其の戦いの果て
結末を言えばリュカオーンの影は倒れた。
渾身の攻撃を叩き付けても尚も動かんとしたリュカオーンに、草餅が
「夜襲のリュカオーンの影よ。今回は彼女達の手伝いでお前と戦ったが、必ずお前の本体に会いに行く。お前の
消える瞬間までも此方を見続け、夜闇に浮かんだリュカオーンの視線は何処か『愉しげ』に在った。
意識を搭載してドローンの様に遠隔操作で操っている其れを倒した
「此れがリュカオーンの………」
「やりましたね
「クターニッドにジークヴルム、んでリュカオーンか………ユニークモンスターとは縁無いもんと思っちょったのに、何時の間にか三体と関わってもうたわ」
「楽しみだわぁ〜」
クラン:
果たすまでに掛かった時間からして、彼女が乱数の女神に何れだけ嫌われてたのかや、リベリオス一派が黒狼内で如何に足を引っ張ったか伺うに容易く。協力依頼を無事完遂したので、持ち得る武器達をインベントリアに収納し、貸していた
「改めて礼を、ペッパー君。君の御陰で私達
「どういたしまして。あくまで俺とペンシルゴンはサポートに回っただけですから」
くるりと持ち手を差し出し、傑剣との憧焉終刃を受け取ってインベントリアに収納すれば、恋人の関係なので当たり前と言えば当たり前なのだが、ペッパーの隣に当たり前の如くペンシルゴンが立って、サイガ-100に問い掛けた。
「で?此の後どーするの、
「本名で呼ぶな、全く………。まぁ今回の討伐戦で、かなりの出費をしたからな。魔術媒体やポーション類を集めて準備を整え、新大陸の
ペンシルゴンとサイガ-100が会話し、サイガ-100も当たり前の様にペッパーの隣に立った中、当の本人は脳内で巨人族の大使館で
ペッパーの右手に今も尚刻まれるリュカオーンの
シャンフロのユニークシナリオEX含め、プレイヤーのロールプレイの善し悪しや是非に、リュカオーンの討伐時の貢献度合い、リュカオーンの分け身のノワに対する自身の親愛や信頼の高さによっては、愛呪が良い方向にも悪い方向にも傾くのは有り得なくも無い。
(一先ずサイガ-100との約束は果たした………此処からまたアスカロンの強化を継続しつつ、並行して新旧二つの大陸の始源存在を捜索して可能ならノーコンクリアを──────)
其の時だった。
カラーン………!カラーン………!
「「「「「「!?」」」」」」
ペッパー達が立つ
「アレは………」
「ゲーム内アナウンスだね」
「…………物凄く嫌な予感がする」
其れはシャングリラ・フロンティアというゲームに関わる全ての者達にとって、運営からの大事な通達として響く『ゲームアナウンス』であると同時に、其れが鳴る時は必ず『ある出来事』が起きる事に他ならない。
『シャングリラ・フロンティアをプレイされている全てのプレイヤーの皆様に御知らせ致します。現時刻を持ちまして、ユニークモンスター………『
「冥響のオルケストラ!?」
「嘘でしょ!?」
「リュカオーンじゃなかった………いや其れでもユニークモンスター!?」
一先ずリュカオーンが討伐された訳では無かったので安心はしたが、完全に安心し切った訳では無く………ユニークモンスター・冥響のオルケストラが倒されたという報せは、リュカオーンの影を倒して歓喜に沸いていた黒剣の面々を揺さぶるに、充分な破壊力を秘めている。
そして映え有るユニークモンスターの討伐プレイヤーとして世界に名を刻んだ者は、ペッパー自身も『最近知り合った』プレイヤーだった。
『討伐者プレイヤー名は『ミレィ』一名です。更にユニークモンスターの討伐に伴い………ワールドストーリー【シャングリラ・フロンティア】が進行しました』
「えっ、一人!?」
「ユニークモンスター単騎討伐!?」
「マジか………」
「ミレィ、ミレィ………あ、確かライブラリの検証班メンバー!」
ペッパーがつい最近倒した
おそらくだが彼女は、オルケストラの
(おー、凄いな………)
他面々が慌ただしくなる中で、数ヶ月前にオルケストラの情報をライブラリに齎した男は、攻略を先んじられた事による悔しさよりも先に、攻略おめでとうという感情からなる言葉が心に浮かんだのである。
「ねぇねぇ、あーくんや。随分と落ち着いた様子だけど、オルケストラ先んじられた悔しくは無いのかね?」
「まぁ、ほんのちょっぴりって所かな。多分だけど『オルケストラってプレイヤー毎に攻略するまで再戦可能』な、深淵のクターニッドさんみたいなタイプだと思うんだよね」
「相変わらず君は、まるで私達が全部知っている事を前提に話をしているな…………」
「シャンフロじゃ何時もの事なんだよねぇ………。まぁ其れは其れとして、さっき言ってたオルケストラの性質について私達と『オハナシ』しましょうか〜?」
「寝たいんでログアウト良いですか?」
「さってやってパッて終わるだけだから安心して良いよ」
「絶対数分で済ます気無いよね???」
「……………ソンナコトナイヨ?」
「諸ダウトですね、うん。まぁ良いけど」
尚、黒剣とペンシルゴンのオハナシは一時間続き、序でに二人からは耳元で『君はスポーツの日は休みらしいから、私達とデートしましょ?』と言われた事で、ペッパーは修羅場になりそうだと己自身の身を案じたのだった………。
世界に奔った激震
※以下、サイガ-100がペッパーの隣に立った時の黒剣面々の反応集
草餅(つまり『そういう事』か………)
ムラクモ(つまり『そういう関係』っちゅうこっちゃな………)
ブライト&アレフト((つまり『そういう事』なのかなぁ………))
マッシブダイナマイト(あらあら、まぁまぁ………うふふふ)
他メンバー達(((((『そういう事』かぁ…………)))))
愛呪で察知したリュカオーンの本体『お?戦争するか?彼はワタシのモノなんだが?ん??』