VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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話を聞いて考えよう




世界に満ちたる神秘の属素

黄金のマグマ(最上級の土)冥府の王水(最上級の水)を特定の方法で採取出来た様に、火や風も何かしらの方法を満たせば手に入れられると考えたペッパーは、エフュールのアクセサリー店から移動してビィラックとイムロン其々の鍛冶場に向かう事に決めた。

 

片やビィラックには武器の修繕依頼と製作しただろう二本目の宝鍠趙弩剣(シャガル=ニュア)の受け取り、片やイムロンには渡した素材で作り終えたであろう煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)の受け取り、そして両者にエレメオールブレイカーの強化プランを聞いてみる事をタスクとし、善は急げと早速行動を開始し…………

 

「あ、ペッパーさん!」

「ペッパーさん、こんばんわです!」

 

秋津茜(アキツアカネ)とレーザーカジキ、シャンフロプレイヤーやクラン:旅狼(ヴォルフガング)の中でも光側に立っている二人が、ビィラックとイムロンに武器修繕の依頼をしていた。

 

「やぁ、二人共。此処に戻るのも久し振りじゃない?」

「はい!最近は忍者の皆さんに『龍星忍になる為の方法』を教えたり、ノワルリンドさんとジークヴルムさんの修行に同行したりしてました!」

「えっと僕はエルドランザさんと海に潜ったり、海中でお魚さんを釣ったり大陸棚で採掘したり、魚人族の皆さんの御使いを手伝いましたね」

 

秋津茜から聞き慣れない単語が飛び出したり、ノワルリンドとジークヴルムが修行していたり、レーザーカジキはレーザーカジキで色々やっていたりと、相変わらず旅狼面々は自由気ままにマイペースな自然体で世界(ゲーム)を楽しんでいる様だ。

 

「あ、ペッパーさん!来たわね!」

「はい、ペッパーです。其の様子からして、完了と見て良いでしょうか?」

「そうっ!私はまた、成し遂げたわッ!貴方が渡してくれた素材達、姉弟子が古匠鍛冶師として初めて産み出した甦機装(リ·レガシーウェポン)の傑作機!刮目せよ、此れが!私の作った!煌蠍の籠手だああああああああ!!!」

 

パパパパーン!なるSEが聞こえてきそうな雰囲気の中、取り出されたイムロン製の煌蠍の籠手は、ビィラック製よりも水晶柱や針が細身を帯びており、全体的な厚さを削って横幅を広げて盾としても運用可能な状態にしたスタイルとなっていた。

 

「おぉ!………何というか、所々にエッジが効いてると言うか、尖端恐怖症の人には効果抜群な見た目と言うか………」

「私が作った煌蠍の籠手は、耐久面のリソースの一部を攻撃面に回してるからね。ほら、甦機装って遺機装(レガシーウェポン)と違って元になったモンスターとかの素材が確保出来れば、機装(デバイス)自体の修復可能な訳じゃん?甦機装は耐久値が0になると『破損した〇〇』の状態のオブジェクト化して、直すまで使えないのが通常の武器達と異なる点なので、だったらいっそ『耐久値を最小限に最大火力を追求したくもなる』訳で………」

「其れ水晶巣崖(すいしょうそうがい)攻略可能者を前提に作ってません………?」

 

ロールプレイが崩れて素の口調に戻っているが、ロマンを追う者の気持ちは解らなくも無いので、イムロンの言い分にも筋が通っている。

 

近い内に(彼女)から使用感を含めて聞かれ(オハナシされ)そうな予感が有るので、忘れずに使用しておく事にしていればビィラックが宝鍠趙弩剣を取り出し、此方に話し掛けて来た。

 

「ペッパー、ワリャが注文しとった宝鍠趙弩剣が出来たけぇ。残っとる皇金世代(あの皇帝蠍)の素材達は使うべき時まで保留って事でエエか?」

「ありがとうございます、其のままで御願いします。其れから武器の修繕と聞きたい事が有るのですが、良いでしょうか?」

「構わん。見せぃ」

 

ビィラックより現物を受け取り、リュカオーンとの戦いで損耗した武器達を取り出せば、やはりと言うかイムロンの視線が注がれている。

 

