VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

1033 / 1076


テンションをブチ上げろ




鴉は神の使者、或いは不吉のシンボル

「ペッパーさん!?何すか其の戦術機!?」

「ッ…………!ッ…………!!」

「ぷ、ぶぴぴぴ…………!!」

「ダメだ笑いのツボ突かれ………」

「おー、規格外戦術機鳥【朱雀(スザク)】の意匠をアチコチに感じますね〜」

 

ノリッノリかつキレッキレな叫び(シャウト)を上げて、戦場に躍り出た試作型戦術機獣【冥王(メイオウ)】。

 

前までは地球含めた太陽系八惑星の一角であったが、精査の果てに準惑星として除外された冥王星から名を与えられし、天照大御神を始めとする日本神話の神々の使いの八咫烏をベースに、試作型故の無骨さと神代人類の技術の粋を結集したと解る。

 

(試作型戦術機獣ってワードに冥王の喋り方からして、戦闘運用データに設計思想やらが双狼大戦で使われた、朱雀と青龍に引き継がれた流れなんですかね〜。でも冥王の口調と言うかファンキーさは、白虎に色濃く反映されたのかな?)

 

『FureaaaaaAAAAAAaaaAAAaaaaaaaaaaaa!!!』

 

ミレィが一人考察を続け、他のロボリストやプレイヤーが驚愕する中、始源解帰(Primal Revolve)によって第三形態に完全移行し、数多の口にエネルギーを収束させた貪る大赤依が動いた。

 

咆哮と言う名の殺意を込めて、生物の血肉を粗挽きにトマトケチャップをブチ撒け混ぜた、液体か半固形か固体か定まらない、そしてドラクルス・ディノコアトル"三面六臂(アスラフィーム)" の首を幾重にも生やした事で、ドゥーレッドハウルを取り込んだ時『以上』のフレキシブルさを手に入れた攻撃は、まさに『動く空中要塞砲撃』に等しい物として進行を阻む開拓者(プレイヤー)達に襲い掛かった。

 

「「「「ゲロビーム!?!」」」」

「おわあああああ!?!」

「あっぶ、うゎ────」

「ひびゃぁあああ!!?」

「無理無理無理無理死ぬぅうう!!?」

 

ある者は発狂、ある者は熱線に蒸発、ある者は当たらない事を祈って走る中、ペッパーは冥王の足に掴まれ抱えられて空中を飛び、再誕の涙珠を投げ付けて脱落を防ぎ、ロボリストにとっては『御約束』の台詞を放つ。

 

「冥王、早速だけど鳥人形態(バーディアンモード)の合体やるよ!!」

了解(Yeah)ァ!此れより当機は合体及び機動(Combine·Process)開始(START)するッ!!』

「「「「「「「合体ッ!?!?!?!」」」」」」」

 

月光を背に受けて夜空の頂点まで高く飛び、一定以上の高度に到達した瞬間に冥王がペッパーを手放し。其の身が下へと落ちる中で即座に冥王は追い付き、機巧の巨躯に秘められし神代の技術の叡智を解放。

 

『進路クリア、各部異常無し、システムオールグリーン!合体及び機動(Combine·Process,GO)!!!』

 

胴体が開かれ、翼をシールドの如くペッパーに被せ、三本足の内の二つを甲冑の両足に武装し、真ん中の一本は背骨とも言える場所を通って装備者である彼の右肩に移動。

 

頭部は変形して胸部を覆い、胸元のパーツは肩・胴体の一部が上半身・腰部及び太腿部はサイドスカートを強化、ブースターとして機能を開始し。

 

覆われし翼は夜空に開き、右肩に足の一つを持って、翼の風切部並びに各部より放つブースターの炎が生誕の雄叫びとなって放たれ、一連の合体シークエンスを終えた新たな雄姿が此処に降臨する。

 

