VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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一幕終えて、また一幕




閃光の如く、乱世を裂く

エレメオールブレイカーの別武器派生ユニークシナリオ【四属素の小鎚、四彩を宿す宝魔剣】を攻略した其の翌日の10/11。

 

翌日に永遠と百との約束(デート)が控えている中、梓は大学の講義を終えて特売のタイムセールの荒波に揉まれ、必要な物資を買い終えてアパートに帰還し、夕食に秋が旬の魚を焼き魚にしたメインを添えた和風定食を作り、合掌から和の味わいに舌鼓み、食べ終え片付け。

 

講義内容の復習の後に軽いスクワットとラジオ体操で筋トレとシャワーで気分をスッキリさせ、水分補給とトイレ休憩を挟み、時刻を見てデート場所に指定されたショッピングモールへの移動時間を逆算・ゲームで遊べる時間は二時間と判断した事で、幕末夏イベント『極限月下』の報酬確認も兼ねて久方振りに『辻斬・狂想曲(カプリッチオ):オンライン』の地に赴いた…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「ログ!イン!天誅ッッッッッッッッ!!!」」」」」」」」」

「やぁこんばんわ、皆の衆!ログイン天誅返しッ!!!」

「ごぶぇ!?」

「ぶぎゃあ!?」

「おわーーーーーーーー!?!」

「げぇ!?血煙やんけ!?」

「ブラッドペッパーじゃねーがぼへ!?」

「よりによっておまギャアアア!?!」

 

ログインから早速袋叩きで経験値稼ぎを仕掛ける初心者から中級者達、相変わらず血の気が多い者達が居て安心と想いを馳せ、其れは其れとして斬り掛かったプレイヤー達をボコボコの返り討ちに処し、ドロップした武器やらを質屋に纏めて放り込む。

 

夏のイベントでユラに敗北して何処かへ消えた宇都豊(うつて)小鎚(こづち)は、誰かが壊して消滅(ロスト)させたか保有しているかの何方かと考えながら、失った武器(モノ)ばかり考えていても仕方無しと割り切り、辻斬りの如く敵を迅速に斬り果たし、合間を縫って報酬確認を行う。

 

「ランキング報酬は…………『流刀(りゅうとう)素豊楊(そでやなぎ)』、搭載能力は『軽くて扱いやすい』と。フムフム………確かに刀としては短刀の軽さだが、威力は刀に準拠してるから扱いやすいね」

 

近くのプレイヤーを試し斬りで斬り捨て、流刀・素豊楊を人目が付かない質屋に預ける。

 

ランキング報酬を自慢して無作為に振るっているプレイヤーは、誰かにキルされて強奪されても文句を言う資格は微塵も在りはせず、此の幕末の世界では三流よりも下の『鴨が葱を背負っている』と言われたり見られても仕方無い。

 

其の質屋ですら幕末プレイヤーの中でも広範囲爆撃を得意とする、ランキング四位・紅蓮寧土(グレネイド)ことフラバンを含めた一部に爆砕されて預け物が放出されるので、そうなったらそうなったで割り切る他無しとしつつ、今の自分が持つ武器で生き残れるか確かめながらも、何れは超えるべき存在たる『全盛期(ナーフ前)のウェザエモン・天津気(アマツキ)』を想起させ。

 

更に其処に『龍宮院(りゅうぐういん) 富嶽(ふがく)の所作』をも重ねたブラッドペッパーは、己の戦闘スタイルを研ぎ澄まし研鑽しながらに『相手を見て動きの起こり察知と同時に、自分自身の動きを脊髄反射の要領で修正しながら』。かつ『綿や羽毛の如く柔らかな受けと嵐の如き強く靭やかな動きを両立させた挙動』へと少しずつ、人が当たり前の様に行う『呼吸と同じ物』へと変革し。

 

「よしよし、良い感じ…………とっ!」

「すごいね、ブラッドペッパー」

 

暴れに暴れて目立ったか、此れ以上の無双をしたくは越えていけと天が課した試練なのか、幕末ランキング不動の一位にしてレイドボスと通り名を持つ『ユラ』が、ブラッドペッパーが立っていた長屋の壁をブチ抜き現れた。

 

幕末に搭載された直感システムと脊髄反射の要領の合体技術で回避から、探知範囲を広げて半径五メートル付近に『ユラ以外にプレイヤーが居ない事』を踏まえれば、彼が単身で敵を全滅させた可能性が高い事を考慮して血煙はレイドボスと向き合う。

 

「やる?」

「勿論」

 

