VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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世界を巡る情報、其の時のある者達




ビートをアッパーにカチアゲて

 

 

『緑、みどり、寄り取りみどり…………生命を吸い尽くし、己の手中に堕とす、緑の厄災。奪い、奪い、奪い尽くし、されど奪われ、奪われ尽くし、最後は何をも無くして地に朽ちる。しかし油断ずべからず………緑とは輪廻の中、再び地へ這い出す存在(モノ)なり』

 

『モンスター急襲(レイド)……討伐(クリア)!』

 

『討伐対象:(なぶ)縁大緑(えんたいりょく)

 

『レイドバトルが終了しました』

 

『参加人数:181/200』

 

『次レイド開始:719:59:38……』

 

 

 

 

「えっ、レイドモンスター!?」

「嬲る縁大緑討伐、………マジで!?」

「確か旧大陸に居る緑の始源だったっけ?」

 

世界に響き渡った、嬲る縁大緑討伐のアナウンス。其れはシャンフロの地に生きる開拓者(プレイヤー)亜人種(NPC)も例外無く、全ての者達に高らかに報せるが如くリザルト画面の表示を以て証明された。

 

当然ながら其れは、現在リヴァイアサンを目指して新大陸の海岸線を爆走しているペッパー達一行にも報じられ、ノワの背中に乗ったプレイヤー達が困惑する中で、唯一人ペッパーだけは『落ち着いた心境』と共に言葉を零す。

 

「おー、凄いな…………」

 

其の言葉は『称賛』を込めた物からなり、(むさぼ)大赤依(だいせきい)と同じくプレイヤーやNPCを乗っ取り操る手段を持つ嬲る縁大緑、此れを自分(ペッパー)が居らずともプレイヤー達は始源の存在を打倒せしめる力を持つと『証明』に相違無い事だった。

 

(嬲る縁大緑の再出現(リポップ)までの時間、始源存在達は討伐したら『一ヶ月』のインターバルが挟まってる。九月の頭辺りに倒した彷徨(さまよ)大疫青(だいえきせい)も、再出現までの時間が『同じだったから』もうそろそろ復活するだろう。………おそらく始源存在達は一回倒すと、其処から一ヶ月後に再出現するんだろうか?)

 

ペッパー自身も貪る大赤依と彷徨う大疫青の、新大陸の赤と旧大陸の青の二色しか倒せていない為、ハッキリとは断言出来る訳では無い。

 

其れでも大疫青と縁大緑、二つの始源眷族の撃破後に示されたリザルト画面、再出現時間から大方の予測は可能な点を鑑みて、自分は自分の課された課題(タスク)を一つ一つ片付け、新大陸の赤以外の始源存在の発見・可能ならば撃破を目指しつつ、何れは無尽のゴルドゥニーネが言っていた『最果ての社地(シャシ)』に向かう事に決めた。

 

そうこうしている内に視界に巨大な鋼鐵の機巧の鯨(バハムート二番艦・リヴァイアサン)の姿がハッキリと映り、前線拠点からかなりの距離を走って来たと沁み沁み思い、近付くに連れて其の巨大さはより際立ち。

 

砂浜でスタミナ回復をする為に立ち止まり、シャンフロ内で世話になる簡単に空腹度を回復出来る食料アイテム、携帯食料を口に放り込んでスタミナ回復速度を早め、ノワにも先日バーベキューパーティーで焼かれた魚を渡していれば、リヴァイアサンを初めて見たジニシィは無言で、巨大なる鋼鐵の鯨を見ていた。

 

魚人族(マーマーン)達が神獣と崇め、自身の遠い祖先の偉大なる英傑ル・ゲネテレが、己が身一つで深海の深い場所で其れを目視した事をして、果たして彼女が何を思っているかペッパー達には解らない。

 

「…………よし、祈りは済んだ。アタシは此れから、『ル・ジニシィ』の名前で通す。改めてよろしくな、アンタ達」

「はい、よろしく御願いします。ル・ジニシィさん」

 

魚人族に伝わる習わしを経て、いよいよリヴァイアサンに一行は乗り込む。此処でル・ジニシィが名匠鍛冶師から古匠鍛冶師に転職する為に必須なアイテム・魔力運用ユニットと、第一殻層『迎門』の道中休憩(ドリンクバー)エリアの自販機に在るリヴァイアサン産の機装(デバイス)を獲得。

 

第四殻層・(VIP)エリア『工廠(コウショウ)』で銃型機装製作認可(ガンスミスライセンス)も取って、万が一に備えてル・ジニシィ達NPCを特殊殻層『(ヤシロ)』へ避難させ、今日のシャンフロを終える算段を着けたペッパーは仲間達を連れて、早速リヴァイアサンへと乗り込んだのだった。

 

「此処からは、リヴァイアサン踏破RTAと洒落込もう………!勇魚さん、第三殻層到達までの時間を測って下さいな」

『畏まりました!』

 

其れでは、よーい………スタート!

