弓矢という原始的な武具
ペッパー・
たった一本の矢を弦にて引き絞って放ち、敵が其の身に纏う装甲だろうが、絶対的な硬度を誇る鎧だろうが、其の上から穿ち貫いて鏃を敵の身体に届かせる──────シャンフロの世界で言うなら『ヴォーパル魂を感じる武器』、そんな得物が弓であり、其の弓をより高威力した物が弩弓であり、そんな弓に近接戦でも扱える様に剣の機能を融合した物が
大河ドラマの戦場でも言える事だが、昔の日本の武士達は軽い鎧を纏って機動力を確保していた都合上、射放たれた矢に当たり所が悪ければ即死していた事も多く、其れを加味しても敵陣の土手腹を貫いて懐に飛び込み、武勲を挙げる事を誉れとしていた武士達は『己が死に様』にこそ道を見ていた。
「『スキルを封じよ』───────そして射つ!!!」
カルネ=
『ペッパー』は空中関係スキルか何かで体勢の立て直しを狙った所を封殺しに来ると読んだのか、再現天王の合体解除で空中に放り出されたパーツを足場にしようとした様だが、ペッパーは
「射つ、射つ、射つ!射つ、射つ、射つ、射つ射つ射つ射つ射つ射つ射つ射つ射つ射つ『スキルを封じよ』!!射つ射つ射つ射つ射つ射つ─────────!!!」
蛸足八本に矢と弩弓剣を握り締め、ブラインドタッチでインベントリアから次々と
成神による体力消費は、幾ら頑丈さとダメージ軽減を可能にしている
其の為
空気抵抗の軽減というシンプルながらも、矢の至上命題となる『如何に速く敵に着弾するか』という問い掛けに、凄まじき射速を以て証明とする
着弾すれば結晶化というデバフを以て、身体の動きに支障を来させる
水晶と金晶の二つを絡めて打ち込み、忖度ガードによって阻まれた所に飛来する魔法を貫き、昼間は貫通の夜間は爆破の二面の性能を其の身に宿す
三つの弩弓剣の引き絞られた弦が解放され、蛸足触手の爪先から離れて飛んで行き、間髪入れずに休む間すらも与えないペッパーの猛烈で苛烈な弓射撃の雨霰はインベントリアエスケープの隙間すらさせず、蛸極王装の状況改変で空中戦を十八番とする『ペッパー』の持つ汎ゆるスキルの発動さえ許さず。
そんな射速・結晶化・爆発の三面と三段撃ちを前に、忖度ガードを使い続けて『ペッパー』を守っているエリーゼの展開する世界は、ヒトミの展開する世界に染め上げられた果てに九割以上を明け渡すまでに縮小し、其れでも尚も攻撃の手を緩めず止めないペッパーを前に、『ペッパー』が追い詰められている姿を見た
そんな彼女の後ろに現れる一人の人影は、サンラクの戦いを観たペッパーの目には『良く知っている顔』であり、そんな彼女は悔しそうなエリーゼ・ジッタードールの肩に手を当て、優しく力強い視線を以て彼女に『此処からは私に任せて』と伝える様に頷いた。
一連の流れの中、ペッパーは即座に攻撃の手を止めるや否や、一気にヒトミの近くまで戻った勢いで彼女に『彼女』の正体を伝える。
「ヒトミさん!どうやら此処からが第二フェーズ、相手はエリーゼから『カルネ・アーヴェンハール』にバトンタッチしたみたい!」
「アレが、カルネ・アーヴェンハール…………ッ!」
『───────迫る災禍と絶望の波、誰もが終わりを覚悟した』
エリーゼから歌姫を引き継ぎ、エリーゼが着けていたドレスを其の身に纏い、スタンドマイクを片手にカルネ・アーヴェンハールは歌を紡ぎ、力強い声を響かせ高らかに歌う。
『死を告げる破壊の嵐、不安という見えない霧の中、誰もが下を向きそうになった……………!だけど!決して希望は消えない!!』
そうしてエリーゼが展開していた世界、中世劇場だった其の景色が一瞬で変わり出し、ヒトミが展開する無数の本棚と収められた英雄譚の物語を綴った本達が下から吹き飛ばされて。
『不撓不屈の如く在れ!絶望の闇と空を貫いて、希望を下ろし照らす光りが、其の勇姿を照らしている!』
突き出す様に生える『堂々と聳え立つ超巨大な城と、無数の分厚い巌を切り出し煉瓦状に加工して重ねて作られた無数の城壁が鎮座する世界』へと塗り替え、領域の比率を一瞬で五分五分の状態まで持ち直した。
『高く聳えよ、希望の如く!不動の身姿、揺らぐ事は無し!今こそ示せ……………ロード・オブ・ザ・キャメロット!!!』
其の一声をトリガーに劇場の天井をブチ破って、天上の空より月明かりが純白の巨城と城壁たちを照らし出し、其の城の最上階の頂点にて『ペッパー・天津気』が深淵を見定む蛸極王装を纏うや、其々の蛸足全てに様々な武器を握り持って。
両手を規定のモーションで身体の規定の場所に叩き付け、炎と雲を其の身に纏いながら、其の雲の巨腕には両手武器を其々一振りずつ握り、ペッパー達を見下ろした数瞬後には一気に空中を駆け走りながら、猛スピードで突貫して来たのである。
『………………!!!』
「掛かって来いっ、『俺』ッッッ!ヒトミさん、貴女の歌声を響かせて!!其れが在れば、俺は絶対に『俺』に負けない!!!」
「!……………
「信じる!!!」
第一から第四楽章のユニークモンスター達による、悪夢じみたボスラッシュの最中にゲージを蓄積して、へそくりの様に取って置いたゲージ搭載武器という貯金を此処で使い切る覚悟と共に、撃鉄二つの起動と合掌で光を纏うや空いた手達に武器達を持つ。
戦いは此処から更に加速する。
激・戦・続・行
アンドリューのシュテルンブルーム曲レビュー
アンドリュー『今回紹介するのはカルネ・アーヴェンハールが作詞作曲した曲の一つであり、絶望の渦中に在れども前を向いて希望を見据える、そんな人類の強い意志を栄光の騎士達に準えて謳い讃えた
象牙『以後アンドリューが数時間に渡って語った為、此処で省略致します』