VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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アスカロンの状況




インパクト・オブ・ザ・ワールド 〜ステップ・バイ・ステップのリズムで未来を目指して〜

深海の帝王と深海の魂縛王、其れに付随して来た強者達にアスカロン・リペアに引っ張られて来た深海の猛者達を倒し、アスカロン・リペアを再生成(リバース)派生に持って行く為の条件『アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"を討伐する』を満たし。

 

魚人族(マーマーン)達の故郷・海底都市アルトランティアへ仲間達と共に帰還から、魚人族の王ルルクヌス20世とアスカロンの元持ち主の英傑ル・ゲネテレの子孫、魚人族の名匠鍛冶師のジニシィに報告し預けてから二日が経過して、確りと休養を取ったペッパーがアルトランティア内の宿屋のベッドにて覚醒(ログイン)する。

 

「さて、アスカロンはどうなったかな………」

『む、ペッパーよ。目が覚めたか………』

 

インベントリアから龍神楽(ドラグマ)の声が聞こえ、取り出して見れば声に疲労感が有り、表情からは心情を察する事は出来ねども声色で疲れている事は解る。

 

「ドラグマ、大丈夫?」

『昨日だがソーゾーン含めたウェポニアなる連中達に『ドラグマ面接を!』やら『触らせてくれ!』やらと、次から次にオレに頼み込んで来てな。サンラク共々巻き込まれて疲れてしまった。オマエが着けているもう片方の格納空間で、暫く眠りたいのだ………』

「あー………成程解った、ゆっくり休んでくれ」

 

龍神楽の説明に旧友(SOHO-ZONE)の特色という情報から、ペッパーは自分がログインしていない間に何が起こったかを把握し、心中を察して心で合掌した後にもう片方のインベントリアに龍神楽を収納しつつ、中で待機しているカルネ=ヒトミには『龍神楽が寝ているから邪魔をしないように』と伝え。

 

インベントリアで蛸極王装からマクティスシリーズ一式装備に切り替え、武器修繕を頼んだ鍛冶師から修理完了した武器達を受け取り、本題であるアスカロン・リペアをリバース化させているジニシィが、果たしてどうなっているかと彼女の鍛冶場を訪ねに行く。

 

都市を泳げば途中で出会う魚人族のNPC達が会釈して来たので此方も返し、別の場所では物品を売買している魚人族が居たりと、マウアナ海窟産の水熱源石(ブレイズストーン)が供給された事で経済が回っている様だ。

 

そんな亜人種の営みを見つつ、本題となるアスカロン・リペアの状況把握に向かえば、途中でウェポニア・ライブラリ・SF-Zooの海中に関係する事柄の為にアルトランティアまで着いて来た面々が、ジニシィの鍛冶場近辺をパトロールしたりしているのを発見。

 

そして其の中でも一際キラッキラな視線を送るSOHO-ZONEと、数日前にガッツリとオハナシしたのだろうサンラク、天将王装+海王で海中を泳ぐルストと背中に掴まるモルドが此方の到着に気付いたのも有ってか、全員が件の発起人が到来した事でワラワラと寄って来るのを軽く流して、彼女の鍛冶場の瓦礫の扉をノックする。

 

「ジニシィさーん、来ましたよー」

「おぅ、入ってきな」

「失礼します」

 

瓦礫を動かし中に入れば、ウェポニアやスペリオルアビスのメンバーを中心に後ろに付いて来る。そして入った先の青白く灯を灯した室内では、腕組み自信満々ドヤ顔のジニシィが仁王立ちで出迎える。

 

「来たね、ペッパー。アスカロン・リペアはアンタ達が採って来た水熱源石の御陰で今し方、アタシの手で無事に再生成(リバース)化を終えた。此れが我が祖先ル・ゲネテレの敗北を払拭せし、アスカロン・リペアの新たな姿………『アスカロン・リバース』さ。後のサービスとして、コーラルホエールの皮やらで鞘を作っといたよ」

 

ジニシィが取り出すは、美しき赫と蒼の二重螺旋を描くが如く在る剣の持ち手たる柄と、海の冬将軍と称されるコーラルホエールの体皮を中心に深海性のモンスターの素材で作った鞘が、熱を加えて力任せに畝らせて冷やして固めたと思わしき、アスカロンの剣身にピッタリと寄り添う伸縮性に富んだ物であり。

 

留具を外して剣身を引き出せば、熱く滾る赫き剣刃に冷たく凍える蒼き峰、そして其の中心に在るは翠に輝く鎬、アスカロン・リペアの頃よりも熱波と冷気は落ち着けども、其の実無駄に振り撒かれて暴れていた力を制御し、外面以上に内面的な部分でより力を高めて強まったと、アスカロンを通じて感じ取れた。

 

早速フレーバーテキストをチェックしてみよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカロン・リバース【英傑武器(グレイトフル)

 

武器種:片手剣

 

 

魚人族の英傑と讃えられ称されし、ル・ゲネテレの元で振るわれ、数多の敵を屠りし業物。アトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"に敗れ、力を失い、長き時を彷徨い、ペッパー・天津気(アマツキ)の手により嘗ての敗北を払拭されし魚神の牙。

 

荒振りし赫焉の焔熱の血脈たる刃と、冥府の蒼氷の冷気たる峰を束ねて重ね併せ、相剋なる属性同士の間に目覚めし光を宿す、偉大(おお)いなる片手剣。

 

