吸血鬼(に関わったら胃が)すぐ死ぬ   作:ケツアゴ

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『第二競技は騎馬戦!』

 

 ふむふむ、終わった! ちょっと好き放題し過ぎたからなあ……。

 

 第二競技は予想はしていたけれどチーム戦、ヒーローって時には他のヒーローと組む事があるし、ヒーロー課を主軸に置いているのが丸分かりだよね。

 サポート課は作った道具を持ち込み可能で経営課は参加せず、普通課は運動部の二軍三軍的な扱いだし、やっぱり雄英ってのはヒーローの専門学校的なのだよね、僕は知名度と偏差値の高さで選んだけれどさ。

 

「さてさて、どうすべきか」

 

 僕以外に普通課はマイフレンド心操、サポート課からは一人、他は当然だけれどヒーロー課だ、向こうの個性は第一競技中に見ていたから少しは分かっているけれど、僕が見せたのは飛行と強制魔法少女。

 うーん、ぶっちゃけ僕なら組まないや。

 

 ミッドナイト先生の説明では騎馬戦はポイント制、成る程、だったら僕を入れたら有利……。

 

 

『一位は……10000000ポイント!』

 

「マイフレンド、僕と組もう! おんぶして! 僕が君と一緒に飛ぶからさ」

 

「おい、巻き込むな。大体、そんな事を大声で言ったら速攻で狙われ……まさか」

 

 ふっふっふ、思い当たったみたいだね。

 凄く嫌そうな顔をするけれど、それでも組んでくれるのはマイフレンドがマイフレンドたる由縁だ。

 

 え? サポート課の君も目立ちたいから組みたい? ごめん、重量オーバーだから。

 それに目立たないよ、最初は凄く目立つけれどさ。

 

「ねぇ、心操。凄い殺気を感じるんだけれど、様子見の時の挑発って何を言ったの?」

 

「いや、どう考えてもお前のせいだろ」

 

 周囲から感じる視線、特に今にも人を殺しそうな形相の爆豪君だけじゃなく無表情の轟君まで殺気を送って来ている気がしたんだけれど、僕って強制的に衆人観衆の前で女装させただけなのに。

 

「確かに僕が七割くらいだね」

 

「十割だ。全部お前が悪い」

 

 そしてマイフレンドには擦り付けられなかったと……。

 

「じゃあ、僕はパーを出す」

 

『それではスタート! おおっと! 開始の合図と同時に渡我チームに他チームが殺到、それに対して飛行で上に逃げようとするけれど……』

 

「死ねや、ゴラァアアアアッ!」

 

「……」

 

 左右から爆破の勢いで飛ぶ爆豪君と轟君が放った氷の壁が迫ってこのままじゃ逃げ切るのは間に合わない。

 

 

 

「「ヨヨイのヨイ!」」

 

 只し、僕と心操が野球拳をしなかったら!

 

 

『おおっと! 渡我チームがジャンケンと同時にバリアを張って攻撃を防ぎ、そのまま手を出せない上空まで逃げ切った!』

 

 

 そうだ、これは吸血鬼の持つ催眠能力の応用、ただし通常のは無理な使い方、その名も強制野球拳!

 侵入不可能な結界を伴う野球拳強制さ。

 

「靴、脱ぎ捨てたのが無事だと良いんだが・・・・・・」

 

「大丈夫大丈夫大丈夫、」

 

 僕達が飛び上がったのは遥か上空、爆豪君なら飛んで来られるんだろうけれど、僕の個性の詳細も心操の個性も分かっていないんだったら下手に向かって来られない。

 

「まさに高みの見物だね。フィールドから出ないようにしながら楽しもう」

 

「……」

 

「おや? 無言だけれど……ああ、成る程」

 

 落とさないようにしっかりと掴まっているからだろう、幾ら親友だろうと女の子と密着するのは年頃の男の子にはキツいよね。

 

「ふーん。へーん。ふーん。暇だししりとりでもする?」

 

「……いや、何もしないのは勿体無い。次は個人戦の可能性が高いんだろう? 少しだけ準備をしておこう」

 

 下を見れば下手に僕を狙うよりも残りで戦った方が良いと思ったのか完全無視、後は制限時間まで時間を潰せば次に進出なんだけれど、心操ったら顔は見えないけれど絶対に悪い顔をしてるよ、この声じゃ。

