VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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謎解きの後は




Не смей трогать мою девушку.

御昼休みで偶発的合流とシャンフロに関するアレコレの話し合いの後、ショッピングモール内に在るゲームセンターで遊んでみようという事になった。

 

「やっぱりゲーセンでやる事の一つは、プリクラで思い出の写真作りだと思うんだよねぇ〜」と、天音 永遠(カリスマモデル)本人の意見も有ったので、其々でプリクラを撮って写真をコーデするエフェクトやらアクセサリーやらで飾って完成し。

 

各自『世界に一つだけのプリクラ』を持った斎賀(さいが) (れい)夏目(なつめ) (めぐみ)にシルヴィア・ゴールドバーグが一喜して。

 

其の後はレースゲームや格ゲーに、久方振りに慧とは『ビルディファイト』でガチ戦をして盛り上がったり、ソフトクリームを賭けて『太鼓の達人』でハイスコア対決をしたり。

 

シルヴィアやアメリアからレトロゲーマーの実力を観たいと言われたので、近くに有った『REFLEC BEAT』や『maimai』等のリズムゲームでランキング入りスコアを出したり、『デッドストームパイレーツ』に『タイムクライシス4』のガンシューティングゲームでソロノーダメノーコンクリアをして見せたりと、レトロゲーマーとしての実力に陰り無しと実際に証明して見せたのである。

 

「其れにしても、どうしたもんか…………」

「玲ちゃんは解らなくもないのよ、うん。百ちゃんは元々持ってる物が光ってた分、服のせいで台無しになってた所有ったし………」

「へい、彼女。ちょっと俺達と遊ばない?」

「もしかして姉妹なのかなぁ?」

 

シューティングゲームのプレイヤーネームを打ち込んで、ジュースで一段落していた所、百や玲がチャラ男と思わしき連中から一昔前のコテコテの台詞で絶賛ナンパされ、百は嫌悪感と玲は困惑気味になって居たのだ。

 

「楽郎」

「言われんでも解ってらぁ」

「永遠、頼める?」

「任せて」

「慧、一応アメリアさん達の事頼む」

「OK、任された」

 

人の女に手を出す事、其れ即ち開戦のゴング也。梓と楽郎の二人は恋人を守るべく、チャラ男達の前に堂々と割り込んだ。

 

「やぁ、玲さん大丈夫?」

「あ、楽郎君」

「百、大丈夫?」

「私は大丈夫だが………」

「あ?ヒーロー気取りか、オマエ等?」

「オーオー、かっくいー♪」

「あんまチョーシ乗んなよ、此方はそっちの子達に用が有るんだけど?」

 

一歩間違えたら暴力沙汰になる気配は有るが、人は時に『絶対に退いてはならない事案』が有る。

 

修羅場をド修羅場に変え得る修羅場、人権武器やアイテムが手に入る期間限定のゲームイベント、そして恋人がナンパに絡まれた時という、まさに今が其の時なのだ。

 

「人の嫌がる事をしちゃいけないと、親から学ばなかったのか貴方達は?やるなら正々堂々、真向勝負するくらいの覚悟決めてから来なさいな」

「嫌がってる女の子に対してナンパするとか、お前等恥ずかしくないの?何よりナンパの口調に渋さと苦味が足らねぇ、ジュースより甘ったるいし、口当たりが悪いったらありゃしねぇ」

 

ド正論というべき台詞を吐いてから一拍、そしてナンパ男達の顔やら格好やらを見て『学』に対して疎いという、自己判断の元に二人は──────

 

 

 

 

「「Не смей трогать мою девушку.(俺の恋人に手ェ出すな)」」

 

 

 

 

ゲームで学んだロシア語で、ナンパ男達に向けて堂々と言い切った。

 

「は?」

「あぁ、解んねぇか。じゃあ教えてやるよ、よぉく聞きな…………『ビターな味を知ってからナンパしろよおこちゃま』って言ったんだ」

「…………あ?」

 

そんな事は言っていないのだが、楽郎の煽りはチャラ男達には効果抜群であったらしい。

 

ゲーセン内のBGM流れる空気にビシリと、確かに亀裂が入った音と同時にナンパ男達の顔が真っ赤に染まっていき………シャンフロでサイガ-100により放逐もとい追放された、何処かの副団長(リベリオス)を彷彿とさせる煽り耐性皆無な男は、拳を握り締めて今直ぐにでも『爆発』しそうな顔をして。

 

「ぶっこ────『正当防衛です(だ)』ッぐべぇ!?」

 

ナンパ男達が振り抜かんとした拳は、武術や剣道を研鑽している武芸者か何かとしか考えられぬ程、其の実『龍宮院流剣術を学んだ者が持つ最速最短最適解の動き』によって。

 

更に言えば武術の世界では『縮地』と、忍者が用いたとされる『ナンバ歩き』を合わせた様な、音を立てずに移動する歩法技術によってヌルリと言わんばかりの一瞬と、其れでいてパラパラ漫画の様に残影と軌跡を残した其れにより、男達の背後に移動し。

 

ゴキョキョキョ!!という、一瞬で拳を振り被った男達の手首・肘・肩の三点関節が外され、ダランと伸び切ってテナガザルの様な状態になった事により、騒動を見ていた者達は唖然となり。

 

「お、骨ッ、折れたァ!!?」

「い、っでぇええ!?!」

「やれやれ………軟弱だな、君達は」

「関節を外しただけです、私は今『とても冷静ですから』…………()()()()()済んだ、と思って下さい」

「念には念を入れて、彼等の左腕も外すか。玲」

「ですね、二度と悪さ出来ない様にした方が良いかと………」

「ひっ…………」

「二人共、店員さんが警察呼んでくれたからストップだよ。其れ以上はいけない」

 

永遠が待ったを掛けて親指で指し示せば、ゲーセンの店員と警察官が小走りでやって来ており、状況が悪いと判断したナンパ男の仲間は既に此の場から消えていた。

 

「すまん永遠、応援呼んでくれて助かった」

「良いよ良いよ。私の友人と其の妹ちゃんに、何より私の大事な恋人に『おいた』しようとしたんだから、当然と言えば当然だよねぇ〜………???」

 

何時もの数割増しでジットリと湿気を含んだ永遠の視線が悪漢達に向けられ、そして其れは此方にも向けられた事によって、梓はさっきの言葉の意味を永遠は理解していると確信した。

 

「取り敢えず近くの交番で話聞かせて貰えるかなー?」

「あだだだだ!?」

「いってぇ!痛いんだよ!?」

「えっと君達も話を聞かせて貰えますか?」

「はい。皆も良いですか?」

「「「「「「「解った(わ)」」」」」」」

 

警察に取り押さえられ、連行されて行くナンパ男達を見送った後、店員からも騒動について聞かれたので全員で事の顛末を説明した。

 

そして余談にはなるが、斎賀姉妹にナンパしに来た男達は、後になって『都内で悪さを働いていたグループのメンバーの一員』だった事が判明し、警察から感謝される事になったのである…………。

 

 

 






斎賀の血筋の戦闘力


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