VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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食事の邪魔をした敵に裁きを




レッドポップス・キメランペイジ

樹海地帯に再出現(リポップ)し、絶賛新大陸のレベルキャップ解放の地かつ、森人族(エルフ)の里のティアプレーテンへ侵攻している(むさぼ)大赤依(だいせきい)

 

生態特性上、一号人類やヴォーパルバニーに征服人形等のNPCは『相性其の物が悪い』ので待機指示から、前線拠点を覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)共に出立して空中疾走中に光輝へと昇る金龍王装(レディアント・ドラゴニウス)を纏ったペッパーが夜空を舞い、轟音が響く場所へとペッパーが猛スピードで飛んで行く。

 

そうして出立から数分、樹海地帯と夜空の境界線ギリギリを飛翔して、道中で飛行存在を優先的に狙って来るドラクルス・ディノコアトルを煌金灼光(ハード・ヴレイズ)で一蹴し、素材をインベントリアへ収納から進んで─────────

 

「見付けたッ!」

『アレが、貪る大赤依なるヤツか。随分と赤い姿をしている』

 

嘗ての日に討伐した、血の如く半固形に固めた赤い飛蝗の大群で構築されている左方始源の赤は、進軍を阻むタンク職のプレイヤー達を周りの木々諸共薙ぎ払って吹き飛ばし、狂乱に駆られる恐竜や恐竜キメラを赤い舌で絡め取って取り込む様や、前に遭った時以上の悍ましさを秘めている。

 

そして其の赤い怪物が此方を見た………果たして大赤依自体が、前回の殺された記憶を引き継いでいるか解らぬも、此方と視線が完全に合ったと理解するより早く、大赤依から放たれし無数の音をごちゃ混ぜにした咆哮が轟いた事で、システムウィンドウが表示された事により、ペッパーと龍神楽は相手に『敵として』認識されたのだ。

 

 

 

『─────────GyNooooriiiiiiiiiieeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!』

 

 

 

『モンスター急襲(レイド)!』

 

『討伐対象:(むさぼ)大赤依(だいせきい)

 

『レイドバトルが開始されます』

 

『参加人数:39/45』

 

 

 

「久し振りだ、貪る大赤依!」

『いざ征かんッッッッ!』

『Uafvuvvvvvvvvvuuuuuuuuuuuu,Taqqaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!』

 

背中から飛び出す赤い肉塊と言える種が着弾し、メキメキと音を立てながら木へと成長していく様を見て、右手の封雲の撃鉄(タイタントリガー)(スペリオル)を叩き付けた勢いで煌金灼光を放ち、生えたばかりの若木へ叩き付け、続け様に龍神楽の斬撃を幾重にも、一点目掛けて重ね合わせる。

 

「「「「ペッパーさん!?」」」」

「ライブラリが纏めた、対貪る大赤依の戦術文は見てますか!?詳しく話したい所ですけど相手が相手なので、説明に集中するより実戦を絡めて見せますッ!」

 

横目で見た所、ズタボロのソードメンを纏ったタンクらしき者が十人、メンテナンス特化のサポートオクトメンをカスタムした者が一人、竜人を思わせるカスタマイズのドラゴメンが三人、そして残りは野伏(レンジャー)やら斥候(スカウト)に剣豪や戦士、銃使いに弓使いに魔法職と纏まりが感じられない。

 

此の事から考えられるのは、おそらく『野良パーティーで樹海を進んでいた道中で大赤依に接敵、パーティー内の何人かがティアプレーテンと前線拠点に応援を頼み、其の間ソードメンとドラゴメンにオクトメンの面々で何とか足止めし、此処まで戦線維持に努めていた』─────────という事だろうか?

