聞きたい事、知りたい事
アンサーコード・トーカー Type アンドリュー・ジッタードールによるNパッチ贈呈イベントを経た後、サイナは『必要:
時刻は深夜の四時に差し迫り、朝食を食べたり学校も有るのでシャワーを浴びたり、登校準備も含めると朝六時半までにはログアウトしないと遅刻しかねない。
故にアンドリューに問うべき質問を脳内で超高速演算で精査した結果、アンドリューの血縁者と思われるエリーゼ・ジッタードールの事、オルケストラの本体と思われる音楽プレイヤーの事、オルケストラを模倣か元になった
「さて、アンドリュー。此方の質問は三つ有ってな、答えられるか」
『アンサーコード・トーカーとして答えられる範囲ならば』
「なら………『エリーゼ・ジッタードール』は知ってるか?」
サンラクが放った其の単語、其れを聞いたアンドリューが僅かに目を細めた。が、其れも一瞬であり、彼はこう答える。
『エリーゼ………何処で其の名を?』
「ちょっとな」
ユニークシナリオEX…………もといユニークモンスターのシナリオは共通して『其々の
そしてオルケストラに大きく関わっている
其の点は
『ふむ…………いや、良いだろう。アンサーコード・トーカーとしても、アンドリュー・ジッタードールとしても別に秘匿するべき物でも無い』
オルケストラの根幹に関わる存在故、アンドリューが秘匿する物かと考えていたが、どうやら彼自身思う所が有る様で。アンドリューはホログラフィックで構築された口を開き、エリーゼ・ジッタードールの事を話す。
『エリーゼ・ジッタードール、彼女は『私の叔母』だ』
「………てっきり分家と思ってたが、随分近い血縁だったな」
『とは言え、私が十なる前に急性アルコール中毒で死んだがね』
「いや逆に生々しいわ!」
VR全盛期の昨今、ハイサイエンスファンタジーの世界観で普通は出さない様な死因を御出しされた事で、サンラク渾身のツッコミが炸裂した。
『何故君の口から其の単語が出てきたのか、私自身も不思議でならないが………答えよう。彼女は私の叔母であり、生前は小規模なライブを開く程度の『面白みも無い女』だった』
「…………幼い頃に死んだ割には、随分と詳しいんだなアンタ」
『僅かな好奇心でも答えを出さなければ気が済まなかった幼少でね。尤も、彼女の存在が『私という存在の5%程度に影響している』のも事実だが』
「じゃあ其の詳細を聞いても良いか?」
『私が『シュテルンブルームに出会う切掛となった歌を歌っていた』、ただ其れだけだ』
「ほぅ」
アンドリュー曰く、アイドルグループ『シュテルンブルーム』の知名度は控えめに表現しても神であり、過去の存在となった其の当時であっても、彼女達の曲を様々な歌い手がカバーする程の人気っぷりだったらしく、エリーゼ・ジッタードールもそんな括りの中に入る一人で有り、娯楽施設の一区画に入っている小さなバーで歌っていたレパートリーの中に、シュテルンブルームの曲が在ったのだと言う。
其の曲こそ、アンドリューがシュテルンブルームに感銘を受け、発表された数百曲の中でも特に推している所謂『推し曲』であり、其の後に
即ちアンドリューという存在が『頭の拗れた重度の
「……………いや、もしかして『其れだけ』、か?」
『あぁ『其れだけ』だが。極々稀に幼い頃を懐かしんで聞き直したくなる事も有るが………私にとって『其れだけ』だ。何を期待しているのかは不明だが、エリーゼ・ジッタードールとは私からすれば
「其れだけ……か」
『………ただまぁ、シュテルンブルームには遠く及ばないが『僅かながらでもファンを抱えていた』事に納得は出来る、と言った所か』
曰く、エリーゼ・ジッタードールの歌は『貴方の為にと語り掛ける様な歌声だった』そうで、そんな歌声は熱心なファンを獲得する程だったと言う。
だがオルケストラと戦う為に演奏会に招かれて、劇場内に入ったサンラクが見たエリーゼ・ジッタードールは『あまりにもモブキャラな見た目』をしていた。
まさかエリーゼ・ジッタードールは、オルケストラのユニークシナリオ内での『オルケストラの本質や真実に答えから、
一先ずエリーゼ・ジッタードールの
「…………よし、じゃあ次の質問だ。神代製の音楽再生機、多分地球産なんだろうが………コレに見覚え有ったりしないか?」
戦闘突入後には壁に同化して消えた為、開始前にスクショを撮ってアンドリューに翳して見せてみたが、どうやら反応からして『当たり』の様だ。
『コレは………驚いたな、此れは『私の音楽プレーヤー』だ』
「マジで?」
『丁度………そう、エリーゼ・ジッタードールの葬儀を終えた後に、彼女のファンを名乗る男からプレーヤー本体ごと譲り受けた物なんだ。失くしたと思っていたのだが………いやしかし、
「征服人形が回収してたんだよ。まぁなんか本来の用途とは別な感じにアレだけど。サイナとイクサが言うには『現実の侵食』とか、随分とまぁ物騒な能力持ってるんだが」
千
だがアンドリューの反応は、サンラクの予想とは異なる物であり。
『いや……そう言う問題ではない。
「………ええと、つまり何だ???」
『其の音楽プレーヤーは人類種が星の海に船出する
──────此れは『もしも』の領域になるが………もし此の場にペッパーが居た場合、アンドリューの其の言葉からオルケストラに関するワードや記憶を脳内図書館から粗方引っ張り出し、繋いで繋いで繋ぎ合わせて『解答に至る道を導き出していた可能性は高い』。
だがサンラクには其処まで繋げられる程、ペッパーの様な化物じみた思考深度は搭載されておらず、数瞬置いた後にアンドリューにこう言った。
「……………いや俺が知るかよ……………」
答えを知る為にリヴァイアサンとベヒーモスを巡った果て、音楽プレイヤー関係で得られた答えは、完全なる回答には至らない…………要するに『未知が未解に変わっただけの状態』になったのだった。
「あ〜、うん…………よし、んじゃ三つ目の質問な。アンタの後ろに在るあの『鋼鐵の箱』─────『神代製のタイムカプセル』の中に入ってた物と、中身を持って行った奴の事を教えてくれ」
持って行ったプレイヤーは十中八九、ユニークモンスターの一式装備を探すクエストを持っている『ペッパー・
答えは見付からず、最後は箱の事を聞く