VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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今日もシャンフロしようぜ!




人は時として様々な情報を別角度から見る事で、新たなる世界を知覚する事が出来る

永遠と百との交わりという体の捕食から半日、大学の講義に勤しみ、昼飯はカツカレー(大盛り)を食し、バイトで汗水流して帰宅した梓は夕食に『〜鶏肉の照り焼き定食(千切りキャベツ大量&プチトマト二個)と味噌汁(油揚げ・葱・わかめ)に浅漬け(大根・人参・胡瓜)に御飯と冷や奴(鰹節トッピング)を添えて〜』を製作しスクショ。

 

作った料理を一品残さず、米の一粒残さず平らげて、トイレと歯磨きに挟み、軽い筋トレをした後にシャワーを浴びて髪を乾かし、彼は本日もシャンフロで己が成すべき事を成すべく動き出す。

 

「あ、ペッパーはん!」

「今晩わ、ペッパーさん。イムロンが君の装備を直したから取りに来てくれと言っていたよ」

『ワン!』

「おはよう、契約者(マスター)

「おはようございます、そしてありがとうございますディアレさん」

 

起床(ログイン)早々アイトゥイル・ディアレ・ノワ・ヒトミの二羽と一匹に一機が顔を覗き込みに来て、ディアレが伝言を伝えに来た。

 

礼を述べて、兎御殿内でイムロンの為に貸し与えられた部屋に赴けば、其処ではオイカッツォとユーゼオがイムロン作の装備と武器の感触を確かめている最中であるらしい。

 

「あ、ペッパーじゃん」

「やっほー」

「英雄殿と姉上方、今晩わです」

「やぁ、オイカッツォにイムロンさんにユーゼオさん。もしかして其れが破壊者(デストロイヤー)用の籠手武器か?」

「まぁね。今有る素材で最高の奴使ったから、暫くは素材集めかなぁ…………」

「此れでも耐久と量産品に特化して、かつ破壊者でブッ壊す奴なんだけどねぇ………。はいペッパーさん、修繕完了した武器達よ」

「ありがとうございます」

 

直された武器達を受け取り、寝息を立てている覇刀(はとう):龍神楽(ドラグマ)は慎重に手に持ち、インベントリアに入れた所でイムロンが声を掛けて来る。

 

「あ、そうだペッパーさん。最近ファストトラベルでホルヴァルキンに立ち寄った時、鉱人族(ドワーフ)の皆さんが『ペッパーさんの御蔭で新しい鉱脈が見付かった』って言ってたんだけど………何かやったの?」

「亜人種族のユニークシナリオと言うか、発展シナリオと言うか、其の系統で依頼を完遂して樽爆弾のレシピの写しを貰ったんだけど…………」

「ユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニークユニーク………………!!!」

 

未発見のユニークシナリオに拘り、ユニーク欠乏症に見られる症状が出たオイカッツォを横目に、二人の前にミダス28世から渡されたレシピの写しを見せる。

 

「樽爆弾のレシピ…………ペンシルゴンが嬉々として取り揃える予感しかしない…………」

「ほぅほぅ、此れは…………」

「………アーミュレット・ガルガンチュラのゼリーマテリアルの爆破プロセスに、反応を利用した『鉱人族視点のガルガンチュラ種の生態論文じみた物』じゃないコレ………。あ、つまり………あ〜、成程そーゆー事ね………要するにコレは城帝闘壁爆技鎧(キャヴイナス・ストゥナー)シリーズで培った技術を応用していると。へー………つまりゼリーマテリアルにコレをこうしてこうなると硬質化に、で其れがこうなると爆破が起きて………。ははーん………じゃあ『アレ』に使えそうね………」

 

オイカッツォの意見には同意するし、イムロンは樽爆弾のレシピを書いたのが鉱人族であり、自身も人間から改宗(コンバージョン)によって同種族になったからか、何やらブツブツと呟きながらも別の何かを掴んだらしい。

 

「ペッパーさん、此のレシピの写しのスクショ貰って良いかしら?」

「良いですけど、何か閃きました?」

「ん、まぁね」

 

其のレシピから果たしてイムロンが何を作るのかは解らないが、時が来ればアーミュレット・ガルガンチュラのゼリーマテリアルを獲って来てと依頼(御願い)されそうなので、其時にインベントリアからゴロゴロと取り出せる量は確保しておこうかと思い。

 