『Qncorvuuuuuuuuiiiiiiiiiiiiiii!!!』

「空を征するプテラノドンを喰ったからって、其処を飛べるのがお前だけの特権と思う無かれだ!!!」

「反撃だオラァアアアアアア!」

「ドッグファイトなら任せぃ!!!」

 

ゲロビームが飛び交い、樹海や夜空を無数の赤閃が過ぎ去る中を、ペッパーやドラゴメン持ちのプレイヤー達が飛んで肉迫、翼を覆ってゲロビームを阻む盾にして守り、効果が切れた封雲の撃鉄(タイタントリガー)の再起動。

 

赤の粒子が舞い散る中で雲の羽衣が本体の天将王装を包み、二対の主翼の背に白い雲の巨腕が生まれて作り、左手に握るは大天咫、白き雲の手は覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)とアスカロン・リバース、そして右肩に移動した冥王の三本在る足の真ん中、或いはサブアームと化した其れが持つは『中国武術の棍武器』に近い物、両端には『何かを差し入れる場所』が在る。

 

「『流動型(リュウドウガタ)連接棍(レンセツコン):流冥(リュウメイ)』…………一応片手でも使えるが、本来は両手推奨武器というチグハグさが有るけども…………!」

 

大天咫をクルリと回して逆手持ち、流冥の鋒を刀の柄尻を合わせればガチン!と音を鳴らしてロックされ、其の姿は日本古来より戦乱の時代で護身武器『薙刀』の威容に様変わりを遂げた。

 

シャンフロに置ける薙刀武器はペッパーの相棒で、ヴォーパルバニーのアイトゥイルが持つ『嵐薙刀(らんなぎなた)虎吼(とらぼえ)』が有る事から、プレイヤーも何かしらの条件を満たせば手に入る可能性も存在するのだろうが、詳しい事は解らない。

 

一番濃厚な線は『刀武器と棍武器の習熟値が高いプレイヤーの武器を真化させる事』、他には『特定のユニークシナリオやユニーククエストのクリアで新武器種として開放する』が有り得るだろうか?

 

刀剣大神(とうけんだいしん)剛鐵戴神(ごうてつたいじん)万武賦当(ばんぶふとう)。シャンフロでも隻腕になっても役に立つし、平時にもパッシブで掛かり続けて欲しいくらい便利な補助スキルだ………!」

 

両手斬撃武器を片手で持てる物、両手打撃武器を片手で持てる物、そして武器の使用感覚の違いを解消する物。

 

片手ながら両手推奨の棍武器を剛鐵戴神で片手持ちとし、大天咫と合体した事で両手斬撃武器となり、刀剣大神の効果対象範囲に収まった所に万武賦当による武器種変更により生まれた、手の感覚やモーションの違和感是正と充分過ぎる補助を施した。

 

「ペッパーさん、其の武器って薙刀ですか!?」

「其れ棍武器で刀武器と合体するの!?」

 

ドラゴメン持ちの視線が向けられ、何人かのプレイヤーがワイワイガヤガヤ言っているのは聞こえれど、始源の呼吸と鳴き声を集中して『聞いている』今は、他の声はペッパーの耳に届いていない。

 

正確には『聞こえているし聞いてもいるが、カクテルパーティー効果の如く意図的に自分の必要な情報のみを取捨選択している』為に、他者からは聞こえていない様に見えている。

 

兎にも角にも貪る大赤依を空中から地上に落とさねば、火力も手数も圧倒的に足らない上、フィールドに点在する赤い結晶搭搭(ギミックオブジェクト)が砕けてキメラが出撃し、其れが最終形態時の総合能力に還元される以上、此処で翼の一枚か二枚は斬り飛ばさねば、後々影響が現れるのは確実。

 

プレイヤーにとっての救世主に、貪る大赤依にとっては不吉の象徴となる様に、此方も大暴れしてやらねば開拓者として名が廃る。

 

 

 

「こっからは暴刃暴風圏だ、暴れるぜ…………!」

 

 

 

 






武装達を使い熟せ


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。