Pinkdama-is-awesome   作:てふてふぼうず

7 / 8
投稿遅れましたああぁァァ
『生贄…いや、『懺悔』するのでお赦しを…


6話/ライバル

 

『泉から夢が溢れ、あなたは安らぎに包まれます』

 

 

 

 

 

「最近、職員の事故が多い?」

 

「はい、そうなんです。どうにも最近、職員たちの作業成功率が落ちてるみたいで…

だからリアクターの修理、改良が頻繁に行われてて、安全部門は大忙しなんですよ」

 

「そうか…」

 

 今、俺は中央本部。メアは安全部門と、別々の部門に配属されている。久しぶりに会ったので、少しの世間話と近況報告をしていたのだが…

 

「これじゃあ、死人が出るのも時間の問題です」

 

 聞けたのは、あまり良くない知らせばかりだった。

 

 職員の不注意による事故、職員同士の小さな喧嘩などが頻発しているらしい。どことなく、施設が(いつもより)ピリピリした空気に包まれているように感じる。

 

「確かに、だからこうして俺が上層にいるわけだしな…」

 

 俺が呼ばれたのもこの為だ。

 低ランク職員にとって、作業失敗=死。怪我をした状態で作業をするのはもってのほか。怪我をして回復して、また怪我をしての繰り返し。

 そんな中で、脱走なんて起きたら大変だ。

 俺はなぜか作業成功率に問題がなかったため、こうして他の部門のサポートをしていた。

 

「なにか、原因とかに心当たりはあるか?」

 

「さぁ……そういえば最近、多くのオフィサーや職員が()()()()()()と愚痴をこぼしますね」

 

「寝覚め?」

 

「はい、どうにも最近よく()()を見るらしくて」

 

「悪夢か…この会社ではしかたないだろう」

 

「でも、最近まではあまり悪夢がなくて…それどころか幸せな夢が続いてたそうです」

 

 そういえば俺も長い間、悪夢を見ていないな。見るのはなぜか、青空の下でカービィと遊ぶ夢ばかり。昼寝をして飯を食べて間違えて飲み込まれて

…やっぱり悪夢かもな。

 

「原因は悪夢…かぁ。対処しようがなくないか?」

 

 多分、エンケファリンを服用すれば改善するとは思う。だが、危険だし中毒になる危険性もある。流石にL社も投与の強要はしないだろう…

  …しないよな?

 

「そうなんですよねー。まぁ、十中八九アブノーマリティの仕業でしょう。最近この現象が始まったから、中央本部のどれかの。

 大丈夫ですよ。対処は管理人に任せましょう」

 

「…そうだな」

 

 管理人ならばすぐに原因を究明するだろう。それに俺たちが勝手に動いても、状況を悪化させかねない。あと少し、短い辛抱だ。

 それにしても、中央本部のアブノーマリティが原因か…どいつの仕業だ? 

夢繋がりで、『T-02-99(空虚な夢)』、あとは『F-09 ──

 

 

 

 

 

 

 

『中央本部に『O-02-k24(デデデ大王)』が出現しました。付近のエージェントは、至急鎮圧に向かってください』

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

 

 あの攻撃的なペンギンが脱走したらしい。

 今、俺がいるのは情報部門。中央本部のことは先輩たちに任せ…

 

 

 

 

…ようと思ってたのだが

 

「おおおぉぉ!かーびいぃぃぃ!!」

 

 どこからか叫び声が聞こえ、廊下の赤いランプが点灯する。

 

「ワドルディ!安全部門はどっちだ!」

「こっちです!」

 

 すぐさま、エレベーターから人間ではない集団が飛び出してきた。

 声の主はやはり、デデデ大王。周囲にワドルディたちを従えて、職員を蹴散らしながら走っていた。

 俺は大砲を構え、撃つ。

 

 

 

ダァンッ

 

 

 大砲から火球が放たれ、爆発。

 

 だが、奴には当たらなかったらしい。

 目に映るのは、巨大な傘。オレンジと白の縞模様の傘を、ワドルディたちが構え、主人を守っていた。

 

 

「…は!オマエはさっきの!」

 

 

 こちらに気づいたらしい。奴が立ち止まり、こちらを睨む。

 

 

「そこを通させてもらうで」

 

 

 奴は巨大なハンマー握り、俺は大砲の照準を合わせる。

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 廊下の音が消え…

 

 

 

 

 

 

「…!」

 

 

 ワドルディたちが一斉に傘を広げ、奴の姿が見えなくなる。

 そしてダンッという音が聞こえたと同時に、頭上をなにかが通過した。

 

 

「なっ!…」

 

 

 急いで振り向くと、()()()()()()()()()()()ペンギンが。

  …痛そう。

 

 

 同情をしていると、奴が顔を押さえながら起き上がり、次の廊下へと進んだ。

 

 

「…くそっ、邪魔だ!」

 

 追いかけようとするが、行手をワドルディたちが阻む。

 

 

 ワドルディたちに手間取っている間に、奴の姿は見えなくなってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで…終わりだ」

 

 最後のワドルディを倒す。思ったより時間がかかった。

 

 彼らは弱い、それもたった一撃でやられてしまうほどに。だが、それを補うようにか、さまざまな道具を駆使してこちらと戦ってきた。

 傘で守り、後方から槍使いが攻撃する。力でではなく、工夫する。弱い彼らの生存戦略なのだろう。

 

「おーい、ダニエール。やっと追いついた」

 

「…ジョシュア、遅かったな」

 

「いやぁ、なんかめちゃくちゃ強い、バンダナを巻いたオレンジのアブノマがいて。エレベーターの前で皆、足止めされてたんだよ」

 

