Re:大空スバルの異世界生活(執筆停止中)   作:飽和水溶液_pixiv

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コンビニに行く途中で事故にあった大空スバル。
気が付くとそこは、多種多様な種族のいきかう剣と魔法のファンタジー世界で……
ーーーーーースバルは、多くの死に直面することになる。


はじめまして!飽和水溶液と申します。
この度、大空スバルさんが主人公の二次創作のホロライブSSを書かせていただこうと思います!処女作ですので、至らぬ点もあるかと思いますが、完結目指して頑張りたいと思います。
内容につきましては、大空スバルが異世界に行き、そこでいろいろな問題に直面しながら、大切なものを守るために戦っていく……みたいな感じになればいいなと思っております。
登場人物に関しては、基本的にはホロライブのメンバーしか出ません。名前の無いモブキャラなんかは少し出てきますが、私の個人的な意見としてオリキャラはいない方が面白い、と思うので無しの方向で行きます。ただし、あくまで二次創作ですので、キャラ崩壊等はあります。そのあたりはご容赦ください。
また、タイトルからもわかる通り、『RE:ゼロから始める異世界生活』をベースに内容構成をしています。世界観や魔法等の設定、冒頭のストーリーの展開等はほぼリゼロそのままです。めちゃくちゃパクりです。
ただ、あくまでホロライブのキャラクター達が主になってくるので、設定上、徐々にストーリーが変わっていき、最終的には全く違う結末にして行けたらなと思っています。
それに、たとえリゼロを知らなくても、ホロライブさえ知っていれば楽しめる内容となっております!また、いたるところにホロライブネタを散りばめていければいいなと思っています。
次に更新頻度についてですが、ある程度ストーリー構成は考えているものの、伏線等の散りばめの関係上ある程度まとまって書けてから、まとめて更新しようかなと考えています。どうぞ、気長に待っていただけると幸いです。

最後になりますが、主人公大空スバルは、リゼロの主人公であるナツキスバルと似たような境遇にあいます。
つまり、めっちゃ死にます、大空スバル。ですので、スバルちゃんが好きな方や、推しが苦しむところを見たくない方は、ブラウザバック推奨です。
それでは、最後までお楽しみください!


第一章 01話 甘い匂い

 

 

 

 

 

 

すごく冷たい。

 

 

 

 

なのに、耐えきれないほど熱い。

 

 

 

 

体に力が入らない、声が出ない。

 

 

 

 

自分の中の、何か大切なものが、すべて、溢れて、零れて、落ちてーーーーーー

 

 

 

 

 

ーーーーー失っていく感覚。

 

 

 

 

『……すっ……まっ……。わた……も……』

 

 

 

 

微かに君の声が聞こえる。

 

 

自分勝手な癖に優しくて、頑張り屋で、可愛くて……それでいて、すごく甘い匂いのする君の声が……。

 

 

 

 

『……っばる……ごめ……』

 

 

 

 

そんな顔をしないで、悲しまないで。

 

 

 

 

 

 

 

 

私はただーーーー

 

 

 

 

 

 

 

『君を救いたいから。』

 

 

 

 

※※※※※※※※※※

 

 

すっかり日も暮れて、街灯だけがその存在を主張する住宅街。

そんな道をただ一人、少女『大空スバル』は歩いていた。

 

 

「はぁ……結局学校休んで、こんな時間まで寝ちゃったな……」

 

 

学校指定ではないジャージに身を包み、コンビニに赴くのに必要最低限の荷物を持って、歩を進めていた。

 

大空スバル。成績は中の下、総合格闘技部とeスポーツ部のマネージャーを務める、いわゆる『どこにでもいる普通の女子高生』というやつである。

そんな彼女は今日、いや今週が始まって以来ずっと、学校を休んでいた。病気を患ったとか、何か予定があるだとかの正当な理由があるわけでは特にない。ただ、先週末にクラスの友達と喧嘩をしてしまい、部活内でも選手たちの成績が振るわなかったり、コーチと言い合いになったりと……つまりは嫌なことが重なって、なんとなく学校に行く気が無くなってしまっただけである。

 

 

「流石に明日は、学校に行かないと。テストも近いし、次こそは全教科赤点回避を……」

 

 

