一先ず成すべきは成され
一日で第五殻層まで辿り着いてル・ジニシィを古匠にする為に必須な魔力運用ユニットを探し出したり、ヤシロバードによって神代ジョブの
特殊殻層『
「ペッパーはん!」
「やぁ、ペッパーさん」
「おはようございます、
『ワン!』
「やぁ皆、何かしてた様だけど………」
「ペッパーはんの御役に立てる様に、ワイ達で特訓してたのさ!」
『グルルン』
「補足:契約者の戦闘経験を判断し、我々は敵対存在の攻撃前もしくは攻撃後に生じる隙を狙い、其処を打つ事を重点とした戦いを模索。各々の遠距離攻撃手段や位置取り等を
ヒトミが自身の目をカチカチと切り替えて映像転写を行えば、ホログラフィックで映し出されるは三人・四人・五人で行う戦術フォーメーションと、アイトゥイル達が動いた後に残った動線の軌道跡。
「当機達の動線を把握し、動く際に起きる『クセ』を直すのでは無く、寧ろ其のクセを『逆に利用する』………。
「成程………」
「
「新しい強化プラン………」
再びカチカチと切り替わるホログラフィック画面、描かれるはカルネ=ヒトミ・アイトゥイル・ディアレ・ノワの四人に関わり、複数の武器や装備のアップデート案が投影された。
「
「…………とは言っても、自分自身の耐久値にステータスはあまり振り込んで無いし、当たらなければ大体何とかなるのはサンラクが証明してるってのがね………」
当たったら負ける、つまり当たらなければ何とかなるし、状況やパーティー次第では逃走しても確実に逃げ切れる。其の上で
「…………あぁ、そうか。俺が『オンリーワン過ぎるせい』で、ヒトミさん達は『強化案を絞り込む事が逆に難しい』のか」
「
ヒトミが指差す先、ペッパーの手首に在る
ヴァイスアッシュが其の昔に作って、エフュールが改良したアクセサリーであり、経験値を半減させて装備者の獲得ステータスポイントを1.5倍に引き上げる事によって、最終的ステータスが通常状態でレベリングを行ってきた者達と明確に一線を画す物。
「…………其れなら『全部の強化案』を試してみよう。必要な物資と金は此方が全額負担する」
「全部………ですか」
「全部なのさ?ペッパーはん」
「全部ときたか、ペッパーさん」
『ワゥ』
「そう。皆の強化に繋がるなら、出し惜しみなんてしてられない。無論ル・ジニシィさんのアスカロン修繕の為に必須な、神匠育成計画も同様にね」
「へぇ、随分大見得を切ったじゃないか」
視線を向けた先には龍神楽を修繕し終えたル・ジニシィが居り、以前よりもピカピカに成った黄金の龍刃を此方に渡して来た。
「アンタのトコのヒトミが龍神楽の修理を依頼しに来てね。ル・アラバが持ってる武器とも違う、武器其の物が意志を持ってる武器。世界は広いもんだね」
『彼女の御陰でオレの身体のコリも良くなったぞ』
「武器でも身体が凝ったりするんだ…………」
武器にしか解らない例えだが、ヒトミが龍神楽の状態を見てル・ジニシィに診て貰ったのだろう。龍神楽の作り手として状態確認する等の自覚が欠如してる所が有るので、ちゃんとしなくてはと心にて叱咤と喝を入れて左手に握り締める。
「其れとだ、ペッパー。アタシは古匠に成れた訳だけど、古匠として此れから先の鍛冶で『機械関係にも強くならなきゃいけなくなった』。要するに海中の鍛冶をする場合、機械がブッ壊れる危険を抱えてる以上、地上でやらなきゃならねぇんだ」
「……………つまり『ル・ジニシィさんが地上でも水中と同じ様に活動出来る様な環境と、其れに適した鍛冶道具類を用意する』という訳ですね」
「…………あぁ、うん、そういう事だ。いやホント、アンタの読みは相変わらずというか…………」
海底都市アルトランティアで向けられた視線に近しい物を感じながら、取り敢えずは一度前線拠点に戻って久し振りにウィンプとサミーちゃんに顔を見せて、ノワにスペリオルオマージュ・フロストボディのステーキ 〜柑橘系ソースを添えて〜 を御馳走。
其の後に地下都市ホルヴァルキンで
「あ!ガンスミスライセンス!ル・ジニシィさん、ガンスミスライセンスを取りましょう!」
「いや、唐突過ぎないかい!?」
危うく忘れる所だった。
目標を定めて