VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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未だ終わらぬ戦いを




(おう)(おう)(おう)の饗宴 〜其の十五〜

アスカロン・リペアのヘイト惹き付け効果で、ペッパーが恐れ知らずとばかりに喧嘩を吹っ掛け、単身マウアナ海窟から離れた海域までアトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"二体にアトランティクス・レプノルカ"憑依一体(エピタフ)"を引っ張り、其処を決闘の地として定めた所に他の深海生モンスターまでも来襲。

 

アスカロンや覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)に海中戦で深海水圧に耐えられる武器を使って叩いて斬って、途中でサンラク達が援軍として合流したのも束の間、憑依一体による特殊行動で放たれた分体でルスト・モルド・ヒュクノティムが操られ、自己変革と自己進化によって獲得した龍神楽による魂魄切断(タマダチ)が、ルストとモルドに入った分体を斬り捨てた事で解放され。

 

そうして今も尚、ペッパー達は戦い続けていた──────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『魂魄切断!!』からのッ、『雷撃よ霧散せよ』!」

「…………はっ、えっ、あ!そうだ、分体が身体に入っッッッ!?な、何だ此の状況は!?!」

「やぁーと正気に戻ったか」

「手が足らない、アンタも援護」

「少しでもダメージを与えて!」

 

海中を跳ね回る挙動で動き続けていたヒュクノティムを巨剛触手で引っ捕らえ、龍神楽の魂魄切断一閃で操っていた憑依一体の分体だけを斬り裂けば、当の本人は乗っ取り状態から意識が覚醒したらしく。

 

状況改変(じょうきょうかいへん)の言霊で雷が文字通り霧散し、周囲では深海の王や他強者達、自分含めたプレイヤーが入り乱れての大混戦となっている光景を前に、やはり驚きを隠せずに居る。

 

「其れに、アトランティクス・レプノルカ"憑依一体"。………お前は其の特性の能力で、『他の生命達の怒り』を買ってしまったからな」

 

憑依一体の分体による操作は、本来の持ち主の意志に関係無く操り、身体の自由を奪って暴れ回らせる悪辣な行動だったらしく、魂魄切断で分体を切り裂き解放されたモンスター達は主犯格の憑依一体に復讐せんと往くが、相手は腐っても深海の王と呼ばれ、不世出存在に昇り詰めた更なる兵。

 

一矢報いんとダメージは与えられど、逆にビームを乱射して身体を貫き、其れ以上の致命傷を食らって倒され、其の身を分体が再び乗っ取り操ろうとしているが、今度ばかりは『そうは問屋が卸さない』。

 

『奴の魂のリズムには既に『適応』しているからな。即ち奴が『嫌うリズム』を刃で斬った存在に残せば、当然同じ事は出来なくなるのが常よ』

「そして魂のリズムは『生物や物体が生まれ付いて持つ特有の物』、其れを変えるには『種族其の物』を別存在にするくらいしなくては不可能………と言いたいのか?ドラグマ」

『あぁ、そういう事だ。良く理解し(わかっ)ているではないか、ペッパーよ』

 

アトランティクス・レプノルカ種のコミュニケーションに適応し、生物には其々が魂の波長が在る事を知り、自己進化と自己変革の先で霊体存在を斬り裂く力を手にして、今し方同じ事を繰り返させず、此れ以上の生物に対する冒涜を許さない。

 

倒れ逝くモンスター達のポリゴンが崩壊し、海中に投げ出されるドロップアイテムの数々をサンラク・ルスト・モルドが中心に回収し、今度はアトランティクス・レプノルカを憑依一体にぶつけるべく挑発・誘導を始め。

 

ペッパーは言霊を紡いで雷撃を無効にしつつも、アスカロン・リペアを振るって憑依一体の護衛として付いている、ル・ゲネテレが握り担った時代に敗れた覇頭衝角への復讐(リベンジ)を果たすべく、致命極技(ヴォーパルヴァーツ):太刀型(たちがた)晴謳(ハレウタイ)】を起動。

 

戦闘開始から十分以上の超過による確定クリティカルが確約され、同じ攻撃属性持ちの武器で攻撃する度に威力が上がる二刀流系列スキル『レイズ・トゥ・ライズ』を重ねた状態で、龍神楽の刃を通した場所にアスカロンを、別の蛸足に紅暴龍魚の臥掌斧(レ・アルガ・ミティオン)海喰の雑剣(バスタード・ブルー)海蝕晶剣(ヴォルブレアナイフ)を続け様にブチ当てる。

 

本来深海の王達は種族的に斬撃は効きにくいが、ルルイアスにて斬撃武器のみで乱れ斬りで仕留め、あの頃よりレベルキャップ解放と三桁レベルのステータス、水棲系のモンスターに対するダメージ補正が乗った武器達の連続斬撃は、近くで見ているヒュクノティムからしても『まるで複数人が蛸足を操っている』かの如き、凄まじい出力を発揮しているのが目に見えて。

