VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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必殺の一太刀(二撃)




(おう)(おう)(おう)の饗宴 〜其の十四〜

ルスト・モルドの青春コンビにSOHO-ZONEが握り、対アトランティクス・レプノルカ"憑依一体(エピタフ)"攻略仕様に自己変革と自己進化を行った覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)の新技『魂魄切断(タマダチ)(命名:SOHO-ZONE)』二閃が直撃。

 

二人の身体(アバター)に傷は無く、然して魂に憑り付き操る憑依一体の分体が二撃の閃斬によって真っ二つに裂かれ、同時に憑依一体の本体が激しく大きく痙攣し、口から血を吐くが如く『ポリゴン』が溢れた事で、龍神楽の効力が証明されたのだ。

 

『善き斬刃だ………』

「おうふ…………」

「うわぁ………」

「えっ………ぐ」

 

龍神楽は実に晴々とした目と口元をし、武器狂いとまで呼ばれる旧友に、ペッパーとサンラクもあまりの出力に戦慄(ドン引き)し、憑依一体がアスカロン・リペアに向ける以上の視線(殺意)を龍刃に向けている。

 

まるで『今直ぐに潰せ』と分体入りのモンスター達を差し向け、剰え自分自身も動き出した事で龍神楽が奴の逆鱗に触れたと思い、フィールドの状況を加味して動き出し。

 

同時に視線の片隅では、分体の操作支配(コントロール)から解放された天将王装+海王合体状態のルスト、其の背に獅噛み付くモルドが荒れ狂う中で敵を叩きつつも、此方に向かって泳いで合流して来て早々、龍神楽に問い掛けた。

 

「今のドラグマがやった?」

『ああ。憑依一体の分体のみを切り裂く、オレの魂魄切断(タマダチ)を叩き付けてやった。奴もだいぶ効いたと見える』

「何其の達人みたいな技………」

「詳しくは後!今憑依一体の分体入りのモンスター達は、一番脅威だと確信したドラグマを狙ってる!ヒュクノティムさんの救出とタンクを俺がするから、皆は隙を突いて周りのモンスターを兎に角削ってくれ!兎にも角にも此処が踏ん張り所だ!」

 

蛸足でSOHO-ZONEから龍神楽のパスを要求、状況を加味してか物凄く名残惜しそうに蛸足に渡され、アスカロン・リペアに覇刀:龍神楽を握り巻きつつ構えを取れば、皆もまた同じくして武器を構える。

 

雷撃が飛び交い、雷を弾きし言霊は告げられて───────此処より戦場は一層の混沌を帯びる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本題を済ませ、果たして『其れ』に気付けたのは幾人居たか。

 

魚人鍛冶師(マーマーン・スミス)が鍛冶に置いて必須とする水熱源石(ブレイズストーン)をマウアナ海窟にて確保し、何の因果かペッパーが持つジークヴルムの角と黄金のマグマによって神匠鍛冶師が作ったという、覇刀が獲得せしコミュニケーションにより懐妊していたアトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"の出産を助け。

 

深海の女帝と子供、或いは母子の触れ合いを見届けた後、海底都市アルトランティアにいざ帰還……………とした中で、青竜エルドランザとレーザーカジキに数人のプレイヤーは、ペッパー達の様子を見に行くべく別行動を取っていた。

 

「いやはや、深海の神秘を見れた気分ですよ〜」

「にしてもペッパーさん達大丈夫なのかな………?あれから時間は経ったけど、未だに戻って来てないし………」

『………周りの魚共が居らん、随分と気味が悪いの』

「アスカロンの影響、何でしょうか………?」

 

ペッパーが持つ魚人族の英傑武器アスカロン・リペアを見た不世出個体達は、有象無象の自分達を無視して持ち主にヘイトを向けていた。

 

其れにより周りの外敵が引き寄せられ、周囲の安全が確保された"覇頭衝角"の懐妊個体は此方のサポート有りとは言え、無事に子供を産み落とし、スキンシップの後に深海の暗闇に消えた訳だが、囮を買って出たペッパーと、援軍に向かったサンラク達の其の後を、レーザーカジキ達を含めた一部のプレイヤー以外は新しい生命の誕生の瞬間に感動し、其の事が頭からスッポ抜けてしまっている。

 

不安の気持ちが大方を占め、果たして六人と一本に一機は無事なのか?─────────そう心配しながらも、ペッパー達が向かった大体の方角を進めば、海中を走る『電気特有』の感覚と音が響く。

 

「痛ッ!?」

「バチッて来た!」

「コレって…………!」

『気を付けろ、もう既に『戦闘領域内』に妾達は居る………!』

「此処からでも来るって、じゃあペッパーさん達は『もっとヤバい所で戦ってる』って事…………!?」

「アトランティクス・レプノルカ達の電撃は、ペッパーさんがクターニッドさんのパワードスーツで弾いてるとしたら…………『もっと凄いモンスター』と、戦ってたりするんでしょうか…………?」

 

海の中は未だに未知と怖さが在る。深く深い海の底の底を目指す程、其の先に立ち塞がる敵もまた強くなる事を、エルドランザやレーザーカジキは良く知っている。

 

チェーンソーが其のまま生体兵器としてくっ付いて、どういう原理で海中を削りながら機動遊泳で襲い来るという、ノコギリザメな見た目のモンスター『シャーシルソーク・ウェルフェンダ』。

 

ホンソメワケベラやコバンザメを従えながら泳ぎ、ミサイルとして扱いながら高機動の爆撃機じみた範囲攻撃を仕掛ける、巨大なエイとマンタのキメラモンスター『ブルフルボナーバ・ギャミソウレ』。

 

カッパとピラニアとエイリアンを混ぜた見た目こそアレだが、エルドランザが美味い美味いと好んで食べて、自分も美食舌を手にして食べた所、とても美味しいモンスターだった『フェロシタス・デレクタメンタム』と、地上とは違う生存競争の中で海に留まる事を選び、独自の進化を遂げた生態系は個性に彩り満ち溢れ、日々の喰い喰われの命のやり取り(ドラマ)を繰り広げている。

 

「エルドランザさん、僕達も此の先に行きましょう!ペッパーさん達を放っていられません!」

「「「レーザーカジキ君(さん)!?」」」

『よく言うた、レーザーカジキよ。覇を唱えし王に至る者が此処まで来て、おめおめと引き下がれる物か!我が力、今の彼奴等に何程通ずるか確かめんとしよう!さぁ、確り掴まれぃ!』

「エルドランザさんまで!?」

「ちょ、此のまま直行ぅうう!?!」

「おわああああああ!?!!」

 

小さな勇気を灯火とし、暗闇の中に道を探す。未来を切り拓くべく、竜と人は戦乱の渦中に己の身を以って飛び込んだのである。

 

 

 






見えぬ暗闇を進む時、人は其れを冒険と呼ぶ


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