筋肉が更にモーリモリ!
其れは嘗て数百人のプレイヤーの手によって倒された
見た目は更なる巨大化であり、ペッパー視点で考えられるのは『嵩増す大黒繊が筋肉の成長を推進したか』、其れとも『自壊する程の力を抑制している脳のリミッターを外した』か、或いは『其の両方』かに焦点が当たっている。
(仮に其の三つを基準にした場合、一番可能性が有りそうなのは『二つ目』っぽいんだよね。………臓器すら筋肉で出来てるとして、筋肉を構成してる筋繊維一本一本に脳味噌を搭載、貪る大赤依みたいに『何か別の生物の集合体』ってパターン有ったりするのかな?)
筋肉を研究し続け、筋トレを研鑽し続け、筋肉の一つ一つは愚か、筋繊維を構築する細胞の一つ一つを弛緩・緊張で使い分け使い熟すという、
(此れを仮にマッシブダイナマイトさんが見たら何を思うか………。………いやあの人なら『筋肉の限界なんて無かったわ!』とか言って、嵩増す大黒繊を絶滅させるまで嬉々として戦い尽くしそうな気しかしないんだけど………)
嵩増す大黒繊の討伐後のアナウンス、そして
「まぁ、やるだけやってみよう。結果がどうなるかは未来の自分だけが知っている」
撃鉄二種の解除、インベントリアより
「攻撃範囲の強化、被弾し得る面積の増大、圧縮解放による空気抵抗をゴリ押し突破………。脳筋を極まれば、摂理すら突破出来るのか………」
感心を抱き、然して油断は一切無い。
更なる巨大化によって殺意もまた膨大となり、其れ故に殺意の察知が第一形態時よりも機敏になった事で、彼は幕末で鍛えた気配感知を大黒繊唯一つに絞り込み、当たれば即死不可避の攻撃と避けても体勢を崩されかねない風圧をいなしては、左手に握る傑鎚との憧焉終鎚を理想的な角度と勢いで連続して叩き付ける。
一夜城サソリスノマタ製作材料確保の為、
傑鎚との憧焉終鎚が搭載したゲージを高め、
「よしッ来たぁ!!!」
ダメージの質とギアの上昇を告げる
嘗て唯一つの身にて覇たらんとした大津波、膨大に育ちて新大陸すらも飲み込んで、次いでとばかりに旧大陸さえも海の底へと沈め掛け、ヴァイスアッシュの手によって
機動系並びに視覚補助、
『OOOLLLooo…………!?』
「効いてるな、嵩増す大黒繊!此処からの攻撃は文字通り、お前が蓄えた筋肉すらも削り取るぜ!!」
一撃が入る度に嵩増す大黒繊を襲うのは、今迄此の小さな人間が繰り出した攻撃と明確に一線を画す、底知れぬ不気味さを宿した衝撃と、当たる度に己の身体から確実に力を削がれていく感覚で。
そうして己が繰り出す攻撃は当たりさえすれば、あの人間を一撃で屠れると確信しているにも関わらず、其のたったの一回が余りにも掛け離れた遠過ぎる距離を感じた最中、此れで百回を越えた鎚撃が叩き据えられた其の瞬間、嵩増す大黒繊の全身が一気に燃え上がり、筋繊維を電撃が迸った。
『OOOLLLiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!?!?!』
「灰になるまでキッチリ燃やして、嵩増す大黒繊のウェルダンステーキにしてやる………!───────食べたら絶対取り返しの付かない事になりそう、でもやりそうな人は居そうだよなぁ………」
先程の焼かれ方は凄まじい火力で『炙られている』感覚だったのが、今度の焼かれ方は体内から凄まじい火力で『燃やされている』と、嵩増す大黒繊は感じ。
筋肉の流動運動を起こして体外に熱を放出しようにも、身体中を巡って走る雷が己の意志とは無関係に筋肉の緊張を引き起こされ、己が望む様な結果を出す事が出来なくなっている。
筋肉が止められ、動こうにも麻痺と内炎焼の二重苦を味わい、此方の行動を周辺でウロチョロ飛び回ってはタイミングに差し込まれ、徐々に選択肢を潰されていると嵩増す大黒繊は悟り。
黒き単眼鬼は遂に、己の持つ切札を───────此の大陸である始源獣エレボスとの
『OOOOOOOOOOOO、OOOOOOOOOOOOOO───────!OOOOOOOOoooOOOOOOOOooooooooooooooolllllleeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeellliiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!!!!』
「うおわっ!!?」
放たれた怒号に似た咆哮轟き、膨張した筋肉が更に成長を重ねて、成長を続けに続けた先に嵩増す大黒繊は『パンパンに膨れた風船の如く丸くなり』。
同時にペッパーの前には始源存在が『本気モード』に突入した事を報せるシステムウィンドウの表示と共に、膨らんだ大黒繊の打ち鳴らす鼓動が『本格的にヤバい』という警鐘を鳴らしたのだった。
『凝縮されし肉が力を宿す─────』
『鼓動を帯びし心の臓は躍動する──────』
『
強くなる為に愚直に同族と戦い、同族を喰らった黒き鬼は、此れより一個の鬼神へ変わる。
真なる姿(肉達磨な繭)