言葉は其れだけ、後は戦いの中でコミュニケーションを取れば良い。

 

「─────────」

「ッ!」

 

無作為でヌルリと入った殺人スイッチと、一瞬で此方をブチ殺しに来たと解る錆光(さびみつ)一閃を最小限の動きで回避し、拳銃による銃撃は放たれる前に鍋蓋で銃口を塞いで撃たせず止める。

 

返しの逆手抜刀で反撃は拳銃を離した手の指先、其れも利き手じゃない方で真剣白刃取りという、普段何を食ったらそんな超常技術が身に付くのかと聞きたいくらいの技術で止め、下段狙いのローキックを狙っ『本当の狙いはラリアット。そうでしょ、ユラさん?』

 

鍋蓋を離し、肩甲骨の可動箇所の筋肉一点を抑えて止め、スマートアッパーを翳さんとしたがカウンターの錆光の気配を感じ、突発的頭突きに切り替えた所に相手(ユラ)もまた頭突きという、奇しくも同じ一手によって互いに額同士が激突から、デコに大きな痣が刻まれる。

 

「ぐんぬ………効いたッ!」

「ふふふ………、とっても楽しい」

 

デスポーンすれば欠損やダメージは直るのがゲームであり、幕末も同じ理の中に在る。

 

其れでも此の瞬間に刃を交え、肌を通して皮膚を越えて骨の痛みを感じ、衝撃による極僅かな痺れ(パラライズ)の後にユラとブラッドペッパーの視線が交錯すれば、御互い共に確かに口角が吊り上がって、一言で言い表すならば『楽しい』という感情からなる表情(モノ)で。

 

『『天誅ッ──────!』』

 

天が全てを許してくれる、此の世界でのみ赦される魔法の言葉と共に両雄は再度激突し。

 

時間にして四分十三秒の戦いは、口角を吊り上げて目を完全に見開き、ギアをフルスロットルまでブチ上げたユラが引き抜きし、遠距離飛翔斬撃を可能にする惨影(ザンエイ)三日月(ミカヅキ)雙魚(ソウギョ)による無作為の斬撃暴風陣を放ち。

 

ブラッドペッパー含めて漁夫の利狙いで隠れた周りのプレイヤーも纏めて木っ端微塵に変えて、此処に一つの戦いは終結したのである………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしてこうなった。

 

「〜〜〜〜♪」

「うーむ………」

 

もう一度言おう、どうしてこうなった。

 

ユラとの戦いに負けて、プレイ可能時間はまだ一時間有るとは言え、明日のデートに万が一も有る事を考えた場合は此処等で切り上げるのも手だったのだが、まさかのレイドボスから『御茶会』に誘われる事になるとは思いもしなかった。

 

三色団子と緑茶を御伴にスラスラスラリと彼の持つ筆は走り、紙には『さっきの戦いとっても楽しかった。読みの深さが以前よりずっと凄く成ってるね』と、達筆な文字で書かれた文章を翳したユラが其れは其れは『ホクホクな笑顔』を向けて来る。

 

「………『シャンフロ含めて、色々修行をしていますから。越えたい相手が山程居るので』………っと」

 

幕末はユラに当千含むランキング上位陣、ギャラクシア・ヒーローズ:カオスではシルヴィア・ゴールドバーグ含めたまだ見ぬ強者達、シャングリラ・フロンティアはオルケストラやゴルドゥニーネ含む最強種を倒して越える事であり、何時か訪れる其の時に胸を張って挑める様に備えている。

 

少なくともリュカオーンを倒すには次なるレベルキャップに当たるレベル150到達と、到達と同時に進化する昇華(スタンバイ)から先のスキルの獲得は大前提であり、エレメオールブレイカーの別武器派生ユニークシナリオでクインタ・エレメンツを討伐し、現在はレベル144まで上がった。

 

が、三桁代からのレベルアップに必要な経験値量は生半可な数値では断じて無く、其処に致命魂(ヴォーパルだましい)腕輪(うでわ)の効力も加わって他プレイヤーの二倍以上の労力を有する状態、そんな苦労を乗り越えた先の景色はさぞ絶景だろうという希望を持って、他者には解らないだろう其の『苦行』を自分は楽しんでいる訳だが。

 

「……………」

「何な………えっ」

 

そんな折にユラが筆を走らせ書いた文字、翳された其処に在る文脈を見たブラッドペッパーは目を見開いた。

 

『シャンフロって、楽しいの?』─────────そんな純粋な興味からなる疑問(問い掛け)が有ったのだから。

 

 

 






レイドボス(プレイヤー)が興味を持った


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