VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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闇を照らすは金色の威光




黒き夜に灯火を照らし 其の六

宝鍠趙弩剣(シャガル=ニュア):極撃大剣形態(アルティマブレイドモード)

 

其れは皇金剣(アンティアレス)を基本形態の弩弓剣状態の宝鍠趙弩剣の中に挿し込む事で移行する、宝鍠趙弩剣の切札たる極撃形態(アルティマモード)の一つのであり、見た目は『剣身の中心に持ち手が在る隙間の無い三叉槍(トライデント)両手剣(ツーハンデッドソード)の融合体』と言える姿だ。

 

此の極撃形態も皇金剣が持つ生成刃のリセット兼高火力光熱斬撃技の刃糧煌剣(イミテーションゴールド)を強化、形態毎に異なる性質を乗せた状態で放つのだが、現在の極撃大剣形態は其の刃糧煌剣が元来持っている高い切断力…………もとい光を収束させて切断に置ける出力を、更に高める事が可能である。

 

また極撃形態で皇金剣の持つ刃糧煌剣を繰り出す際、通常状態の皇金剣が鉱石や宝石を喰らい産み出した刃によって出せる出力を1+α:射程を1+βとして換算した場合、極撃大弓形態(アルティマアーチモード)は出力7の射程7、極撃長銃形態(アルティマライフルモード)ならば出力3の射程11、そして此の極撃大剣形態は出力12の射程2と言う、極撃形態の中でも最強クラスの破壊力を持つ。

 

「まぁリュカオーンの前でカッコ付けた手前、俺も宝鍠趙弩剣も此の形態は『ぶっつけ本番』だけどな」

 

極撃形態の攻撃力や対応力は凄まじい。其れは此の手で再び(むさぼ)大赤依(だいせきい)を討ち取った事で確信しているし、手持ちの中でも搭載能力や切札として相違無しの力を秘めた星帝剣(せいていけん)グランシャリオを筆頭に、象牙(ゾウゲ)兎月(トツキ)呑黒(どんこく)】や覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)

 

他にも煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)光帝の籠手(サナラ・ブリル)深厳戟響脚(アンピィ・トゥルリテ)鯱弩燈剣(シャドウコウケン) RE:Vil∀=TAM(リ・ヴィア=タン)と様々な戦いを経て得た素材と、其れを用いて名匠以上の鍛冶師の御業で作られた数有る武器でも『確実に五指に入る性能』を誇り、そして圧倒的なネームバリューと話題性を作り出せるだけの出力が有ると、ペッパーは確信している。

 

とは言え、皇金剣の切札・刃糧煌剣を強化・形態毎に能力を変質させる極撃形態の都合上、耐久値を回復させなければ、一回の戦闘で三発しか放てない程度には持っていかれ、一発放つだけで相当量の修繕時間を掛ける事からも、極撃形態時の刃糧煌剣=不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)の様な扱いをしないといけない。

 

また極撃形態を用いる以上は、宝鍠趙弩剣と皇金剣に多大な負荷を強い、名匠及び古匠鍛冶師のル・ジニシィでも耐久値完全回復に相応の時間を掛けた観点を踏まえ、極撃形態の使い時と刃糧煌剣を切るタイミングの二つの要素を見誤る事が無い様に、使用時に注意を払う事も常に思考の片隅に置く事になったが。

 

(其れに………皆も『色々やりそうな雰囲気』を漂わせてるし、此れは一波乱起きる予感がする)

「此処から作戦を第二段階に移行!草餅はベヒーモス居る黒剣(シュバルツシルト)メンバーに天候操作を指示、コードは『強風』!

「御了解ッ!」

「ムラクモはペッパー君達の援護を行いつつ、リュカオーンのヘイト分散に動け!彼一人に負荷を掛けさせるな!」

「えぇで!任せな、サイガはん!」

「後衛魔法職はマッシブダイナマイトにバフ供給を継続!事前に用意したアトラス・バインドの使い捨て魔術媒体(マジックスクロール)と強化系列物の使用も許可する、出し惜しみは無しだ!!」

「了解よぉ〜!」

「「「「「「ラジャー!!!」」」」」」

 

此方の行動を引金(トリガー)とし、サイガ-100の号令が戦局を一気に突き動かす。

 

フィールド全体の状況把握の為に天空の神眼(ラトゥルスカ・ゴッドアイズ)を起動したが、どうやらペンシルゴン・サイガ-100・草餅(くさもち)・ムラクモの四人が各々で武器やアイテムを取り出しており、リュカオーンの影討伐戦を加速させる腹積もりの様だ。

 

「よし、行くぞ!」

 

草餅が聖弓(せいきゅう)フェイルノートの弦に金晶蠍の矢(ゴルドー・アーテアリ)を乗せ、サイガ-100が聖剣エクスカリバーを含む八本の剣を剣聖の固有魔法・従剣劇(ソーヴァント)で展開したのを、彼は俯瞰の視点で見るスキルで把握。

 