そんなことを考えながらちょうど曲がり角を曲がった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー刹那、強い光とともに何かが急接近してくるのが分かった。

 

 

 

 

 

「とりあえず、今日はーーの予定があるから……」

 

 

 

 

 

否、接近にはとどまらない。

 

 

 

 

 

強い衝撃と轟音を生じながら、スバルの存在を否定するかの如く鉄の塊が通り過ぎて行った。

 

 

 

 

 

当然、その塊の進行上にいたスバルに接触しながら……。

 

 

 

 

 

トラックとの交通事故。

 

 

 

 

 

ーーーーーーー大空スバルは死亡した。

 

 

 

 

 

※※※※※※※※※※

 

 

暗闇に支配されたと思った視界が、突然光を取り戻し眩しさを感じた。

たまらず目を覚ました大空スバルは、第一声に

 

 

「……っっっっったあぁぁぁぁぁ!?」

 

 

先程感じた一瞬の激痛に、眉をひそめる。

全身を駆け巡った衝撃は、声を発することさえ許されない痛みに……。

 

 

しかし、少しずつ冷静になる脳みそによって、状況を正しく自覚し始める。

 

 

「いっっ……たく……な、い?あれ?スバルさっきトラックに轢かれて……」

 

体のあちこちを触って確認しても、動けないどころか傷一つ無いことが確認できてしまう。

 

「あっれ?さっき確かに……夢だったかな?」

 

夢にしては嫌に現実的で、未だに嫌な汗が止まらない。明晰夢にしたってタチが悪い、二度とあんな夢を見るのはごめんだ。

ゆっくりと立ち上がりながら、完全に平常に戻った思考を頼りに現状の把握に努める。

 

 

「……んーていうか、ここどこっ!?」

 

辺りを見回したスバルは、自分の所在が分からずにいた。どこかの街の広場、その中央に噴水が設置されており、その前に一人へたり込んでいる。

中世時代のヨーロッパのような街並み。正しく整列した街路を舗装された道が伝っており、その上を多種多様な人たちが行きかい賑わっていた。

 

本来、多種多様な人たちというと、性別や年齢、国籍による種類の違いがあるという話になると思うが、この場合の多種多様とは、なんというか、本当に、多種類で多様性なのである。

人間はもちろんのこと、獣人、ドワーフ、リザードマン、etc……。

 

初めて見る物ばかりの空間に、次第にスバルの心臓は鼓動を速め、滾る気持ちを抑えられなくなっていった。

 

「もしかして、もしかしてこれって……!!!」

 

友達に借りた小説や、おすすめされたアニメで得た知識。

交通事故などで死んでしまった主人公たちは、地球とは違った場所で目を覚ます。そこには、魔法や剣などのファンタジー世界が広がっていて。

 

「つまりこれは……異世界召喚ってコト!?」

 

 

その日、大空スバルは異世界へと降り立った。

 

 

 

しかしその際に、何物にも代えがたい大切な”モノ”が失われていることに……彼女は気が付かなかった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

拝啓、しぐれういかーちゃん。スバルは今、異世界にいます。

紙もペンもないので、とりあえずスマホのメモ帳機能に母に対する手紙を書きだす。

 

「まーでも、電波繋がってないけどね」

 

 

ネットも電話も繋がらないことを確認し、スマホを閉じる。本来ならば検索エンジンなどで現在地や『もし異世界に行ったらまずするべきこと!』みたいなことを調べたいところではあるのだが、それも叶わない。

スマホから顔を上げ、辺りを見回し再度確認する。

 

「やっぱり、ここって異世界なんだよね。実際に耳や尻尾が生えてる人なんて初めて見るし……。っていう事は、もしかして魔法とかもあったりするのかな!スバル魔法使ってみたーい!」

 

ゲームやアニメなんかでは主人公達が、剣や魔法を使ってドラゴンなんかと戦って、最後は魔王を倒す……というのが定番だ。

異世界に召喚された今のスバルになら、きっと魔法や他の人には無い秘められた力なんかがあるかもしれない!