 

「SOHO-ZONEさん、ちょっと龍神楽を持ってて下さい!ヒュクノティムさんは海中挙動で皆の援護を!」

「任された!」

「え、あ、うむ!」

 

ペッパーから投げ渡された龍神楽をSOHO-ZONEが取り、ペッパーは深く刻んだ斬り傷にアスカロンの鋒を渾身の力で突き刺し、他の深厳戟響脚(アンピィ・トゥルリテ)以外の武器をインベントリアに放り込んだ瞬間、ペッパーの身体は虹と金色の輝きが満ち溢れ、無手たる右拳で覇頭衝角の身体に叩き付けた刹那───────。

 

『!??!??!?!!!?!』

 

ドドドドドドドドド!!!と、僅か一秒足らずで()()()殴られたと錯覚する程に、無数の拳と蛸足が突き刺さった衝撃が、遅れて覇頭衝角の巨体に襲い掛かったのだ。

 

 

 

 

ペッパーが使ったスキルは、自身とパーティーを組んだメンバーの数と質を参照する虹華顕燗(ブリリアント)と、パーティーの数が出力の鍵を握る皇金時代(ゴールデンエイジ)に、スタミナ減少を無効化する窮速走破(トップガン)の三種の不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)

 

リュカオーンの愛呪によって発現した四種のスキル、狼皇の鼓動(ルプリス・ヴァースリズム)黒狼の鋭眼(アーテオル・ガウス)闘心狼魂(ウルフェス・アーハン)剛狼重肢(エナハ・ガウシル)

 

右拳による拳撃を敵に当てた後、左拳の拳撃を同対象に当てると、使用者のスタミナ消耗減少と拳撃速度上昇、対象の衝撃耐性・気絶耐性弱体化効果が蓄積と追加がされていく、五同調連結『連廻拳葬(ノックダウン・アワード)』。

 

発動した拳撃・脚撃・格闘スキルの再使用時間(リキャストタイム)を十倍化の代償を引き換えとして、ヒット時にダメージを十倍計算で産出する大技致命極技(ヴォーパルヴァーツ):闘撃型(とうげきがた)那由多轍(ナユタワダチ)】。

 

そして最後は、複数手腕を操る己自身がシャンフロで培った技術を結集し……………

 

 

 

 

オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ─────────!!!!!!

 

 

 

 

端から見ても『人間讃歌』を高らかに謳い、能力バトル作品の源流に成った漫画で扱われる、時には複数のページすらブチ抜いて表現される『ド迫力のパンチングラッシュ』を蛸足八本と右腕一本で執行し、速度・威力・衝撃は増して行き。

 

「此れはッ!操られた生命達の!!分ッ、だあああああああああ!!!」

 

蛸足を右腕に巻き付け、まるで一つに集約する様に。其の拳全てに自身に蓄積された強化(バフ)の総量で更に威力が上がる、彼が持ち得る格闘系の中で上位を争う聖攣の神覇業(ウルク・フォルセティ)を乗せた拳撃が、アッパーカットの如く覇頭衝角を構成するポリゴンを巻き散らせながら、上へと吹き飛ばしつつも突き刺したアスカロンを引っこ抜き。

 

 

 

『規定連撃回数観測、条件達成』

『達成者プレイヤー名:ペッパー・天津気(アマツキ)

『称号【最大連撃(ラッシュホルダー)】を獲得しました』

 

 

 

深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)の機能・巨剛触手(きょごうしょくしゅ)を十全以上に使い熟し、其の身で振るいし魂を込めた信念の連撃が、蒼空を舞いて深海の果てを見し勇者を新たなる極点に至らせた事を、世界は祝福するかの如く報せて。

 

此の日、ペッパー・天津気は空と海と連撃という、此のシャングリラ・フロンティアの世界で永く語り継がれる『三冠達成者(トリプルホルダー)』と成ったのだった。

 

 






君は究極の三冠者


*イメージはジョジョの奇妙な冒険・第五部『黄金の風』にてジョルノ・ジョバーナのスタンド『ゴールド・エクスペリエンス』によるチョコラータへの『怒りの無駄無駄ラッシュ』。

或いは『劇場版:僕のヒーローアカデミア・ワールドヒーローズミッション』で緑谷 出久がフレクト・ターンの個性攻略に使用した『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ワールドスマッシュ』。

秒間にして38発以上(秒数経過で更に数が伸びる)、最終アッパーカットを含めれば『総計1023発を叩き付けた事』で、最大連撃獲得の規定値を超過した。

尤もペッパーは此れを()()で取った事が『一番の大問題』で、地上に戻って同じ事をすれば、当然ながら記録は『自力で更新される』。


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