VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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初めましての方は初めまして。そうでない方はお久し振りです。

最近ブルーロックやシャングリラ・フロンティアの原作を電子書籍で購入し、物の見事にハマってシャンフロは原作の方も読み始めてしまった作者です。

ちびちびと書いていくので、よろしくお願いします(そんなことより執筆中の作品の続きをはよ書け)


プロローグ:胡椒のシャンフロ始まる
購入とキャラメイク


「ふぅ~…やっと買えたぁ」

 

大型スーパーを出て、購入した商品が入った厚手のレジ袋を持って、一息付く者が居た。ポニーテールに束ねた茶毛の髪を揺らし、青い薄手の長袖と黒のジーパンを身に付け、街を駆けていく。

 

青年の名は五条(ごじょう)(あずさ)、東京の某大学に通う大学1年生である。

 

「此の日の為にバイトのシフト増やして給料貯めて来たからなぁ。くぅぅ~、漸く努力が実る………!」

 

彼は今日、あるゲームと其れをプレイする為に必要となる機材を購入した。

 

「今から楽しみだ…待ってろよ『シャンフロ』!」

 

 

 

 

 

シャングリラ・フロンティア、通称シャンフロ。

 

 

1年前の春に発売されたフルダイブ型VRゲームで、登録者は3000万人にも上る化物タイトル。最も多くの人が同じゲームを同時にプレイした世界記録を持ち、僅かな低評価が圧倒的な好評価で上書きされるという、誰もが認める神のゲーム――所謂『神ゲー』として世間から認知されている。

 

中世並の文明世界でありながらも、SF要素を落とし込んでおり、プレイヤーは其の世界の住人――開拓者となり、広大な世界を自由に生きていく………というのが、シャンフロの特色なんだとか。

 

 

「ただいま~…って誰も居ないが」

 

都内某アパートに帰還した梓は、早速シャンフロをプレイするべく動き出す。フルダイブ型VRゲームはガチ勢でない限り、基本的に動くことはせずベッドや床に寝てプレイする。

 

其の間、身体は無防備となり、水分補給は愚か、食事も取れなければトイレにも行けない。実際夏場の室内でVRゲームをプレイして、熱中症にかかって救急搬送、最悪死亡する事例をニュースで観たことがある。

 

蒲団を敷き、シャンフロとVR機材の説明書をよく黙読し、梓はトイレを済ませ、水分補給と愛用しているカロリーメイトを頬張り、玄関の扉に鍵とチェーンを掛けて、窓を僅かに開けた。

 

「機材ヨシッ、ソフト挿入ヨシッ、起動チェック……OK、大丈夫と」

 

ID及びパスワードを設定、頭にVR機材を付け、蒲団へ身を委ねるように身体を投げ出す。

 

「いよいよだな…VR初心者だが、まぁ何とかなるだろ。多分」

 

期待と不安が入り交じり、梓のシャンフロは始まった。

 

 

 

 

 

 

 

白いまっさらな空間に、タイトル画面が表示される。出て来たパスワード項目に、先程設定したパスワードを打ち込み確認ボタンを押すと、新規キャラクター制作のボタンが出て来た。

 

「キャラメイクかぁ…性別は男としておいて、どんな感じにしよう………ってか、種類多いな?!ざっと50はあるんじゃね?」

 

梓がシャンフロでまず驚いたのはカスタマイズの広さだった。髪色や目の色を始め、アクセサリーに肌色や体格、人種も選び、自由に作れるキャラメイク。此れだけでも迷ってしまいそうだ。

 

だがしかし。

 

「……でも、俺自身。既にやりたい事を決めてるんだよね」

 

そう、梓は去年の春に発売されたシャンフロを買い逃した時から、いつかプレイする時が来ることに備え、キャラメイクの方向性を煮固めていたのである。

 

「リアルの自分をベースに髪色は固定、右目は碧で左目は朱のオッドアイ、性別は男で、種族を人間、身長は10cm高い185cmに………と」

 

そうして完成したキャラクター…シャンフロの自分を見つめて、梓はやり遂げたと言わんばかりにむふーと鼻息を吐いてみせた。

 

「そして次は……職業と出身も決められるのか」

 

シャンフロというゲームにおける職業は武器や魔法に対する適性が、出身には各々上昇補正と下方補正が組み込まれている。

 

「キャラメイクの組み合わせ程じゃないが、職業と出身も半端じゃないな」

 

戦士であれば、物理系統の武器が得意で魔法はからっきし。魔法使いであるなら、魔法やMPに秀でているが物理関係は駄目……みたいな感じである。

 

其の数多の職業の中で、梓が目を引かれたのは――――

 

「………『バックパッカー』。後衛職とな」

 

 

バックパッカー

 

武器や防具、消耗品等の物資を其の身一つで運び、時に他者との商いを、時に開拓者の困難を打開する者。其の背に背負うのは、誰かの希望である。

 

 

「誰かの希望を背負う…か、良いじゃん。そういうの」

 

文脈の最終部分にゾクリと背筋が震え、カッコいいと思った。バックパッカーは、アイテムインベントリの上限が他の職業よりも優れているらしい。

 

「職業がバックパッカーなら、素早く動きつつ武器を投げ渡したり、投擲に適した方が良いのかな?」

 

項目の中を片っ端から探して、良さそうな出身を探す。そうして梓は幾つかの候補を見付けた。

 

先ずは『先住民』。NPCとの会話や好感度に大きな差違が働き、一部NPCから『敵対』される代わりに、スタミナ(STM)筋力(STR)に上昇補正が掛かる。

 

次に『探検家の子』。探索エリアからスタートする代わりに、フィールド内で自身が探索した区域のアイテムドロップに補正が掛かる。

 

そして『行商人』。NPCとのアイテム売買に補正が掛かり、金額に変化が起こる。町からスタートする。

 

 

「………よし。探検家の子にしよう。素材集めの周回は少しでも楽になる方が良いや」

 

出身を決定し、最後にプレイヤーネームを打ち込む。

 

「名前はペッパーっと。これで完成」

 

最終確認ボタンを押して、いよいよゲームが始まる…といった所で、シャンフロのプロローグが流れ始める。他の人は早くゲームをやるためスキップするのだが、梓はオープニングは世界観を知る上で大事だと考えており、スキップはせずにBGMと共に流れる説明文を見つめていた。

 

 

 

 

遥かな太古、神代と呼ばれる時代があった。 偉大なる神人達は後世に命を紡ぎ、その姿を消した。 時は流れ、神人の遺志継ぐ我々は彼らが願ったように地に広がり、そして大いなる命の流れを紡いでいく……

 

 

今を生きる我々は、歴史と遺跡の中に息づく過去の遺産から神人達の軌跡を辿る。 貴方は開拓者。東よりの風と共に現れ、幾度となく膝をつき、されど進み続け……そして風と共に消えるかもしれない者。

 

 

貴方の生きる意味は?

一振りの剣に己が身命を託す?

魔道の深淵を覗いて魔道の高みを目指す?

 

 

あるいは戦いの道を選ばないことも出来る。その全てがここにある。その全ては貴方の中にある。さぁ、一歩踏み出して。 未知を、未来を、そして可能性を切り拓いて。それがこの地に生まれ落ちし、神代よりの子らに課せられた使命なのだから。

 

 

 

五条 梓、もといプレイヤーネーム ペッパーの、シャングリラ・フロンティアが始まる。

 

 




いざ往かん、シャングリラ・フロンティア


※五条 梓がシャンフロを始めた時期は、大体4月辺りです。原作主人公の陽務 楽郎が、シャンフロを始めたのが7月なので、3ヶ月分先輩になります
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