相手は強い程燃える物
「
「アルブレヒト…………あの、アルブレヒトか?」
天音 永遠が述べた先王派と新王派による大規模PVPイベント、其の新王派の切札として立ち塞がる可能性が濃厚なシャンフロ最強のNPCの名を言えば、其の名を知る者と知らぬ者で反応が分かれた。
「解らない人に簡単に言うと、シャンフロ最強のNPCで見た目はザ・王子様な金髪碧眼の爽やかイケメンで、剣術だけでも滅茶苦茶強いトンデモ騎士。そして『
「何だと?」
「本当、ですか?」
「は?マジで?」
「えぇ、本当です」
補足する様に梓がアルブレヒトの特徴を簡潔に述べれば、龍宮院 富嶽と遠縁に当たる
三者三様の視線に対し、彼もまた揺らぐ事無く視線を向けた事により、其の言葉が真実だと理解出来て。
「というか何で其処のレトロゲーマーさんは、其のシャンフロ最強のNPCの戦闘スタイル知ってるんですかねぇ?」
「まぁ王城に高級海鮮肉を納めて、騎士団の鍛錬見学してたら騎士団員から木剣での組手を申し込まれ、無双してたら最終的にアルブレヒトさんが出向いて来たと言いますか…………」
「サラッと無双したって言ったわ、此の人………」
「うーん、やっぱり普通じゃない………」
「まぁ其のアルブレヒトさんと木剣組手で土ペロしたし、相手には膝を付かせたんだけどね。スキルや魔法の補助無しの純粋な剣術対決で」
「イカれてらぁ………」
「マジかよオマエ………」
アルブレヒトが出向いて来る程の強さ、
「そういう訳で、対アルブレヒトを見据えた手札は有るんだけど………ぶっちゃけ皆の衆は『どっち陣営に付く』?亜人種達を奴隷化する新王派か、亜人種と交流する先王派か………とは言っても、此れは私が無理強いする立場じゃないね」
「まぁ其処は個々人の判断に任せよう。おそらく両陣営ロボットやら銃火器やらも用いた、屋外屋内関係無しの大乱戦になりそうな感じも有るし」
何れ運営からも大々的に告知されそうなので、時が来てから考えるとしよう。
そんな折、話を聞いて一段落付いたのを見計らったアメリアがポケットからスマフォを取り出し、片方の耳にイヤホンを嵌めて音楽を聴き始めたのを見た梓は、オルケストラの事を楽郎に聞いてみた。
「そう言えば楽郎君や。傷心に障る様なら控えるが、オルケストラに関して聞きたい事が有るのだけど…………」
「…………オルケストラ、ねぇ…………」
楽郎の周りだけ空気が重くなる、流石に不味かったかと思っていた中で彼が口を開く。
「───────いやまぁ、色々見えているんだけど解き明かす鍵が無いってのがな………」
「鍵が無い、と………」
「冥響のオルケストラは音楽プレーヤーってのは解ってるんだ、其処から先が解らねぇ」
攻略一番乗りに漕ぎ着けた、考察クラン:ライブラリからシャンフロの
サンラクが
シャングリラ・フロンティアに置ける
墓守のウェザエモンことウェザエモン・
深淵のクターニッドは
天覇のジークヴルムは当事者たる本
ならば冥響のオルケストラとは、前提として音楽プレーヤーであり、曲を録音・再生する為の物だ。
即ち─────────
「冥響のオルケストラが音楽プレーヤーであり、其の中に曲が在って再生出来るのならば、当然『其の音楽プレーヤーを使っていた者が居る』………違うかい?」
「─────────あ」
音楽プレーヤーが何にせよ、物品として存在しているならば『其れを使った者が居た』というのが何よりの証拠だ。
朽ち果てていたアラドヴァルやアスカロンを含めた
ユニークモンスターの攻略には其の出自を辿り、根底に在る物を知る事こそが攻略に繋がるので有れば、
そして彼の考察は、楽郎の思考を阻み続けていた開かずの扉を開ける鍵となり、深い曇天の空に強き陽光を射し込ませ、開かれた扉の先に在る答えに到達する為の道を切り拓く。
「…………其の様子なら何か掴めた様だね」
「…………あぁ、見えた。漸く先に進む鍵を掴めたぜ」
「御役に立てたなら何よりだ」
楽郎の瞳の奥で炎が燃えている。
幾度もオルケストラによってボコボコされた挙句、忖度ガードによって阻まれて凹まされ、灰色に
道は見えた、後は行動有るのみ