

彼女に憧れて弟子入りしたウマ娘が何人かいたが、

いずれも脚質ツインターボの境地には及ばず限界を感じて去って行った。

しかし後に現れる期待の新星が、ツインターボを継ぐ者の片鱗を見せる時が来る。

 

 

 

 

 

トレセン学園関係者席で見守るシンコウウインディとそのトレーナー。

 

「くっそー、なんで芝のレースしかやらないのだ!

ダートに出てくれば、あいつら全員ウインディちゃんが食いちぎってやるのに!」

 

「ダートレースならウインディが最強だろうな!オグリキャップはちょっとやばいが」

 

「ふんっ!今度ファルコンとかと一緒に理事長に直談判してやるのだ!

次こそは世界をダートで支配するのだ!お前もついて来いよ!」

 

「どこまでもついて行きます!親分!」

 

【シンコウウインディ】

トレーナーの壊死性筋膜炎事件以降、トレーナー以外の体に噛みつくことはしなくなった。

しかししばらく反省したのち、体以外ならOKという認識になったため物を壊すことはしばしば。

ダート戦線で活躍し、ダートウマ娘の代表格として名を馳せる。

引退後は父親の会社に入り、宣伝部で活躍。

トレーナーとの関係については、引退してからも数十年ほど続くことになる。

 

 

 

 

 

KEIの診療所で、テレビを見つめる麻純。

 

「あら、麻純さんがレースを見るなんて珍しいわね。

ライスシャワーさんが出るからかしら?」

 

「ええ、ライスシャワーさんは完全復帰できたみたいでよかったわ。

今日は勝ってくれるかしら?楽しみねぇ」

 

【黒須麻純】

ライスシャワーの一件以降、自分の能力と折り合いをつけ、

KEIの病院で看護師に復帰した。

能力を生かして患者を診察することで発見されていない病変を察知し、

全てではないが幾人もの命を救うことに成功する。

後にカルト教団に一也たちが襲われた際は、

一也たちの命を救い、一也に医者としての覚悟を示した。

 

 

 

 

 

 

こちらは寺井美容クリニック。

 

「うふふ、トウカイテイオーちゃんも元気そうね。

私が治した脚でどこまで走ってくれるのかとっても楽しみ!」

 

【寺井台助】

高い技術力を生かして、数々の患者を美容で救う。

しかしトウカイテイオーを救った形成外科の話が広まりすぎたため、

アスリートからの形成外科依頼が多くなってしまい美容外科の割合が減った。

本業の「美は人を救う」が減ってしまった、と若干不満気味の様子である。

 

 

 

 

 

 

そしてレース場のVIP用の特別貴賓室。

Kたちも着席し、レースが始まる瞬間を待っている。

 

「いよいよレースが始まるぞ…!

しかしメンバーがすごすぎて誰を応援すればいいのか全然わからないよォ!」

 

「全員頑張ってますもんね。誰が勝ってもおかしくないってレースはありますけど、

ここまで凄いのは初めてかもしれません!」

 

「どれほど強かろうと勝者は1人。それがレースを見る上で楽しく、そしてつらいところだな」

 

 

【富永研太】

後に実家の病院を継ぐべく、Kの診療所を離れる。

その際に、Kから『ともに研鑽を高めあった戦友』と評される。

Kの診療所で培った実力は医者としては超一級品であり、

多くの研修医や一也をベテランの医師として指導していくこととなる。

継いだ病院でスポーツ医療の部門を新設し、

スポーツ選手やウマ娘の治療の第一人者として人気を博す。

 

【黒須一也】

次世代のKとなるべく、医学の道を走り続ける。

その伝説的血統、Kによる高次元の指導、

TETSUの弟子との出会い、医学を目指す仲間との出会いを経て、

若くして名医級の実力を持つが、KAZUYAやKを超えるべくまだまだ成長を続けていく。

 

【神代一人】

現役ドクターKとして、数々の患者を救い、何人もの弟子を育てる。

富永と一也をはじめとして、宮坂、譲介、龍太郎など、

彼の弟子となった者は若くしてベテラン医師級の活躍を見せる。

トレセン学園との関係が深まったために幾度となく治療を依頼されることとなるが、

回数が多いためにK自身が出向くことはあまりなくなり、

大半は患者の方からKの診療所に出向くようになった。

その影響で村が若干賑わうことになるが、そのぶん村の行いの秘匿に気を遣うこととなる。

 

 

 

 

 

「そうだK先生、一也くん。せっかくですし、誰が勝つのか賭けませんか?

