挑め、
ボスラッシュ……………別のゲームでは『勝ち抜き戦』、或いは『高難易度チャレンジ』と呼ばれ、共通して『エンドコンテンツ』の分類とされている一種のゲーム要素。
ゲームによって変わるが、ボスラッシュは共通して『作品内のボスキャラとの戦いのみを抜粋した短時間でスピーディーかつ緊張感を重視する戦闘』で有ると共に、往々にして『高難易度になればなる程に回復アイテムの質が落ちる』傾向を持ち、総じてプレイヤーは完全クリアの為に『死に覚えを前提とするか、ゲーム内最強のビルドで挑む事』を前提としているのだ。
「こんのぉ!!」
トレイノル・センチピード・グスタフの素材を使って真化を遂げた
「初手クターニッドって…………コレまさか『出されるモンスターは
悪態を付きながらも吹き飛んだ思考を戻し、クターニッドと戦った当時の記憶を周りのプレイヤーにNPC達の状態を見て引っ張り出す。
(今が幻想で次が空想、んで仮想からの想像…………もう既に長期戦の流れ確定してるんだが?)
だが其れでも今のサンラクにとって、あの時とは『決定的に違う点』が幾つも在る。
先ずは装備の数と質と耐久値、六日間ルルイアスでぶっ続けで戦っていた訳で無い事と、幾度もバージョンアップを経て強化されている御陰で多少のリカバリーが効く事。
次に当時はレベル99 Extendで挑んでクリアしたが、今はレベル147という三桁の大台と其れに比例したスキル群を獲得し、避けタンクとしても軽戦士としても数段階上に至った事。
そして最後に此のクターニッドの枝分かれ触手に与えたダメージはそんなに多くは無いのに、ある程度ダメージを与えた瞬間に引っ込んだ事で、彼の脳裏に『ある仮説』が生まれたのだ。
「第一楽章………成程、此のクターニッドは本物の『
オルケストラからの僅かな温情なのか、はたまた次の楽章が控えているから控え目に抑えられているのか知らないが、ユニークモンスターすらも楽章にするならば、其の『選出基準は何処に在る』?
「戦った相手の強敵度合、もしくは苦戦した相手?いや、盛り上がった戦闘なのか?何にせよ情報が足らねぇ…………!!」
今は兎に角、生え伸びる触手を全部纏めて
「ぜぇっ、ぜぇっ………!」
やっぱ反転ってシンプルだからこそ、悪辣な面がピックアップされやすい──────其れが幻想・空想・仮想の三形態を越えた先、サンラクが抱いた感想だった。
空想態の五色反転聖杯(アバター反転の白聖杯入り)のランダムフラッシュにてんやわんやさせられ、仮想態のランダムエンカウンター(特殊ルーティンバージョン)の海鮮踊り食いに付き合わされ、仮想から想像に移行したクターニッドがブラックホールの如き、深淵の渦の中から姿を現す。
「にゃろう………!ペッパーがクターニッドの鎧に関わってたからって、反転聖杯とランダムエンカウンターも特殊仕様で進行しやがって………!」
其れでも現在のサンラクには、過去のサンラクには無かった対群体や雑魚敵相手に絶対的
空想態は勇魚兎月のゲージを高めながら聖杯を全て砕き、仮想態のランダムエンカウンターは死の権化コンボで三割再現ペッパーの援護、六割此方で鏖殺し、残りは再現メンバーズに深海の猛者による共食いも有ってか、想像態のクターニッドは当時のゴリマッチョな菩薩じみた姿から細身なマッチョまで身体が痩せている。
「だがまぁ、此処まで戦って『だいぶ思い出した』ぞ…………!」
再現された空想態との戦闘中、コーラスを奏でてメロディを劇場に響かせていた楽団に紛れ、エリーゼの口から突如として『歌詞』が飛び出した。
其の内容は空想態が『──────世界、理、………塗り潰す光。紫煌の灯………癒しの雫で、光を奪う………』、続く仮想態では『決戦の地に、呼ばれし生命の軍勢…………荒れ狂い、声は轟き、無双の如く………敵を屠りて、生命を守る─────!』という物で。
再現されたメンバー達が回復ポーションを聖杯に向けてぶん投げ、此方も相乗りする形でインベントリアに入れた回復ポーション数グロスの中の三ダース分の投擲により、聖杯を破壊した事で空想から仮想へと移行。
仮想態も二つの鏖殺武器防具によるジェノサイダーアタックと、最後に呼ばれた深海三強の大喧嘩も、空母鮟鱇の御付きの魚達を粗方『つみれ』にした事でクターニッドのリソースを減らす事が出来た。
おそらくエリーゼが途中で入れる歌詞は、其の楽章中にプレイヤーが行うべき
取り敢えず下位互換再現クターニッドを倒して確認したいのは、楽章一つ一つに戦闘で起きた『現象のリセットが発生するか否か』だ、装備や武器にアイテムで蓄積・累積された効果は『次章でも残るか』、其れの有無でオルケストラに置けるボスラッシュ
「来いよ、パチーニッド。仮初の其の身体、パパパッと捌いてマリネにしてやんよ」
確かめる為に倒すべし