VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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ぶん殴って、ぶっ飛ばせ




歌よ響け、英雄譚を讃え 〜其の八〜

四彩属の宝魔剣(エレメント・ブレイド)。

 

エレメオールブレイカーの別武器派生ユニークシナリオ【四属素の小鎚、四彩を宿す宝魔剣】のクリア報酬・四属素の法魔石碑(エレメンタル・オルタプレート)を始めとし、クインタ・エレメンツのドロップアイテム・四色属素の錫杖(エレメンタル·フェファーロッド)とエレメオールブレイカーをビィラックに渡して、彼女が作り上げた武器種:大剣にして魔剣にも属する武器なのだ。

 

四彩属の宝魔剣はシャンフロに置いての風水………所謂対応する属性と方角が有り、其れに準えて『火北・水東・風南・土西』の位置に各種属性を示すエンブレムと、別ゲーでも良く見掛ける『赤・青・緑・茶』の一般的な属性に当たる色が割り振られている。

 

四彩属の宝魔剣には幾つかの能力が有り、シャンフロの魔剣に置ける定義と同じく『使用者の魔力を消費して剣の持つ属性の力を高める事が出来、投入する魔力(MP)が多い程に其の強さは高められていく』。

 

無論、魔剣という武器が魔力という燃料を糧にして力を発揮し、より強い力を発現する為には膨大な魔力を要する必要が有り、況してや片手剣の数倍の重量と射程を持つ大剣で魔剣たる此の武器は、其処等の魔剣と比較しても尋常では無い量の魔力を食らう『大食らいな大魔剣』なのだ。

 

「『性別は揺らがず』。四彩属の宝魔剣は此の様に円盤を回す様にして紋章の位置を剣身と合わせる事により、魔力を送り込んだ際に其の属性の影響力と攻撃力を高められる。尤も此の剣に魔力を注入する量は生半可では無く、魔法職並のMP所持かMPの回復ないしリジェネ手段が無いと、戦闘中でのエネルギーチャージは難しいです…………と『回復反転』」

 

幻想態のクターニッドのホーミング触手を八芒星魔法陣に押し返し、空想態の立体的身姿に変わったクターニッドの持つ五つの反転効果内蔵聖杯の輝きに、撃鉄解除と己が身に纏う深淵を見定む蛸極王装(オクタゴラス・アビスフォルガ)の持つ機能・状況改変(じょうきょうかいへん)で反転の権能(チカラ)を行使して相殺。

 

再現された当時のクターニッド討伐戦のメンバー達を反転効果範囲内に入れて守りつつ、並列思考処理で四彩属の宝魔剣の説明と効果発揮中の反転聖杯を把握し、着実に次形態の仮想態に備えた準備を進める。

 

「クターニッドさんの持っている白の聖杯は、プレイヤーはプレイヤー・NPCはNPCのアバターを入れ替える能力が有り、旅狼が挑んだ当時は蛸極王装が絡んでいたのも在って、てんやわんやさせられました。お、回復反転解除か………おそらく蛸極王装が在ったのも理由なのでしょうが、他にも何か条件を満たしたら白の対極に在る『黒の聖杯』も繰り出して来た可能性も有りそうです──────!」

 

紫の光が再び放たれ、回復反転が解除された所を待っていたとばかりに、魔力を注いで火の紋章を煌々(MAX)となった宝魔剣の鋒で乾坤一擲の一突きを繰り出し、此迄に蓄積されたダメージによって耐久値が底を着いた聖杯を貫き、全体に罅を走らせ砕け散る。

 

そして『ペッパー・天津気(アマツキ)というプレイヤーを知っている者達』程、其の挙動は彼にとっての当たり前と言える空中疾走、星天秘技(スターアーツ)ミルキーウェイによって起きる現象の証明と、最大高度(スカイホルダー)を戴いても尚も道半ばと研鑽と修練によって確立され。

 

卓越した空中間人体制御技術による、サンラクとは別次元の超高速機動で空間を駆け抜け、此処までダメージを与え続けた四つの聖杯の内、効果継続中の青を除いた緑・藍・白の聖杯の三つを此の瞬間を以て、僅か五秒の内に破壊したのだ。

 