 

「じゃあ、早速やっちゃおうか。合図は頼んだよ、心操」

 

「ああ。来いっ!」

 

 腹の底から出すような大声、耳が良い僕には辛いものが有るんだけれど、それ程じゃなかったら歓声響く真下には聞こえない、当然皆は上を向くけれど、注意すべきは上じゃないんだなあ。

 

 

 

『あら? 何か黒いの…が……』

 

 最初に気が付いたのはミッドナイト先生、周囲から地面を蠢きながらやって来た物質が何か理解した瞬間、悲鳴が上がる。

 

 

 

 

「ゴ、ゴキブリ!?」

 

 そう、フィールドに現れたのは周囲から呼び寄せたゴキブリ。

 皆が大嫌いなあの黒い奴だ。

 

 現れたゴキブリは騎馬戦のフィールドの中央に集まり、その総数はおおよそ百。

 それが一斉に好き勝手に動き始めた。

 カサカサって音が聞こえて来そうな錯覚、飛び回っているのも。

 

「おい、あんな能力持ってなかったよな?」

 

「最近使えるようになった。まあ、周囲一帯から呼び寄せて所定の場所に向かわせる以外は一切何も出来ないんだけどね」

 

 

 なんかねー、たまーに新しい力を使えるようになるんだよね、僕。

 個性は吸血鬼だけれど、もうギャグ漫画吸血鬼だね。

 

「あれって俺の仕業って思われるよな? 普通、この場合は魔法少女の敵っぽい奴を出す能力だよな? ゴキブリだらけの彼処には俺の靴が落ちているよな?」

 

 声が、声がマジトーンだ。

 

「てへっ」

 

 この後、パニックになりながらも騎馬戦は進み、ゴキブリはミッドナイト先生が眠らせた後で十三号先生が全部駆除してくれたよ。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ。マイフレンドがヘイトを受け持ってくれたから助かった助かった。皆、目がマジだった」

 

 沢山個性を使ったから僕の喉はカラカラでお腹もグーグー空腹だ。

 吸血鬼らしく血を! とは流石に行かないってか、僕ってレアステーキや鰹のたたきは好きだけれど血自体はあんまり好きじゃないし、姉さんと違って吸血衝動は薄い上に牛乳で代用可能だもんね。

 

 流石に心操から一発拳骨を食らっちゃったけれど、それ以外は問題無いからお昼ご飯の真っ最中。

 親は来ていないし、僕ってご飯は一人でのんびり派だから食堂の端でレアステーキ丼ニンニク抜きを味わい中。

 

「おやおや、仕事が早いなあ」

 

 殺人未遂犯・渡我被身子、僕の双子の姉さんがそれだって既に一部の掲示板で話題になってるね。

 

 まあ、そのお陰か体育祭で活躍しても話し掛けて来る子やヒーローが居ないのは助かるけれど。

 ホークスは忙しいから来ていないのかな?

 

「相変わらず民度が終わってるなあ、日本って。これで僕が犯行中の姉さんにドロップキックを叩き込んで救急車二台を呼ばなかったらどうなってた事やら」

 

 犯罪者をヴィラン……要するに叩きのめされる為の存在として扱って、ヒーローにボッコボコにされるのを楽しむんだからさ。

 自分達が異常者だし、目を逸らしたいから叩ける相手を叩いてるのかも。

 

 

 

 

 

「変な風に平和ボケしてるんだからさ。その平和が何時まで続くか分からないのにね」

 

 今日、オールマイト先生と会ったけれど口の辺りから血の臭いがしたし吐血かな?

 長年の無茶が加齢で出てきたのなら……何時まで持つのやら。

 

 




次回 爆豪がマイクロビキニに!?

裏奴 目 姉にそっくりだ 夜目が効くらしい

裏奴 肌 死体みたいに血の気が引いてるぞ

裏奴 髪 ポニーテールだぞ


個性 吸血鬼 変身や催眠、飛行など色々可能 たまに変な能力も使える 使いすぎると消耗するぞ。吸血衝動は薄いしレアステーキや牛乳で代用可能だ

現在判明しているのは

野球拳 ゴキブリ呼び 魔法少女化 飛行
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