 

尚、ペッパーの此の予想はおよそ九割以上、ハッキリ言えば『完全的中している』。

 

「生えた肉樹は放置してれば一分で成長、鳳仙花の如く肉種が飛び出して範囲攻撃!疎ら対処は悪手なので一ヶ所集中、人数居るならば隣接する二本を手分けに集中攻撃して伐採し、安全地帯を作るのが吉ッ!」

 

雲の巨腕がインベントリアを開き、取り出されるは赫い焔と蒼の冷気の相反する属性同士が、嘗ての敗北を払拭して再び前へと、在るべき姿へと戻り行く魚人族(マーマーン)英傑武器(グレイトフル)

 

朽ち果てより(にらが)大赤翅(だいせきし)の熱波で灯り、深海の果ての果てで冷気を受けて照らされ、炎水剛岩(ブルレットロック)を使った修繕でリペアとなり、そしてアトランティクス・レプノルカ"覇頭衝角(プロモスピア)"を討ち取った事によって過去の柵を乗り越え、再生成(リバース)化によって現在へと至った『アスカロン・リバース』を鞘から抜き放ち、空いた片方の雲の巨腕にて刻毒銃(ウォーポイド):強暴過乱(イシュアナ)を持つ。

 

撃鉄によるMPリジェネで余裕が出来た魔力を銃へとチャージ、龍神楽で刻んだ斬跡にアスカロンの炎熱氷結斬撃と毒の多重攻撃をブチ込み、鳳仙花炸裂まで残り五秒のギリギリで木を一本伐採出来た。

 

「一分!」

『Qnllluuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuuu!!!』

 

アスカロン・リバースを地面に刺して刻毒銃を収納、女帝城の顕壁盾(ヴォーバン・ガルガンチュラ)を地面に突き立てオブジェクト化で即席の壁を作り背を守り、更には聖盾イーディスを構えて粗方の方向から無作為に飛来した肉種の弾丸を防ぐ。

 

其れが終われば素早く顕壁盾とイーディスを収納から、再度刻毒銃を取ってアスカロンを地面から引き抜き、フィールドで暴れ回ってプレイヤーに襲い掛かる赤いキメラに毒の弾丸を撃ち込み、怯んだ隙にエナジーウイングで加速しての英傑武器と覇刀の鋒を脳天に突き刺し、終極刺突(グルガ・ウィズ)の攻撃エネルギーを炸裂させ、一撃で打倒せしめる。

 

「大赤依は第一から最終まで四段階!第一と第二は耐久、取り込み喰らったモンスターやNPCをリソースとして、肉の大樹やレッドキメラを産み出す!!レッドキメラは倒すと赤い水溜まりを作って本体が地中から奇襲、もしくは別のキメラが出て来る!類似行動は沼掘り(マッドディグ)のソロ殺し、赤溜まりはダメージ判定在るから手榴弾とかの爆弾兵装で爆破するか、相手のリソースが尽き果てるまで此方が鏖殺し尽くすのが攻略法!肉樹破壊担当とレッドキメラ担当で役割分担、片方に負担が掛かると戦線崩壊待った無し!!!」

 

金龍王装は空中戦に切札による擬似的な巨大化と、始源の怪物相手にも充分に対抗出来るだけの潜在能力を秘めている。だが其れはフィールドの状況やパーティーメンバーの構成を十全に理解し、全体がどう動けば良いかを把握している事も必要になる。

 

其れが不足しているとなれば、逆にプレイヤー全体のイニシアティブを持って行ってしまう事になり、其れが思考や行動の熱意を欠如させ、最後には『〇〇さんが動くのを待つか』といった様な、ある種の『諦念感情』を植え付ける事に成り兼ねない。

 

故にこそ─────────ペッパーは金龍王装を切り替えた。

 

「今宵は月も美しい…………!」

 

切札は幾つ有っても良い、其の切札の一つを切るには月の光が地上を照らす、こんな月夜の日で有る程に強く働く。

 

新たに装備を変えて身形を整えるは黄金のスーツ一式、金晶独蠍(ゴールディ·スコーピオン)の素材を宝石匠(ジュエラー)ラピスが、金色の糸に布とし織って作った、月光の輝きをMPリジェネに替えるゴルドステラ・スーツシリーズ。

 

金龍の輝きより、地上に輝く蠍の光へ。命を貪りし赤の血を照らし、討ち滅ぼさんと輝いた。

 

 

 






再戦開幕


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