早速何か唱えてみようかな。

 

 

そんな妄想を膨らませていると、近くから悲鳴のようなものが聞こえた。

気になって声のした方を振り返ってみると、大勢の人だかりができているのが見えた。

なんだろう、と好奇心に駆られたスバルは近寄って、騒動の内容の確認を試みる。

人と人の隙間を縫うように進み、ようやっと騒ぎの中心に到達する。

 

すると、黒い髪に白色の上品なローブを纏った少女と、もう一人の女性。さらに、すごいジャンプ力で家屋の屋根に上り、走っていく人影が見えた。

 

「あなた、ちょっと待ちなさい!」

 

 

「ぺーこぺこぺこ!待てと言われて待つ盗人がいると思ってるぺこか!」

 

 

「姫!ラミィにお任せてください!【ヒューマ】!」

 

 

黒髪ローブの少女の隣にいたもう一人の女性、水色の髪に白と水色を基調とした何ともいかがわ……可愛らしいミニスカートのドレスを着てる彼女が答えた。

少女の一歩前に出て、正面に手をかざす。そして、何やら呪文を唱えた瞬間どこからともなく氷の塊が出現し、勢いよく射出される。

数メートル先の屋根上を走る青いフードを被った少女?を狙って放たれたそれは、しかし彼女に当たることなく数センチ横を掠めていった。

 

「いきなり魔法を撃ってくるなんて……当たったら危ないぺこでしょ!」

 

「なら、すぐにそれを返して!追いかけるわ、行くわよラミィ」

 

「わかりました、姫!」

 

 

そう言うと、『姫』と呼ばれる少女と『ラミィ』と呼ばれる女性がフードの少女を追って走っていった。

 

 

「な、何だったんだ今の……。でも、いまのって魔法だよね!スバル初めて見た!」

 

 

生まれて初めて目の当たりにした魔法という概念に、スバルはこれ以上ないほど胸を躍らせていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「はぁ……。」

 

 

異世界とて、現実は甘くない。

先程初めて触れた魔法に興奮を抑えられず、街中の公衆の面前であることすら忘れて、『ラミィ』と呼ばれていた女性が唱えていた呪文を声高々に発してみた。

結果、周りから冷たい目線を浴びせられ、この上ないほどの羞恥心に顔を真っ赤にさせながら、居たたまれなくなったその場を走り去ってしまったのであった。

 

 

「同じように唱えたはずなんだけどなぁ。もしかしてスバルには魔力的な物が無いとか?だとしたら何のためにスバルは異世界に呼ばれたんだろう……。」

 

 

早くその場から離れたい一心で広場から闇雲に街中を走り回った結果、スバルは完全に迷子になってしまった。

ただでさえ見慣れない街でここまで入り組んだ構造であったなら、例え方向音痴ではないスバルでも迷ってしまうのは必然だった。

 

「これからどうしよう。スバルを異世界に召喚した魔術師みたいな人もいなかったし、日本のお金が使えるかもわからない。家に帰りたくても、どうやってここに来たのかわからないから帰り方がわからない……。」

 

おまけに、現在街路地にて絶賛迷子中。

あれ?もしかしてスバル、割と絶体絶命?

もしかしてこのまま餓死とかしちゃったりして……

 

そんな嫌な予感がよぎり、冷やりとした汗が背中を伝った。

 

「と、とにかく、誰かに道を聞かないと!もしかしたら、広場でスバルをこの世界に呼んだ誰かが、スバルを探してるかもしれないしっ!」

 

そんな内心可能性は低いと思いつつも、淡い期待を抱きながらスバルは一際暗い裏路地に入った。

すると路地に入ってすぐ、スバルの少し先の物置の陰に一人の少女がしゃがみ込んでいるのが見えた。

 

 

(あれ?あれってさっき、盗人がどうのとかって魔法を撃たれてた子……?)

