発狂モードを見て、何を思う
嘗て
サイガ-100やペッパー達が担う
「警告:明らかな危険状態と解ります」
「ありゃ受け止めても接触しても、其のまま殺すタイプの防御貫通。何より向こうも死に物狂いで此方を殺しに来てるわな」
両腕の剣鋏と尻尾の先の聖剣、前に潰した片目や各所に出来た傷口から漏れ出す光が作った、大出力と超火力のゴールデンレーザーソードを放出し続け、無事な片目で此方を睨み付ける様たるや纏う威圧感も相まって『お前達を必ずブチ殺す』と宣告しているかの如く在り。
だが放たれ続ける光の輪郭にも時折『ブレ』が混じり、其れによりサンラクは『あの発狂モードには制限時間が設けられており、最悪逃げ回れば相手の体力か魔力切れで此方は勝てる』と脳内で算出されるも、本人は此処で逃げる様な真似をしたらヴォーパル魂の名が廃ると考える。
「サイナ、エピタフ君。待機で」
「
「俺と
「質問:本音」
「後悔の無い選択と逃げない覚悟!苦難に挑む姿に人は勇気を見出すのだ!!!」
「
「此処で
「思考:………食事、という観点を中心とするならば、確かに一理有ります」
「つまりそういう事なのさ………!」
相手が水晶巣崖の鉱石宝石に同族を食って皇帝に至ったならば、其の類いと同じ
故に取り出すは、クリティカルを出し続ければ理論上ブッ壊れる事の無い
「夜は深いが革命させて貰うぞ、皇帝陛下…………いや
剣鋏と聖剣を失いながらも発狂モードに突入した事で、今の皇金世代はレーザーソードをブン回し、光と熱が時間差で過ぎ去る所謂『ラグアタック』に等しい状態であり。
先程までの冷静さは何処へやらと言わんばかりの、生き急いでいるとしか思えないスピードに比重を振り切ったスタイルと、龍宮院流剣術の攻めの型たる打ち波の型を合わせた怒濤の勢いを併せつつも、相手が此方の出方を読んでいる事を念頭に置いた連撃を小技連打の要領でぶつけて来ている。
「急にダンサーに目覚めた上に、俺の動きまで此の短時間で模倣から真似するたぁ、流石だぜ皇帝陛下…………!だがなぁ、どんなに動きを真似しようと『攻める型が変わってないんじゃ』意味ねぇぞ!!!」
どんなに外付けで知識を得て、どんなに身体に落とし込んで模倣しようとも、産まれ落ちて此処まで至った間に培われた攻撃や動き方の様々なモーションは変わっていない事は、近距離で避ける事に尽力し続けるサンラクからすれば、ある意味では朗報だった。
更に言うと水晶を纏った蠍や甲殻を纏った昆虫、ガチガチの鎧に身を包んだ重騎士やフルアーマーのロボット含めた連中は構造上、可動域には限界が存在し、至近距離での攻撃が届かない位置を最適解とも言える動きで通り、しかし時に最適解とは言えない分の悪くない道を征き、己の道は己が決めるとサイナや皇金世代に
そして何よりも─────────
「お前のラグアタックよりも。より悪辣なラグアタック使いを、俺は『よぉ〜く知ってる』。触れたらアウトは同じだが、お前のレーザーソードよりもっと速くて、もっと数が有って、もっと殺意が籠もった
電気羊が見る夢の中、電脳世界で蘇った最強の一個人と戦い、幾度も経験した敗北を血肉として前に進み、冥響の歌姫と再現された己により一度は挫かれ。
しかし今一度立ち上がって再び歩を進め始めた男にとって、皇金世代『如き』で歩みを止める道理も無ければ、其の歩みを阻む事すらも叶わない。
此の死闘開幕から通算何度目になるか解らない、
斬撃だけでは見切られると考え、剣を夜空に放り投げて晴天流「
「折れず、曲がらず、
此処まで繰り出し続けた攻撃、そして何よりスタミナもギリギリになる様に調整した事で、今出せる最高火力になった
大百足を討ち取る偉業を成した英傑たる刃は、口内側面に鋒を届かせクリティカル発生と凝縮されたスキルエフェクトが爆発し、皇金世代の巨体を硬直させる程の威力を発揮。
此の一撃は大分堪えた様で、一瞬レーザーソードの出力が上がるも其の出力が先程以上に衰えた事からも、いよいよクライマックスで決着の時が近いと、刺し込んだ剣の鋒を引き抜いたサンラクは確信する。
だが油断はしない、生物とは往々に窮地こそが何をやって来るか解らないからこそ、其の窮地が一番恐ろしいのだと知るが故に。
応えにゃ無作法