勝ったら夕食を奢るってことでどうです?」

 

「面白そうですね。こんな豪華メンバーじゃ予想のしがいがあります!」

 

「よし一也、今夜は富永にフレンチでもご馳走になるか。

寺井さんも誘って加納さんのレストランに連れてってもらおう」

 

「おお!いいですね、辞退したとはいえ三ツ星レストランの評価の店!

僕も一回行ってみたかったんです!」

 

「ちょっ、僕が負けること前提で話すのやめてもらえませんか!?

言っておきますけどね、ウマ娘の情報に一番詳しいのは僕ですよ!?

今日のレースだって、ここ最近のデータは全員分知ってるんですからね!」

 

富永がカバンから資料を取り出した。

富永が趣味で集めていたものだが、成績一覧や取材記事のまとめなど、

今日のレースに出走するウマ娘の色々な情報がしっかりまとまっている。

 

「ほう、ならその情報で当ててみるといい。

まあ俺から言わせてもらえば、ほとんど互角のウマ娘だらけの状態で、

今までのデータなど見てもあまり意味がないと思うがな…。」

 

「うぐっ!」

 

「俺は今日実際に見た彼女らの姿で判断させてもらうことにする」

 

「僕もK先生と同じですかね。

有名なウマ娘ばかりなのである程度は知ってますが、あまり細かいデータは知りませんし…」

 

「わかりましたよ!!そうすればいいじゃないですか!!

僕は僕の目と集めたデータを信じますから!

見せてあげようかと思いましたがやめます!負けてから悔しがっても遅いですからね!

フレンチの代金は2人のどっちかに払わせてみせる!」

 

富永は自分の持っているデータを独り占めしながら予想を始めた。

 

「富永…大人げない奴だな。

安心しろ一也、お前が負けても俺が払ってやるから気にせず予想しろ」

 

「いえ、負けたら僕が奢りますよ!

でもその、蕎麦とかラーメンとかにしてくれるとありがたいですが…!」

 

 

数分後、各自の予想が固まった。

 

「よーし、これできっと行ける!K先生、僕があなたを超える時がついに来たようです…!」

 

「僕も決まりました!2人に勝てるかわかりませんけど、いい線行ってると思いますよ!」

 

「俺も決まった。そろそろレースも始まるな」

 

「K先生はどういう予想にしました?みんな決まりましたし教えてくださいよ」

 

富永が挑発するようにKに言った。

だが内心では、自分と予想が同じなら安心なのにという気持ちも多く含まれる。

 

「うむ、俺が選んだウマ娘は――――」

 

 

 

 

 

 

『各ウマ娘、ゲートイン完了です!

トレセン学園、夢のエキシビジョンマッチいよいよ出走です!』

 

『さあ各ウマ娘!位置について、よーい…どん!』

 

合図とともにゲートが開き、18人のウマ娘が駆けて行った。

 

 

 

 

EDテーマ:うまぴょい伝説

 

 

う――――(うまだっち)

う―――(うまぴょい うまぴょい)

う――(すきだっち) う――(うまぽい)

うまうまうみゃうにゃ 3 2 1 Fight!!

 

~中略~

 

今日のステージの女神は あたしだけにギュッとする

虹の彼方へ行こう 汗をぬぐい涙ふいてきみのなかで闇を照らす

すーきすきすきすきすきすきすきしゅぎ きみの愛が!

ずきゅんどきゅん 走り出し (ふっふー) ばきゅんぶきゅん かけてーゆーくーよー

こんなーおもーいはー はーじめて (3 2 1 Fight!!)

ずきゅんどきゅん 胸が鳴り (ふっふー) ばきゅんぶきゅん だいすーきーだーよー

今日もーかなでーるー はぴはぴ だーりん 3 2 1 Go Fight

うぴうぴ はにー 3 2 1 (うーーFight!!)




ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
K2の無料公開が終わるということでキリもいいので、ここで完結ということにします。
ね、ネタ切れなんかじゃないんだからね!
K2もウマ娘もまだまだ続くので、皆さんどちらも引き続き楽しんでくださいね。
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