VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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四属性を携えた杖




四属性を撒き散らす精霊に、目一杯の魔力を食わせまくれ

レーザーカジキが取り出した長杖…………四つの色の宝玉が浮かんでいる其れは、一見しても『ユニークウェポン』としか思えない造形美を誇り、武器が放つ存在感や雰囲気からも単なる武器では収まらない、そんな気配を宿している。

 

「レーザーカジキ、其れは?」

「えっと、四色属素の錫杖(エレメンタル·フェファーロッド)という名前の長杖で、僕が実戦的訓練で戦ったクインタ・エレメンツのドロップアイテムで『一番の希少品』なんです」

「風の噂で聞いてたけど、初めて見たわ………─────────」

 

記憶を辿れば彼が戦っていた種族:精霊に属するモンスターであり、火水風土のシャンフロ世界の基本四属性大火力魔法をレーザーカジキに叩き付けてきた相手、そして魔法攻撃の観点から冥王の鏡盾(ディス・パテル)で完封可能では?と素朴な疑問を抱いた存在だ。

 

「……………………」

「……………………」

「あれ、イムロンさん?ビィラックさん?大丈夫ですか?」

「ビィ姉さん、どうしたんだ?」

「ビィ姉、大丈夫なのさ?」

「「!?」」

 

そんな中、ゾワリとした感覚がペッパーとレーザーカジキの背中を襲い、秋津茜(アキツアカネ)とディアレにアイトゥイルが心此処に在らずな顔をしたイムロンとビィラックに声を掛ける中、二人は同時に此の様な言葉を繰り出す。

 

「「『─────四色に彩る宝玉を揃えよ』」」

 

英傑武器(グレイトフル)であるアラドヴァルとアスカロンの声を聞き、意識を乗っ取られていた際に必要な物品を語った時の既視感(デジャヴ)を感じたが、二人が止まる様子は無く。

 

「「『─────火と水と、風と土と、正しき位置に宝玉を備えよ』」」

 

「「『─────四属の力宿す錫杖、宝玉の魔力に呼応し、呼び出されし精霊を討て』」」

 

「「『─────四なる属素を纏いし、精霊を討て。討たれし精霊の遺す、神秘なる石板を得よ』」」

 

「「『─────四なる属素を宿せし神秘なる石板、四なる属素を宿せし小鎚、四なる属素を宿せし錫杖。神秘なる力を揃えし時に、(ワレ)は魔なる巨大(おお)きな剣に至れり』…………ハッ!?」」

 

どうやら二人同時に正気に戻ったらしい。

 

一先ず話を聞くと共通して『いきなり意識が遠退いた』そうで、プレイヤーの感情の操作すら可能なクターニッドの例から見れば、『シャンフロシステムがプレイヤーとNPCの思考を一時的にジャックして、イベントフラグ発生の文脈を読ませた可能性が極めて高い』と見える。

 

人の脳内や意識やらを操作するという技術は、一歩間違えば電脳反理想郷(デジタルディストピア)にも成り得る危険性や側面を持ち、そんな状況からペッパー・レーザーカジキ・秋津茜・イムロンの前に、ユニークシナリオのシステムウィンドウが表示された。

 

 

 

 

『ユニークシナリオ【四属素の小鎚、四彩を宿す宝魔剣】を開始しますか? 【Yes】 / 【No】』

 

 

 

 

「わわっ、ユニークシナリオ………!」

「私にも出ましたよ!」

「私も!?」

「成程、此れがエレメオールブレイカーの別武器派生のユニークシナリオか………」

 

発生条件はアイテム:ロックオンブレイカーの製造秘伝書、武器のエレメオールブレイカーと四色属素の錫杖、そして鍛冶師系最上位職:名匠以上のプレイヤーかNPCが存在する事の三点を満たせば発生。

 

必要な物資を揃える事により武器種を小鎚から大剣に変える事が出来る様で、其の為には仮称:四属性宝玉各種(火・水・風・土)を対象の方角に備え、四色属素の錫杖と共にクインタ・エレメンツを呼び出しから討伐し、其のドロップアイテムの石板と共に二つの武器を鍛冶師に渡す………そんな流れだろうか?

 

「…………えっと、クインタ・エレメンツの出現条件が解る人居る?」

「父さ、じゃなくてカシラが言うには………確か『四つの属性が満ち満ちた空間にしか現れない』────と言ってたね」

「………ディアレさんの話を聞いてると、其の精霊さんは『火水風土の四属性魔法を習得した魔法職が必須』、という感じですね」

「つまり四つの魔法で装飾して、パーティー会場を作れば良いんですね!」

「あ〜………そういう認識で良い、のかな?」

「取り敢えず、何事も試してみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エレメオールブレイカーの別武器派生シナリオ発生の一幕を経て、善は急げと四人と二羽に一匹がやって来たのはラビッツの訓練場たるヴォーパルコロッセオ。

 

未だ全容が明かされぬ、ヴァイスアッシュのユニークシナリオEX【致命兎叙事詩(エピック.オブ.ヴォーパルバニー)】の前段階、ユニークシナリオ【兎の国からの招待】で実戦的戦闘訓練の舞台であり、同時にサンラクやペッパーにとってはスキルやアクセサリーの性能検証で使われてる場所だ。

 

「という訳で、レーザーカジキとディアレさんに其々四属性魔法を使って貰って、クインタ・エレメンツを引っ張り出せるかどうか確かめます。ノワはターゲットが出現したらディアレさんを影隠しでエスケープ、秋津茜はサポート、イムロンさんには冥王の鏡盾の耐久回復を。其れからMP回復ポーションは俺が全負担するのと、タンクやるので御構無くやっちゃって下さい」

「はい、頑張ります!」

「解りました!」

「任された」

 

作戦は決まった、早速行動を開始する。

 

先ずはレーザーカジキとディアレが火と水と風と土の、シャンフロ世界の基本属性たる魔法をヴォーパルコロッセオの上空目掛けて撃ち放ちまくり、魔法が放たれる度に空間には魔力が満ち溢れていく。

 

──────だが、幾ら魔法を放ってもクインタ・エレメンツは一向に現れる気配が無い。

 

「単純に魔法を使っているだけでは駄目なのか………」

「魔力比率が関係しているんでしょうか………?」

「では私が単独でやってみよう。魔力比率が関係しているならば、四属性の魔法攻撃でバランスも取れる【四元素の輝撃(エーテル・バースト)】の出番だろう」

 

二人で無作為魔法発動では無く、単独で四属性魔法を使う方向に変更(シフト)から、無詠唱で四属性の光を放つ魔法が発現してヴォーパルコロッセオを包めば、赤と青に緑と茶色のオーラと火と水と風と土の属性エフェクトを纏い、オーロラをドレスの如く羽織った半透明の精霊が姿を現した。

 

「あ、アレです!アレがクインタ・エレメンツです!」

「よっしゃ行くぞ、冥王の鏡盾ッッッッ!!!」

 

ドロップアイテムで沼りそうな気配を感じるので、一回一回の戦闘を迅速かつ素早く進めるッ!

 

 

 






撃滅せよ、大精霊


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