 

 

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第一殻層『迎門』、ゴーレムパラダイス・テクノマギジェルスの雨・重力制御システムの暴走によるバウンドを利用した、立体的アスレチックエリア。

 

ノワの影移動でコンテナ迷路を潜り、テクノマギジェルスレインを通り抜け、道中で狩りと自販機でアグアカーテ購入と、ボスの居るエリアに到着から改修型拠点製造式ゴーレム『デベロッパー』の頭を、最大高度持ちの自分が空中挙動全開で叩いて討伐。

 

記録21分31秒。

 

 

 

 

第二殻層『教道』、遺伝子培養で家畜としての性能に特化した人工生命体、骨・筋繊維・臓器の塊で作られながらも、討伐すれば調理して食す事も可能な、多種多様な『肉』が闊歩するWindowsのデスクトップをイメージした草原エリア。

 

此処の肉の中でもノワは此の殻層のボス、スぺリオルオマージュ・フロストボディが好みで、特にミディアムに焼いたステーキに甘酸っぱい柑橘系のソースを掛けると、其れは其れはガツガツ食べまくる。

 

悠久を誓う天将王装(フォーエヴァー・ウェザリオ)を投入し、鉄騎の軍馬たる試作型戦術機獣(しさくがたせんじゅつきじゅう)天王(テンオウ)】と、八咫烏を彷彿とさせる試作型戦術機獣(しさくがたせんじゅつきじゅう)冥王(メイオウ)】を呼び出し、陸空同時制圧がてらに冥王との合体で機動力特化の人鳥形態(バーディアモード)と空戦特化の鳥人形態(バードマンモード)の二つを試し、仲間達と共にスぺリオルオマージュ・フロストボディを撃破。

 

記録19分37秒、尚此れは歴代踏破に置ける新記録達成となった所でタイマーストップ。到達累計時間、殻層移動含めて48分21秒、さて完走した感想ですが一言。滅茶苦茶楽しかった………以上、終わり。

 

 

 

 

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「あ、アトマイヤ君。助っ人連れて来るってリヴァイアサン出る前に言ったけど、まさかペッパー君を連れて来るとは思わなかったなぁ…………」

「サンラクさんでも良かったんですが、あの時見掛けたのがペッパーさんだったんですよ」

「御久し振りです、ペッパーさん。相変わらず大暴れしている様で」

「御久し振りです、ヤシロバードさん。アヴァランチさん」

 

天将王装と機獣達を収納と何時もの姿に切り替え、リヴァイアサン第三殻層『戯盤』への到着。同行を申し出たアトマイヤ・ベルヘットガウルの案内で着いた先、待っていたのはSOHO-ZONEやサバイバアルと『殺し合った仲やら何かの因縁』を持つ、午後十字軍に所属している銃狂いのヤシロバードに、シャンフロ銃火器武装集団・S·F·G·F·Aの代表者のアヴァランチで。

 

第三殻層の攻略法が幾つか判明してから、特にプレイヤー達が安定して第四殻層に向かえる様になったデンジャラスアトラクション・スピニングルーレット、其処での一点狙いのジャックポットをヤシロバード含めたプレイヤー達は企んでいるらしく、出立前に彼が言った通り『莫大なスコアが必要』な様子だった。

 

SF-Zooの面々はノワやアイトゥイル、ディアレとスクショや握手やらをすれど、周りや彼女達に迷惑が掛からない様にテンションを抑えているらしく、其れは其れとして他アミューズメント待ちのプレイヤー達にフィロジオリスト達の視線が突き刺さる。

 

フィロジオリストからすれば、数週間前に自分の脳をペッパーによって『無尽のゴルドゥニーネの情報で炙り焼きにされた衝撃』が残っており、そうでない者達からしてもペッパーが此の場所に来た事で『大量のスコアで何をするんだ?』と疑問を抱くには充分。

 

そんなプレイヤー達の混沌とした雰囲気の中、ヤシロバードが放ったのは……………

 

 

 

 

「いやぁ、実はリヴァイアサンで色んな銃達を作りまくって拵えたり、色んな相手に銃使って戦ったりしたんだけど、最近第五殻層で新しいライセンスとか解放されてるかなって調べたら、どうも『銃手(ガンナー)ライセンス』という神代関連の特殊な職業(ジョブ)を見付けてね。多分砂とかシャッガン、ライフルに多分ガン=カタ含めてライセンスが色々有りそうなんだ」

 

 

 

 

あまりにもあっさりと、シャンフロの銃関係の職に関わる情報を喋ったのであった。

 

 

 






其れは特殊なライセンス


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