 

「はぁ、はぁ、はぁ……ここまでくれば、もう追ってこないぺこね……」

 

 

何やらぼそぼそと喋った後に、少女はゆっくりと立ち上がり、そのまま歩き始めた。

少女と言いつつもスバルと同じくらいか、下手したら大きいくらいの背丈に、膝下丈くらいまであるフード付きの青色のマントを羽織っていた。

第一村人(実際には一番ではないが)発見に、スバルはこの機会を逃すべきではないと思った。すぐに彼女を追いかけ、声をかける。

 

 

「あ、あの!ちょっとそこのキミ!少しだけお話いいかなぁ!」

 

 

傍から見れば、いきなり女の子に声をかける不審者に見えなくもないが、お互い同年代位の少女であり、ここが異世界という事に免じて許してもらいたい。

 

少女は一瞬ビクッと驚いた様子で、恐る恐るこちらを振り返った。

フードのせいで声色以外の詳細が分からなかった少女の顔を、初めて目の当たりにする。

その顔を見て、スバルはとても驚いた。そして次第に、キラキラと目を輝かせた。

 

その少女には、真っ白で可愛らしいウサギの耳がついていたのだ。

 

「い、いきなりどうしたぺこ?ぺこーらに何か用ぺこか?」

 

これまた初めて見る兎人に、スバルはしばらく魅入ってしまった。。

すると、少女ぺこーらは段々と訝しんだ顔になり、

 

「おーい、ちゃんと聞こえてるぺこか?ぺこーら、急いでるぺこなんだけど」

 

「ああ、ごめん。ちょっと迷っちゃって、道聞いてもいいかな?」

 

「はぁー?あんた、よそ者ぺこでしょ。オルタナ王国は初めてぺこかー?」

 

「う、うん!そうなんだ!この国、オルタナ王国っていうの?」

 

オルタナ王国。当然今までに聞いたこともないような国名だ。

街中を闇雲に走り回った際に少し見えたのだが、おそらく街の中心と思われる所に大きなお城があったことを思い出す。

そこにもし王様的な人が住んでいるなら、スバルが今迷っているここはオルタナ王国の城下町という事になる。

そして、城下町だけでもこの規模という事は、さぞや大国なんだろうと勝手に解釈する。

 

「そんなことも知らないぺこかぁ?あんた一体何者ぺこよ……。まあ、いいぺこ、で?どこに行きたいぺこ?」

 

そういわれ、一瞬スバルは考え込む。

果たして、さっきまでいた広場をどのように名状すればいいものか。この規模の街だ、噴水のある広場なんてたくさんあるだろうに……。

 

(あ、そういえばあの広場……最初街を見上げた時に、大きな時計塔みたいなものが見えたな)

 

 

他にもそれらしい広場があるかもしれないが、複数条件で伝えれば多少候補が絞れるかもしれない。

 

それにしても、こんなどこの誰とも知れないよそ者に声をかけられても無下にせず、きちんと話を聞いてくれるなんて、このぺこーらという少女は意外にいいやつなのかもしれない。こんな子が盗みをはたらくものなのか。

スバルはどうしてそんなことをしたのか気になってしまった。

 

「そういえばさっき、街中で……「やっとみつけたわ!」」

 

 

スバルがぺこーらに先程の騒動について聞こうとすると、いきなり後ろから声をかけられた。

振り返ると、さっきの街中騒動で『姫』と呼ばれていた少女と、魔法を使っていた女性『ラミィ』が息を切らしながら走ってくる。

 

「げっ!あいつらまだ諦めてなかったぺこか!?おいあんた、もしかしてぺこーらの足止めをしてたぺこか!!」

 

「ちょ、ちげーよ!スバルはただ本当に道を聞こうと!」

 

「どっちでもいいぺこ!ぺこーらは逃げるペコ!」

 

ぺこーらはそう言うが早いか、ものすごいスピードと跳躍力で駆けていった。

兎人とはあんなに速く走ったり、跳んだりできるものなのか。

ともかく、スバルの頼みの綱であった村人第一号を失ってしまった。仕方がないので、後から来た村人二号、三号に道を聞こう。

そう思い、再度後ろを振り返った。

 

 

「姫!先程あそこの人、あの盗賊と話していたみたいですが!」

 

 

「ええ、見てたわ。ラミィ、あいつを捕まえて!」

 

「えぇ!ちょっと待って!?スバルは何も関係ないよ!?」

 

「問答無用、覚悟してください!」

 

 

そういわれ、すごい勢いで突っ込んできた『ラミィ』に、スバルは成す術なく捕えられてしまった。

少し遅れて、『姫』と呼ばれる少女も駆け寄ってくる。

 

 

 

ーーーーーーその時、辺りに漂ったむせ返るような甘い香りが、スバルの鼻腔に残り続けていた。

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