其の視線は様々な武器達、もとい其の中でもビィラックが一番最初に作った宝鍠趙弩剣と皇金剣(アンティアレス)に集中、次いで自分(ペッパー)英傑武器(グレイトフル)たる覇皇獅将の両刃長剣(ネメア・キングソード)に、意志を持ちて自己変革と自己進化を行う覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)を見ていた。

 

「宝鍠趙弩剣と皇金剣が、だいぶボロボロじゃな………」

「ちょっとリュカオーンの影と殴り合ったので」

「………ちょっと所か、ワチから見ても大事じゃろがい。まぁエエ………他は数時間で直せるが、此の二つは完全修復に三日は掛かるけぇの。早くても五日は必要じゃ………が、其処にイムロンが居るから半分仕事を回してやれや」

「という訳なんですが………『やるッ!!!』アッハイ」

 

イムロンの心情を察してか、ビィラックの提案で多数の武器達を分担して直す方向で話は進み、宝鍠趙弩剣と皇金剣はビィラックが担当し、他の武器達はイムロンが担当する方向で決まった。

 

取り敢えず武器修繕の話は付いたので、此処からはエレメオールブレイカーの強化プランを二人に聞く事にする。

 

「ビィラックさん、イムロンさん。修繕始める前に少し聞きたい事が有るのですが、良いでしょうか?」

「ん?何じゃ?」

「何々、何か武器作り?」

「えっと、黄金のマグマや冥府の王水含めた最高峰の素材で鍛冶が出来るじゃないですか。マグマは土で王水は水で、此の世界の基本属性は火水風土の四属性であり、其れと四属性の小鎚武器たるエレメオールブレイカーが何かしら関係が有るんじゃないのかな?…………と思いまして」

 

ロックオンブレイカーの製造秘伝書とエレメオールブレイカーを取り出し、古匠鍛冶師に至った二人の鍛冶師に見せ、此れで何かしらの強化のヒントや情報の断片でも得られれば万々歳としつつも、多くは望まずに答えに至る道筋を探す心持ちで居る。

 

「四属性の小鎚武器かぁ………確かコレってダメージ計算時に火水風土の四属性の判定が入る、私が作った超猫じゃらしLv.100と同じ多段ヒット武器の部類に有るのよね〜。武器の元になったモンスターの特色が、四属性を同居させてるのかしら?」

「何時見ても不思議な小鎚じゃけぇ………本来複数の属性を宿すんは難しいんじゃが、モンスターに由来している物は同居させる事も可能なんじゃ。鉱物喰いの蚯蚓や在りと汎ゆる鉱物を食らった蠍の皇帝も、其の括りに入るんじゃろうなぁ」

 

フラグ建築無しと来た………おそらく何かアイテムを揃えてないのか、強化に必要な別のフラグを建ててないかだが、ユニーク小鎚三兄弟達の別武器派生のユニークシナリオ発生で考えられるパターンは、此の場合は前者だろう。

 

アーテクレイブレイカーを歴積重大戦斧(グレイドネス・グァルックス)にする為に、ユニークシナリオ【太古を知る小鎚、迷宮の闇を裂く戦斧】の発生が必須なのと、前提としてアーテクレイブレイカーとダンジョンアックスに名匠鍛冶師以上のプレイヤーかNPCが必要だった事からも、エレメオールブレイカーの別武器派生には『四属性を宿した武器』が必要不可欠と見て良い。

 

「あ、あの〜…………」

 

そんな時に声を掛けたのは、此処まで成り行きを見守っていたレーザーカジキであり。

 

「四属性の武器、自分が持っている物なんですが………。コレとか、どうです………か?」

 

そう言った少年が取り出した物…………『長杖(ロッド)の形状をした杖の先を囲う様に赤青緑茶の四色の宝玉が浮かび、先端には四つの色彩のクリスタルで覆われている、誰の目からもハッキリと解るユニークウェポン』だろう見た目をし。

 

鍛冶師プレイヤーのイムロンでさえ、長くシャンフロの世界(ゲーム)で活動しながら鍛冶師界隈でも名が挙がり、風の噂で聞いてはいたが、実物を見たのは此れが初めてであり。

 

入手難易度や其の希少度合いから『レア武器中のレア武器』の座に君臨し、魔法職ならば誰もが一度は手にしたいと願い、そして手に入らず挫折した逸品(モノ)──────シャングリラ・フロンティアの基本四属性に関わる武器たる『四色属素の錫杖(エレメンタル·フェファーロッド)』だったのだから。

 

 

 






彼の持ち物


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