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シャングリラ・フロンティアという
ヴァイスアッシュ直系の子供達、純魔法避けタンクなディアレに魔法関係を少し齧っているアイトゥイルでさえ、
事情を聴けば、ビィラックはペッパーが渡した
変形合体分離武器と後付け刃生成武器を作りたいから譲って!と、其れは其れはしつこく『御願い』した結果、ビィラックがブチ切れて戦闘用のハンマーで思いっ切りイムロンの頭をぶん殴ったのだと。
そりゃ頼んだ仕事を横から掻っ攫うのは駄目でしょ…………と言いたい所だったが、ペッパーはアスカロン・リバースの件でル・ジニシィの事をビィラックに事情を話した経験が有る為、人の事をどうこう言える立場では無かったが。
──────そんな一幕を経て、鍛冶魔法の習熟度が高い二人に宝淵瓶アビスポットで汲み上げた、アトランティクス・レプノルカ"
「こ、こここ、コレ、は…………?!何、何ちゅう………超高純度に純化された、とんでもない水じゃけ………!?いや、えぇ………というか、此れを何処で汲んで来たんじゃ、ワリャ………!?」
「えっ、嘘でしょ………!?水なのに、り、リリリ、リソースが………『二千』ってマジ………?!?というか、此の水瓶は誰が作ったの………!?コレ絶対普通の鍛冶師じゃないわよね!?」
「此れはル・ジニシィさんに深海三強や其の不世出個体、其れに準ずる強者達の素材を渡して作って貰った、宝淵瓶アビスポットという水瓶。さっきまでアトランティクス・レプノルカ"
シャンフロの鍛冶師=魔法職の前提をしても、高純度に純化された水を見たのは初めてだった様で。水瓶の製作者・何処で汲んで来たかの二つの要素を、此方が持っている情報と合わせて端的に説明。
「此の兎御殿に薬剤師関係の職業持ちのヴォーパルバニーは居ますか?ポーションの材料にも使えるらしいので、兎御殿で薬剤に調合とか錬金関係に精通した方だと尚良いんですけれど…………」
其の上で薬剤か調合、もしくは錬金を担当している者が兎御殿内に居ないか、ビィラックより聞き出さんとし………。
「…………あ〜、
ビンゴを引き当てた。
アビスポットに入れた冥府の王水を見せた後、イムロンから『せめて一舐め!』とせがまれて、小瓶に一杯分掬って手渡した後、ビィラックから新造したカイザーバケットを渡され、彼女の鍛冶場からアイトゥイルとディアレの案内で兎御殿内を歩き、ビィラックが言っていた『ラビッツ製薬処』なる施設に来訪したペッパー達。
「わぁ、初めましてぇ!ワタシ、ダブリュア!ビィ姉やアイ姉にディ姉達が何時も話してる、リュカオーンの分け身を従えた蒼空を舞う勇者のペッパーさんですよね!いらっしゃいませー!」
そして来店するや否や、店奥から桃色主体の一部赤毛混じりでザ・薬剤師な衣装に身を包んだロップイヤーのヴォーパルバニーが、目をキラッキラに輝かせて背中より後光を放ち、グイグイと迫り来る姿は確かに秋津茜へ通ずる物を感じる。
「えっと、初めまして。ペッパー・
「知見ですか!となると、何か材料を持って来た感じですか!?あ、もし薬草やキノコに水とか果物に毒や器官を持ってたら、マーニは必要だけどワタシが調合して色んなポーション作りますよ!」
キラキラの視線を向けて興味を示す彼女が、果たして冥府の王水を見たとしたら何を言うのか興味を抱き、インベントリアから件の水が入った宝淵瓶アビスポットを出し、ペッパーはダブリュアが見える様に置いた所、彼女が瞬間凍結でも食らったみたいに硬直した。
「─────────」
「あの〜………ダブリュアさん?」
「はっ!?あ、えっと、すいません!!あの、其の………こんなに綺麗で、純化されている水はワタシ見た事が無かったので!!!薬剤に携わる身ですが、こんな凄い材料を見たのも初めてだったので固まっちゃいました!」
屈託の無い表情で真っ直ぐな感想を言うダブリュア、取り敢えず落ち着くのを待った後に彼女からの知見を受ける。
「えっとですね…………此の『冥府の王水』って言う御水は、鍛冶師のビィ姉なら水属性武器の材料や素材に、
冥府の御水のリソースは二千有るとイムロンが言っており、ペッパーは『調合も鍛冶と同じく素材の持つリソースを上手くやりくして、足し引きに掛け割りで創り出すコンテンツ』という認識に落ち着く。
そして此の手のクラフトは鍛冶魔法に似た仮称:調合魔法の様な物で行い、当然鍛冶魔法にも有ったレベル概念の習熟度も搭載されていると見て良く、ゴルドゥニーネの
「だから此れだけの凄い御水を使って、ハイエストクラスに使われてる素材と一緒に調合すれば、ポーションは其のハイエストクラスより『更に上のクラス』…………『グレイティストクラスの物』を作れる様になるの」
「グレイティストクラス………、ですか」
「うん。パパ………じゃなくてカシラが言った話だと、とっても効能が強くて、瀕死の状態からあっという間に傷を治せちゃうけど、元気な身体に使うと強過ぎる回復力が逆に『悪影響を与えちゃう』って言ってたの」
「…………何故か回復し過ぎて身体が風船みたいにパァン!って弾けそうな印象ですね…………」
何よりグレイティストクラスのポーションなら、
「ピヨピヨッ」
「わわっ!?ハヤブサさん!?」
と、ラビッツ製薬処の窓枠に止まった一羽のハヤブサ………もとい
「ありがとう。御礼だけど食べられるかな?」
インベントリアに入っている携帯食料の一つ、香草で漬けて天日干しにした干し肉をメールの返しに手渡し、食した後に飛び去ったのを見届けた彼は手紙の内容を確認、そして一言呟く。
「…………成程。どうやら『時は来た』という事か」
ハヤブサの送り主は『サイガ-100』、其の内容は『リュカオーンの影を討つ為に必須な全ての要素と準備を完遂した』という、彼女が漸く先へと進む為の仕込みを終えたという報告だったのだ。
舞い込む報せ