部位破壊も大詰め
剣・鎌・拳の三形態に変形し、手首を捻る事によって攻撃射程と攻撃範囲の変則と変動を切り替えられる、剣鋏二本の消失を経験する事になった
そんな圧倒的な
「ジャカジャカ動きまくって、相変わらず元気じゃねーか皇帝陛下よぉ!!オマケにサイナばっか狙いやがってなぁ!!俺を無視すんじゃねぇ!!!」
剣鋏破壊の過程で
此処まで剣鋏の片割れを斬り落とし、剣鋏の片方と聖剣にダメージを与え続けた事で必然的に重武装かつ大火力を出せるサイナと、其のサイナを護衛する分霊サンラクがターゲッティングされ、幾ら幸運機動力ビルドに優れた自分から産まれた分霊でも、流石に何時までも持ち堪えられる訳では無い。
右側をアラドヴァルの鋒でチクチク刺しては目の近辺にも刃を近付け、接触するか否かのギリギリで銀に輝く刃を向け、自身に集るウザい羽虫と皇帝陛下に思わせる挙動を取れば、相手もウザいと感じたか聖剣や剣鋏を失った右腕を振り回す。
「サイナー!残り何分だ!?」
「報告:残り二分」
「
『焦れど焦らず・慌てど慌てず・急げども急がない』…………刻一刻と変わる状況の中で最適なルートを瞬間的に見極める力を身に付け、身の保全と身の犠牲を天秤にかけた限界点の見極める技術をサンラクが学んだ『クソゲー』。
ジャンルはタイムアタックアクションゲームながらも『とある点』を除けば面白い部類(サンラク基準)に入る、正式名称を『ドルチェフェアリー☆スクランブル・アイスクリーム!』なる可愛らしいタイトルのインディーズゲームで、其の略称を『ドブアイス』という物。
主人公はドルチェの妖精で丸々まぁるい、虫みたいな羽の生えた其のまんまのアイスクリームである『アイスクリームちゃん』であり、恋人のプリンちゃんに会いに行く為に野を越え山越え谷を越えて行くのだが、ジャンルがタイムアタックアクションゲームである為にアイスクリームちゃんの身体は時間経過と共に『溶けていく』。
オマケに真夏の炎天下の中、限られた時間以内にステージを攻略しなければならない上、ステージによってはアクションゲームの焦らせ要素の強制スクロールが有ったり、ギミックアイテム『天ぷらの鎧』を手に入れる必要が有ったりと、最速クリアをしようとすれば漏れ無く洗練を食らうという、まさに『急がば回れ』を此れでもかと経験させられる。
そしてインディーズクソゲーの特徴として、個人制作の為に『所々に変な部分や雑な箇所が点在』し、此のドブアイスは『主人公のアイスクリームちゃんの声』が特に酷い事がクソゲーマー界隈では有名だったりする。
具体的に抜粋すると、だ─────────太陽光で身体が溶ける度に「うんぬ、ぐぉああああああああ!!」と極道映画の大親分じみたドスの効いた声でアイスクリームちゃんが叫ぶだったり。
己の身体を守るべく比較的冷たい下水道の水に浸かって「ぬぅ、ふぅぅぅぉぉぉああああ………」と熱い温泉に入ったおっさんみたいな声でアイスクリームちゃんが息を吐いたり。
天ぷらの鎧を得るために料亭に忍び込み、灼熱の油へ身を投じて「おごぁぁぁあっ!ぐっ、がぁぁぁああ!!」と拷問に耐える歴戦の戦士の如き叫びを上げるアイスクリームちゃんだったり。
此の様に、プレイヤーの笑いのツボにダイレクトアタック+笑ってはいけない〇〇24時間じみた
此れを仮にモルドがやった場合、数週間か酷くて数年は笑いのツボが刺激され続けて使い物にならなくなり、もしルストにネフホロでギッタギタのボッコボコにやられたならば、此れを最終手段の奥の奥の
サイナが
「サイナ!ターボ掛けて勝負に出るぞ、気合入れろ!エピタフ君、
「了解:
蠍系モンスターに共通する挙動、聖剣の位置と尻尾の可動範囲、回復動作の皆無、水晶群蠍達を統率する皇帝、金晶独蠍という種族の特色…………其れ等を加味した果ての果てに、インベントリアから空中に展開した二振りの武器を
「よく聞け、サイナ!不可能じゃなければ、即ち可能だと言う事!小数点刻みの確率を恐れるべからず!試行しなくては成功の確率なんぞ、ゼロから決して変動しないッ!!!」
「!」
戦闘開始から既に数時間、もう十分にエンジンが掛かって温まったアラドヴァルの刀身は銀から金の
ならば、此方のやるべき事は一つ!アラドヴァルを握る左手を握り、アラドヴァルを持つ左腕を掲げ、そして剣であり槍である竜を滅する焔で皇帝陛下の聖剣を砕く事!!!
「
赤竜の脚を毟り取り、白竜の土手腹に風穴を穿った焔。今出せる
聖剣を奪い取れ