「空想態の聖杯の発光間隔は、三十秒毎に一回で聖杯の効果は重複可能。個人的な破壊順としては、色調反転効果を持った緑の聖杯から破壊する事をオススメ」

 

聖杯を持っていた触手達の叩き付けを躱し、青の聖杯の再発光で周りの再現クターニッド討伐戦メンバー達の性別が戻ったのを確認。

 

速攻即決で青の聖杯を砕けば、第三楽章内のやるべきタスクをクリアしたからか、空想態の戦闘は終了して立体的なクターニッドが収縮・圧縮されてブラックホールに変貌を遂げつつ、あの時と同じく攻略のヒントをポエムとして紡いでいるのを見ながら、隕鉄鏡を思考誘導で自身の近くに引き寄せて解説を行う。

 

「クターニッドさんの第四形態・仮想態。此の形態は次段階で最終形態の想像態にも直結する形態であり、ゲーム形式に例えるならば無双ゲーム。

御覧の様に魔法【ランダムエンカウンター】で無作為に魚人ゾンビや人魚、海洋や深海のモンスターを召喚、召喚から三十秒経過でブラックホールの中へ吸い込み、血肉に変えます。

其の特性上、此の形態では最終形態の想像態に力と体格を強大にさせない為に、可能な限り迅速にモンスターを倒していく必要が有ります」

 

ゲージ搭載武器で殴り蹴って叩いて斬り捨て、星帝剣(せいていけん)グランシャリオに嵌めた宝玉化した真理書を晴天流【空】派閥の奥義を発現可能な場所に、コロッセオの上空に無限潜航によって移動。

 

目一杯の空気を吸い込み肺に送って放った『天鬼夜咆(てんきよほう)』は音波と振動となって空気を震わせ、再現された仲間達を飲み込まんとする腐食の津波を一蹴し、其の勢いのままに覇濤海剣(はとうかいけん)アスカロンを持って突撃。

 

第三楽章開幕から【赫焔(かくえん)の灼光(しゃっこう)】と【冥氷(めいひょう)の闇淵(あんえん)】を使って高め、使用可能になった【焔氷合越(えんひょうごうえつ)】を魂によって起動。

 

ランダムエンカウンターによって新たに現れたアルクトゥス・レガレクスのエラに袈裟斬り一閃を叩き込めば、超高温で肉が焼ける音と超低温で肉が凍り付く音が同(・)時(・)に響き、再現アルクトゥス・レガレクスをアスカロンの特効効果も相まって『一撃』で仕留めてみせた。

 

「仮想態の戦い方は大型モンスターのヘイトを買って小型にぶつけるモンスタートレインや、大型モンスターのMVMを誘発させて疲弊させた所を漁夫の利等の方法が有ります。

尤もクターニッドさんも指を咥えて見てる程甘くは有りませんし、ランダムエンカウンターから出るモンスターには深海三強と呼ばれる強者も居るので、三十秒で仕留め切れない場合は割り切る事も大事です」

 

蛸極王装所持及び装備による十五秒召喚と吸収の特殊ルーティーン適応の中、二十回目のランダムエンカウンターで呼び出された深海三強相手にアーコリウム・ハーミットとスレーギヴン・キャリアングラーを利用してアトランティクス・レプノルカを叩き。

 

最後はアスカロンとグランシャリオに四彩属の宝魔剣の刺突と大海鐘(だいかいしょう)の打撃で脳天をブチ抜き倒すも、残り二体はクターニッドの口の中へと吸い込まれて血肉に変えられてしまった。

 

「さぁて、此処からがクターニッドさんの第五形態にして最終形態の想像態。仮想態で吸収したモンスター達を文字通り血肉を得て、限定的に実体を得た状態で有り、吸収したモンスターの総量で最終的な体格とステータスが決定します。

当時の討伐戦はレベル99 Extendのステータス込みで戦ってゴリラ菩薩の様な姿でしたが、今回はレベルキャップ解放や其れに伴うステータスの向上、後は特効武器所持の影響で少し痩せてますね」

 

現れる深淵の盟主を見上げ、一息吐いて気合を入れたペッパーは撃鉄達を起動し武器を構えて、最終形態の想像態に立ち向かうのだった。

 

 






勇者は止まらない


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