そんな一幕を経た後、彼が仲間を連れて向かったのはファステイア………始源の胎動にも対処して来たが、そろそろ此方も冥響のオルケストラ攻略へと歩を進めても良いだろうと、ペッパー個人の判断と決断からなる物であり。

 

そして幾日か前にサンラクとの対『サンラク』を想定した組手に付き合って、情報交換をした際に得た『オルケストラの本体と思われる音楽プレイヤーのスクショ』から、ベヒーモスのデータベースで製造元と歴代所持者を調べるのだ。

 

オイカッツォもベヒーモスのデータベースに用事が有るらしく、どうやら✕◯君こと『(にら)がる大赤翅(だいせきし)討伐』に向けて動き出し始めており、其の過程で大赤翅に突撃して『野良プレイヤー諸共()()()()()やられた』のでリベンジしたいのだと言う。

 

そんなオイカッツォの背中を押す為、ペッパーは彼女()に『とある隠しステータスの数値』を聞いて、ある物の使用に対する許可(GOサイン)を出し、二人と三羽に一匹と一機はディアレのファストトラベルでファステイアに向かったのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラビッツからファステイアを経由して、ベヒーモス入場から第十階層に到着。

 

道中ファステイアのPVP勢、或いはティーアスちゃんを着せ替え隊なるプレイヤー達がギャイギャイ騒いでいたが、今は各自やるべき事たる事をやると決めているので善は急げと進んで行く。

 

「お、カッツォにペッパーじゃん。珍しい組み合わせだな」

「やぁ、サンラク」

「何か調べ物?」

「んまぁ、そんな所だ」

 

データベースが在る第十階層にてサンラクとサイナ、そして()()()萎びてクタクタになった様子のエムルが居り、其のエムルもサイナに抱えられ「暫くは静かな風の音だけ聞いて生きていたいですわ………」と、明後日の方向を遠い目で見ているので、果たして彼女に一体何が有ったのか。

 

ヒトミを通じてサイナにテレパシーじみた通話を聞けば、どうやらサイナがNパッチをインストールしてから『感情とはどういう物を知る』為に、エムル並びにアンサーコード・トーカー Type アンドリュー・ジッタードールと一緒に、シュテルンブルームのライブ映像鑑賞会をしたとの事。

 

其の過程でアンドリューが随分と、ドルオタが未知なる者相手に推しを推しに推して推し倒す勢いで推し活し、曲を十や二十で足らず百は述べる勢い所で止まらず、エンドレスで紹介し続けたのでエムルはトラウマじみた物を植え付けられたという。

 

………人に何かを勧めるなら片手で数えられる程度で取捨選択すべきだが、人の好きという感情は片手で数えられぬ程に膨大かつ深淵だったりする物なので、其の気持ちは理解出来ない訳では無い。

 

「んで、そっちも調べ物?」

「そだね〜」

「うん。オイカッツォは焠がる大赤翅、俺はオルケストラの事で」

「あのエクスブロッコリーか………」

「サンラクはそう呼んでるのか………俺は✕◯君」

「見た目は其れだよな〜。因みに俺が見た時は『丸い球体で蝶みたいな羽根生えて浮遊してた』ぞ」

「「へー」」

 

焠がる大赤翅相手に英傑武器(グレイトフル)へ火を灯した二人にとってアレは、言わば『生きている太陽を思わせる存在』であり、思い返せば奴は此方の殺意に熱というカウンターを掛けた事からも、確実に此方を『知覚出来ている』と考えられる。

 

オイカッツォは象牙を呼び出し話し始め、サンラクとペッパーはオルケストラの本体………或いは地球産の音楽プレーヤーをベヒーモスのデータベースで検索に掛けた事により、其の音楽プレーヤーの『型式番号』だけに留まらず『歴代所持者達の名前や身元、果てにはどの様な人生を送っていたのか』を事細かに知る事も。

 

更に其の中にはアンドリューが推すアイドルグループ『シュテルンブルーム』のメンバーである、カルネ・アーヴェンハールやレイカ・ホンゴー、他にもクララ・ヴェインズにマナ・トラウスト等の数人の名前も在った事で、彼女達もまたアンドリューが作った征服人形(コンキスタ・ドール)のベースとなった存在だと理解出来た。

 

だが此処で一つ、ペッパーとサンラクが予想だにしなかった『問題』が発生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────其れは其の音楽プレーヤーの歴代所持者の中に、エリーゼ・ジッタードールの名前は()()()()()()()()()()()

 

 






調べて知った謎は更に謎を呼ぶ


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