苦き敗北を乗り越え、其の刃は今再び在るべき姿へと至らんとする。

 

 

此の武器は水圧による耐久値減少が発生せず、此の武器による攻撃は炎熱・氷結に属する効果を持つ。

 

水棲系・海洋系のモンスター、並びに始源眷属・始源眷族に対して大幅なダメージ補正を持つ。また装備中、水棲系及び海洋系モンスターに対するヘイトを装備者に惹き付ける効果を持つ。

 

効果対象となるモンスターとの戦闘時間が経過する程に、此の武器によるダメージ補正効果は更に上昇する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「正当強化だからか、武器種は片手剣のままか………ってあれ?搭載された能力に新しく『始源存在への特攻能力』と『時間経過に比例したダメージ補正強化』が加わってる………」

「「「「えっマジすかペッパーさん!!?」」」」

英傑武器(グレイトフル)って存在がそうなのか、別の理由が有るかは知らないが、始源眷族だか眷属だかの連中に対して今以上に力を振るえるらしいね」

「因みにリバース化するのに、水熱源石は幾つ使いました………?」

「ざっと『百以上』だ、其れくらいアスカロンは大食いなのさ」

 

英傑武器の再生成派生は、再構築(リビルド)派生と違って敗北したモンスターを倒して敗北を払拭するのと、必要となる素材が再構築派生より多くなり、場合によっては再構築の方が良いとも見られるパターンが有ったりする。

 

其の分再構築と異なり、武器自体の種類を変更せずに元々の状態まで戻した場合の出力は高く、始源存在達への特攻能力を搭載すると考えれば、労力に見合うだけの価値は有るのだろう。

 

SOHO-ZONEの視線がアスカロン・リバースに注がれ続け、試しに柄を持ち軽く振れば、熱さと冷たさの二つの相反する属性が混同したエフェクトが海中を撫で、雪の結晶が溢れて放たれたと思えば瞬く間に熱によって海へと融けてしまう。

 

「一瞬とは言え、深海中を凍らせるとは………」

「地上に帰った後の出力が俄然気になりますねぇ〜」

「確かサンラク氏が持ってる英傑武器はリビルド派生だっけ?」

「ですです、異なるルートの英傑武器が二つ………つまり」

「成程ペッパー氏がリバースな訳だから、此れは其々のルートを確かめるのに役立ちそうだ」

 

ウェポニアがざわめき、サンラクと共に英傑武器のルート先の状態を暴こうかと企み始め、また色々と巻き込まれそうな悪寒に苛まれながら鞘に納め直し、礼を述べてアスカロン・リバースをインベントリアに収納する。

 

「アスカロンのリバース化、ありがとうございますジニシィさん」

「あぁ、ペッパー。ちょっと良いかい?」

「…………どうしましたか?」

「今回アスカロンをアタシが直してリバースにした訳だが、英傑武器ってのは名匠の手で直すのにも()()が在るんだろう?」

 

此の瞬間、ペッパーはジニシィが言わんとしている事と同時に、自分が彼女に何をするべきなのかが、或いは此の感覚はガンスミスライセンスの情報をヴァイスアッシュから聞いたビィラックの時に似た、『ユニークシナリオの発生の予感』が脳裏を過った。

 

おそらく此処からユニークシナリオとして発生するなら、魚人名匠鍛冶師のジニシィを古匠鍛冶師にする為に新大陸側のバハムート・リヴァイアサンに連れて行き、内部に在る魔力運用ユニットとリヴァイアサン製の機装(デバイス)を確保から、其れを彼女に渡して古匠に転職して貰い。

 

リバース状態からルルクヌス20世が語った『黄金のマグマ(神殿に祀られし金色に輝く地脈)』と『冥府の深海の底に在りし王水』でアスカロン・リバースを更に二段階分強化を行い、英傑武器としての箔と力を更に身に付けさせ。

 

赤竜と大赤依の連戦後に黄金のマグマをビィラックに届け、彼女がアラドヴァルとアスカロンの声を聞いて意識を乗っ取られた時に述べた、最強なる冥王の血をアスカロンに注ぎ入れて終なる領域にまで至らせられる器とし、神化を行いアスカロンを()なる姿へ至らしめる………其の一連の流れを組んだ『ユニークシナリオ』が発生すると。

 

「厚かましいってのは重々承知している。だが、アタシはル・ゲネテレの子孫としてアスカロンを直したい。だからこそ頼む…………アタシが名匠の先へ進む為に、力を貸してくれッ!」

 

 

 

 

 

『ユニークシナリオ【深き海より、真の鍛冶を目指し】を開始しますか?【YES】/【NO】』

 

 

 

 

 

深淵の盟主よりの彼の者の鎧を託された事実と、アスカロンをリバース派生の為に深海の王の不世出個体を倒した事、其の二つを主に様々な要因が絡んだ事によって、魚人族の名匠鍛冶師ジニシィを古匠鍛冶師及び神匠鍛冶師へと育成するユニークシナリオが発生し。

 

他のプレイヤー達が顔を見合わせ、ウェポニア面々含めた者共の視線が突き刺さる中で、依頼されたペッパー本人は迷う事も無く、まさに電光石火の即断即決でYESボタンをタッチし受注したのだった…………。

 

 






次なる段階へ征く為に


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