 前言撤回。

 彼らの中にも普通に強い奴がいるらしい。ランクⅤ職員(先輩)たちをこれほど長い間足止めするって、相当だぞ。

 彼らは弱くなかった。

 

「…とにかく、あいつを追いかけるか」

 

「、!そうだな」

 

 奴を見失ってから10分ほど。ただ、10分あれば部門を5回は往復できるし、新人職員による足止めはあまり期待できないだろう。

 

 奴が狙っているのは、恐らく『O-02-k20(星のカービィ)』だ。

 

アブノマ+アブノマ=クソノマ。

 そう管理人もぼやいていた。

 

 奴らが出会っても、碌なことにはならないだろう。

 

「…急ごう」

 

 俺たちは、安全部門を目指した。

 

 

 

 

 

 

『安全部門に『O-02-k20』が出現しました。付近のエージェントは、至急鎮圧に向かってください』

 

 

 

 

 

「…着いた!」

 

 俺たちは情報部門の廊下を駆け抜け、カービィの収容室のある廊下へと到着する。

 

「行きたくねぇなぁ…」

 

 ジョシュアが弱音をはく。

 それもそのはず、さっきから扉の向こうで、断続的な破裂音と衝撃が響いていた。

 …絶対入ったらヤバい。

 

「……よし!」

 

 意を決して扉を開けると、

 

 

キイイィィィ

 

 

 巨大な星が、顔の真横を通過する。

 

 

 

 

…こわ

 

 

 

 

 

「お、おい…大丈夫かダニえ……ぐばあっ」

「ジ、ジョシュアーッ!」

 

 続けて飛んできた小さな星がジョシュアへと当たり、弾ける。

 そして大きな衝撃が発生し、ジョシュアが後方へ吹き飛ばされた。

 

 俺は腕のEGO(防護服)で頭を庇いながら、慌てて立ち上がる。

 目の前の廊下では、

 

 

「えいっやぁ!」

「ぐっ…やるなカービィ。だが、これならどうだ!」

「!」

「……ッ!今のを躱すかっ!」

 

 カービィが廊下を跳ね回り、デデデ大王がハンマーを思いっきり振りかぶり、戦っていた。

 

 

 

ダァンッ

 

「!」

「ッ!」

 

 

 俺は彼らの間に火球を放ち、動きを止めさせる。

 

 

 

「…あっ!オマエはさっきの!」

 

 …なんか、さっきも聞いたような気がする。

 

「おい、カービィ!一旦ヤツを倒して逃げるぞ!」

 

 カービィもこちらに気づいたらしい。

 そして大王の言葉を聞くと、カービィは瓦礫を吸い込み…

 

 

 

 

 

 デデデ大王へと発射した。

 

「なんでえぇぇぇ!!!」

 

 星が弾け、大王を吹き飛ばす。

 デデデ大王は壁に叩きつけられ、目を丸くしてこちらを見ていた。

 

「カ、カービィ!どうして……!…そうか」

 

「…え、なんでだ?そんなに仲が悪かったのか?」

 

 意外な展開だ。まさか仲間割れを「いや、違う。…オマエ、カービィのトモダチなのか」

 

 

 

 その言葉を聞いてハッとする。

 そう、カービィは俺が傷つけられそうになったから、助けてくれたのだ。

 

「そう…なのか?カービィ」

 

 カービィは返事を返さない。だが、ニコニコの笑顔が答えている。

 

「…っ………ありが「でもカービィ!そんなことをしてる暇はな…ヒエ」

 

 ペンギンに大砲を突きつける。

 感動の場面を…

 お前、鎮圧してやろうか?

 

「お、オマエ達だって危険なんだぞ!オレさまは見たんだ。狭い部屋に『アレ』が放置されてるのを……このままじゃ、この施設に『悪夢』が──

 

 

ドガッ

 

 

 突然横から槍が、デデデ大王に叩きつけられる。

 

「先輩!助けにきました!」

 

 どうやら、メアが救援に来てくれたらしい。

 ……で、『悪夢』がどうしたって?

 

 大事なところを聞き逃した気がする。だが、肝心のデデデ大王はもう収容室。もう一回聞きに行こうかな…

 

「あっ!カービィだ!やっほー」

「ハァイ!」

 

 そんな俺の不安をつゆほども知らず、メアはカービィと楽しそうに戯れていた。

 

 

 

 

「も〜、先輩。アブノーマリティの言うことなんか、気にしたらいけませんよ!あいつらは、隙あらば精神汚染、洗脳、眷属化してくる奴等です。

 そもそも、耳を傾けてもいけません。まぁ、仕事なんでそこは仕方ないですけど…」

 

「うーん…確かに…」

 

 

 

 

『…あー、エージェントダニエルへ連絡する。今から、中央本部へ戻ってくれ」

 

「…?管理人から直接の連絡ですね。どうしたんでしょう」

「さぁ…」

 

『作業成功率低下の原因が判明した。アブノーマリティの作業を指示する。次のアブノーマリティは、『F-09-k21』だ』

 

 

「『F-09-k21』…最近入ってきたあれか」

「さすが、管理人ですね。仕事が早い」

「…と、いうわけで。じゃあ、またな」

「はい!また明日。…次は、一緒に食事とかどうです?」

「お、いいな。じゃぁ明日の朝、食堂で」

「…!はい!」

 

『おーい、ダニエル。早く中央本部へ移動しろ』

 

 

 

 

 

F-02-k21「夢の泉」

 

 

 




ロボトミ解説

層…L社の施設は縦に長いので、3つに分けられている。

上層→コントロール部門、情報部門、安全部門、教育部門

中層→中央本部、…
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