戦いを終えて
「ぐごごごご…………皇帝陛下、お前は本当に
数時間に渡る激闘の決着、イムロン作の
剣鋏の厄介度合や聖剣の破壊タイミング、制限時間付きの発狂モードにフレーム単位の即死ギミックと、一つのミスで間違い無く即死を強いる強敵であり、人によっては『クソモンスター』と烙印を押す様な相手だった。
「ふひ、ふへへへへ…………」
サンラクが笑うのも当然と言えば当然だろう。何せ目の前に積み上がった宝の山々は、此迄生きた皇金世代が遺した煌びやかで絢爛豪華な、多種多様な黄金に彩られている報酬にして遺産達なのだから。
正確にはサイナと
更にはサンラク自身のビルドが『幸運敏捷に秀でた軽戦士路線を行くステータス』の為、素材の中には
「『
嘗て手にした金晶独蠍の核『金晶独蠍の
そして当然ながら、皇帝陛下を討ち取って革命を成したサンラクを、
「警告:周囲の
「見りゃ解るサイナ。………いやしっかしまぁ、物の見事に『スッパリ』と両脚斬られたなお前。其れとサンキューなエピタフ君」
「此の状態での活動は、半透明の
そんな折に分霊サンラクの脇の下に抱えられながら、此方に合流して来たサイナは其の両脚がスッパリと斬られており、皇金世代の最終攻撃たる三度の超高速超射程のレーザーソード抜刀斬撃の初撃、脚を狙って放たれた一閃でサイナは脚を断ち切られながらも地面に寝そべっていたからこそ、残りの二撃から生き延びて。
分霊サンラクは自分やサイナと違い、出撃から此処まで五体満足で生き残っている点を加味しても、本当に優秀なAIを搭載しているのだと理解出来た。
サイナはインベントリアに入れば回避出来るが、何やかんや有りながらも皇金世代の討伐に一役買ってくれた分霊サンラクを、此のまま無駄死にさせるのは流石のサンラクでも気が引ける。
「まぁ俺は逃れる術は有るが、お前やエピタフ君を置いてけねぇんだよなぁ…………。あ、インベントリアに入れるのかな?」
「回答:不可能です」
「おっと問題発生?」
そうこう言っても居られない緊急事態発生と水晶群蠍達の包囲網が迫る中、サイナはインベントリアに退避出来ない理由を説明する。
「
「長い、簡潔に頼む」
「…………インベントリア本体はリスポーンシステムが発動した時点で再構築されますが、現時点ではインベントリア本体が『一時的な消失状態に在る』為、
要約すると、格納鍵インベントリアによるエスケープを行うには其の部位が現存している必要が有り、戦闘や何らかの理由で損失状態になった場合は
そんな此方の状況とは裏腹に、水晶群蠍達は後方組が階段状に同胞を乗せて包囲網と逃げ道を更に減らしに来た為、取れる選択肢は少しずつ限られているが、其の解決策は既にサンラクの手中に在った。
「……………うん、よし。其れなら値千金の価値が有ると、そう信じる事にしよう」
「───
「元々アクセサリー枠を無理矢理埋めてた所有ったし、コイツを買った時からどうするか考えてた訳だが、其の時が今だって話さ」
百足の人形をアクセサリースロットから外し、枠を設けたサンラクが取り出したのは嘗てリヴァイアサンにて購入し、インベントリの奥に仕舞って其のまま使い所を見計らい続けていた物………
左手首に装着し一体化したのを見計らい、インベントリに納まり切らない残された皇金世代の素材を纏めて無限容量の神代文明製の倉庫に放り込み、最後にサイナを見つつ左手首をスナップして言う。
「どうしたサイナ、まさか此の状況で『未登録のインベントリアには避難不可です』………とか言わないよな?」
「
「後悔なら後で自分で済ませとくから、今はさっさと避難しとけ。ほれほれ」
「………了解:
格納鍵インベントリア二つに
そして分霊サンラクにもインベントリアを翳しながら入る様にジェスチャーしたが、半透明な彼は首を横に振りながらも、サンラクの右腕が再生するには自身の死も必要だと、まるで己の運命さえも受け入れた様子でサンラクと背中を合わせ、水晶群蠍達に向き合った一幕によりサンラクの兵威逸体の評価は一気に鰻上りとなった。
「…………エピタフ君がカッコいい所見せたんなら、俺も負けてらんねぇよなぁ!そうだろ
最早包囲網はワンインチの距離まで詰まり、無機質な水晶の鋏と口に甲殻を鳴らして産まれた音が、革命の主犯格に死の鉄槌を下す処刑人の如き圧力を四方八方全面封鎖の状態で示す。
であれば此方も、民草に王者の風格と威光を見せねば無作法!そう決心して皇金世代を倒して得た
「あ、コレ、バフ系スキルなの?」
次の瞬間、其れが遺言として見られたサンラクと分霊サンラクは、蠍達から文字通り『袋叩き』にされて死亡する事になったのだった…………。
終わりは何とも締まらず終わる