部位破壊を成す為に
マジックエッジに至っては遠距離攻撃手段と同時に、此方が余程の距離を取るか、自身の脅威になる攻撃を叩き落とすか繰り出させる前に事前に潰すかの択が有り、戦闘開始から割合として前者を八割・後者を二割としていたのが、二時間越えの午前零時過ぎという日を跨いだ今は、前者後者を半々の割合で繰り出し。
何より十五分に一回、確定で大火力を繰り出し続けて来るサイナの存在は、皇帝陛下からすれば半裸の鳥頭
「うぉおおお、
其の手に持つ
「
そして空隙を作り、視界を移動させて作った『死角』を突いたサイナが、此れで八度目となるクラスVIII兵装で見た目は棒状のスタンガンながらも、電気を圧縮して刃として展開する超高圧電流刃形成棒状兵器と言える物を叩き込んだ。
此処までにパイルバンカーを二発に叩き付け、アラドヴァルを始めとした斬撃武器と斬撃スキルでクリティカルを叩き込み、手首に出来た大きな
「ッシャア!『エピタフ君』はサイナ連れて退避!俺がタンクを引き受けるッ!」
言葉を発さはずとも状況判断から機動系スキルを使ってサイナを抱え、一気に戦線より下がった半透明サンラクに代わり、サンラクが鋏をインベントリアに放り込んだ勢い其のまま、何度目ともなる皇金世代のインファイト圏内に躍り出る。
此の半透明サンラクは、
此の兵威逸体によって産み出された半透明、或いは分霊体とも言える存在はスキル使用者が発動時に装備している防具やアクセサリー、更には所得しているスキルや魔法を独自に搭載して、使用者の此迄の戦闘行動や戦闘モーションを参照しながら共に行動すると言う、
また此の分霊体はスキル使用者が武器やアイテムを渡す事で、攻撃や補助と言った行動をAIで操作されているとも言える独自の行動を取りつつも、其の状況に応じて使用者やパーティーメンバーの攻撃や行動の隙を埋めたり、渡された武器で必要な攻撃を加えたり、自ら
しかしながら此のスキルは当然大きなリスクも抱えており、先ずスキル使用者であるサンラクは
此れは憑依一体の繰り出す分霊体による他の生命体の身体を乗っ取り操る特殊行動が『呪術やアンデッド属性』で、シャンフロの呪術やアンデッド由来の装備や武器には『プレイヤーに強大なる力を齎す代わりに、代償として装備中は常時回復不可が付いて回る事』に起因しており、そんな状態で回復まで出来たのならば『クソ無法』となっていた故の措置だろう。
「有用性に実用性含めて滅茶苦茶凶悪と証明されたは良いが、コレ絶対オルケストラと再現『サンラク』がやってきそうなんだよなぁ…………!」
十中八九、忌々しきオルケストラと最終楽章の再現サンラクが繰り出す未来は見えたし、何より此処で分霊サンラクを倒されたならば、オルケストラのボスラッシュ時に皇金世代と戦い、倒されて数日は掛かる
状況好転を狙って使ったまでは良い物の、今更になって後悔の波が物凄い勢いで押し寄せて来たが、結果として此方は三人の相手は皇帝一匹の、其の数は三対一と明確なまでに戦力差は広がった。
「エピタフ君!ちょっくら俺の考えてる動きを真似出来ねぇかなぁ!?俺から産まれたんなら、お前にだって出来る筈だろ!?」
剣鋏の片割れを破壊し、もう片方の剣鋏の破壊まで後少し、聖剣は四割程度の状況下。
分霊サンラクが本体の動きをある程度模倣出来、ある種のNPCとして機能する存在ならば、分霊体で出来る事の範囲を把握して置く事でダブルアタックやコンボ連打と、無茶な動きでないなら協力して同じ点を突いて叩く戦法が可能な筈。
相手は此方の二人が同じ点を狙う事は解っていても、攻撃のタイミングを僅かにズラせば防御に隙間が生まれ、隙間が生まれ続ければ解れが生まれ、そして最後には致命に届く決定的な刹那が出来上がる。
のっぺらぼうで輪郭でしか無い分霊サンラクは、口は無く言葉を発さず語らずとも、視線を向けられていると理解出来る半透明の存在が小さく頷き、まるで『任せろ』と言った様に見えた。
「よしやるぞ!サイナ!次弾攻撃は!?」
「
隻腕の皇帝に半透明と色彩持ちの鳥頭達が肉薄する。当然ながら相手は警戒しつつも、まるで失った片腕の代わりとばかりに尻尾の聖剣で得物一つの損失を補い、右鋏は剣モードに移行しての龍宮院流剣術・打ち波の型でサンラクと分霊サンラク───────では無く、此処等で確実にサイナを討ち取らんと大質量のタックルを縮地に似た重心高速移動を以て仕掛けて。
「なろっ、させねぇっ!!」
幾度目の
脚パリィでは間に合わない以上、元より皇帝陛下相手に片腕欠損までなら許容範囲と覚悟しているサンラクは、右手を拳として握り締めて聖剣を直感で回避から、
馬力・出力・質量の諸々が相手より下回っているサンラクの右拳は真っ二つに裂けて、肘から下がポリゴンを撒き散らしながら消失し………然して拳によって起きる現象結果と影響範囲を己の幸運値を参照して世界を己色に書き換え、筋力では無く幸運値を参照とした破壊力を叩き付け、一撃を三倍の威力として算出する拳撃は。
三発分に増大させられたヒット判定と共に、最大速度で殴った時の
「やれぇ!エピタフ君!」
上に投げたアラドヴァルを二振りの武器をかなぐり捨て、猛然と疾走した分霊サンラクが空中機動スキルでキャッチし、
兵威逸体発動前から本体サンラクがアラドヴァルを使い続け、
「ッシャア!此のまま一気に押し切っぞ!」
「具申:
「いいや、片腕が無くったってもう一本有るなら隻腕の剣術だってやれる!俺は其の類いは『其れなり』にやれるんだぜ!!サイナはエピタフ君が落とした武器回収!」
「了解:」
分霊サンラクがアラドヴァルを構え、ウツロウミカガミで置きヘイトから距離を取ったので、入れ替わりで前に出つつ剣鋏を回収すればバトンタッチの要領でアラドヴァルを渡された。
「おっ、サンキュー!」
言葉は発さずともサムズアップで答えた分霊サンラクに、サンラク本人も兵威逸体の切札感が犇々と感じられながら、一人と一機にもう一人の分身は皇金世代の最後の
ビートを上げて、鋏を奪う