ムラクモとペンシルゴンが此方に来ている事と攻撃によるアクション踏まえた自身の生存に比重を置きつつ、他の者が攻撃をクリティカルで叩き込める様に、己の立ち回りとリュカオーンの位置関係を動かす為に行動を開始する。

 

「ドラグマ、先ずリュカオーンの身体を構築してる『魔力波長や性質』を探る!」

『そしてオレが其れに適応し、奴の身体に『切傷を残すか再生を遅らせる』…………そういう事だな?』

「其の通りッ!リュカオーンの影自体が『リジェネ搭載疑惑』が有る以上は、此方が持つ高火力のスキルに魔法で削るか、奴のリジェネ倍率を抑えたり、リジェネを上回るスリップダメージを叩き込む事をしないと、逆に此方がジリ貧にされて追い込まれる!」

「なら(やっこ)さんが闇に溶けて、ダメージ分散すんのを止めなアカンな!」

 

声と共に後ろより来たるムラクモ、片振りの分厚い雑種剣(バスタードソード)を上へと投げ、取り出した使い捨て魔術媒体の【マジック・トーチ】で頭上を明るく光源を灯し、投げた雑種剣をキャッチからペッパーの前に躍り出る。

 

「ムラクモさん!」

「奴さんがフィールドの影から出てくんなら、光源動かして現れる位置を絞り込ませる事………そんぐらいなら此方も出来らぁなァッ!」

 

自信満々とばかりに武器を構えるも、グランシャリオから出ている気配にリュカオーンは御熱であるらしく、ムラクモの事は『恋人(ペッパー)との殺し合い(デート中)にいきなり割り込んだ御邪魔虫』程度の認識から、人が道端の小石を蹴っ飛ばして転がすが如く、とっとと遠くに追いやって本命とのやり取りに興じたい様子で、リュカオーンは前脚による踏み付けを繰り出し─────────。

 

「あんまりウチを嘗めんなや、真っ黒クロスケのアホンダラ」

「『!?!』」

 

ドスにドスを加えた『本場の京都女子』の声に、ペッパーと影狼の背筋が痺れる様な感覚を味わった直後、逆手に持った雑種剣をリュカオーンの前脚にぶつけ、スタミナを対価とするモーション加速スキルの神律燼風(しんりつじんふう)で手斧を峰に叩き付けてパリィを行う。

 

『ム………?』

 

パリィにより飛び散る火花と二振りの武器から『鱗粉に似たエフェクト』が舞い、弾いたリュカオーンの前脚とムラクモの両腕にくっ付いたのを龍神楽は見て。

 

「チョイヤァ!!」

「加勢するよ、あーくん!ムラクモちゃん!」

 

敏捷系強化(バフ)スキルから即座に攻撃に移ったムラクモの動きが、スキルエフェクトと異なる鱗粉の光と同質の物を散らして追撃。

 

そしてペッパーとムラクモに向けた視線の中に在る死角を突き、ペンシルゴンが勇魚(イサナ)兎風(トカゼ)金嵐(キンラン)】でムラクモが叩いた箇所を突けば、嘗てリュカオーンの影を叩いた時に感じた無数の鎧を繊維にして幾重にも重ねた毛並みに、余りにもあっさりと黄金槍の穂先が入ってクリティカルが発生。

 

影狼からしても気持ち悪い、異質な何かを感じて即座に後ろへと飛び、其の瞬間を待っていたマッシブダイナマイトの強化スキルに筋力と補助魔法を加え、鉄鞭を用いた渾身の攻撃を尻尾で振り払って退け、同時に前脚を振れば鱗粉らしき物が零れ落ちて空気に融けて消えていき、ムラクモも同じ感覚で両腕に着いていた物が落ちて消えた。

 

「んまぁ、長時間引っ付く訳は無いわな。やっぱパリィの威力とか此方の筋力が関係しとるんやろか………」

「私が使ってる槍の通りが良かったけど、ムラクモちゃんの其の武器達が理由だったりするの〜?」

「アンタには早々教えてやらんわ、廃人狩り。昔の腐れ縁は忘れた訳やのうても、掘り起こしたらキリが無いから勘弁したるわ」

「二人共集中、リュカオーンが来る!」

 

槍の勇者武器(カレドヴルッフ)を巡って争った因縁で一瞬ヒヤリとした空気が流れるも、ペッパーの一声とリュカオーンの突撃により二人は視線と体勢を立て直し。

 

『ガルッ!?』

「「「!?」」」

 

直後、遠方より放たれてペッパー達の横を抜き去り、リュカオーンの首筋にガスンッッッ!と、金晶蠍の矢が勢い良く突き立てられ。

 

「ペッパー達、其処から離れた方が良い!団長達が動く!」

 

聖弓を構えた草餅の声と大地を駆ける()()()の疾駆音、横目に見れば『二機のバイク横並びで合体してバギーに近い、四輪走行をしながら駆けている』という物に見えて。

 

そして其の上に八本の剣を魔法で浮かせ、展開したサイガ-100がリュカオーンを鋭利な視線で見定めていたのである………。

 

 






其れは繋ぐ為の攻撃


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