VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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特殊クエストEX、進展




胡椒は大公の城で、大いなる遺産を受け継ぐ

サードレマ大公城。

 

門番の許可を得て、入城を果たしたペッパーの目の前には、中世の城特有のエントランスに両サイド階段と、高級感満点のレッドカーペットが敷かれ、選りすぐりの大理石を敷き詰めた床と、中世の石切技術で造られた白石の壁が出迎える。

 

頭上を見上げると小さなシャンデリアが吊るされ、魔力石の輝きを煌々と放ち、中央に向かう廊下には、屋敷に仕えているであろうメイド達が、手を前にして背筋を伸ばして待機しており、万が一に備えてドレスコードをしておいて良かったと、ペッパーは考えた。

 

「ペッパー様。王都ニーネスヒルよりの長旅、大変お疲れ様で御座います。我が主『ノアベルト様』が、応接室で御待ちで御座います」

「此方こそ、事前のやり取りもなく急に訪れてしまい、申し訳ありません。御詫びの印で御座いますが、サードレマ大公殿下が御好きだと聞き、購入しました茶葉と茶菓子です。どうぞ、御受け取り下さい」

 

メイド長と思われる女性がペッパーに話し掛け、彼も謝罪の意を示すと共に、購入していた茶葉と茶菓子をメイド長へと渡した。

 

「では、此方へ。応接室へ案内致します」

「よろしくお願い致します」

 

一礼し、ペッパーは彼女の後を付いていく。中央廊下を歩き、左へ曲がり数百メートル程の徒歩移動の後、一室の扉の前にてメイド長が止まった。

 

「御主人様。蒼天を舞う勇者、ペッパー様を御連れ致しました」

「うむ…入ってきてくれ」

 

メイド長が扉を開いて入室許可が下りたので、ペッパーは「失礼致します」の一言と一礼。部屋へと入ると其所には、ダンディーなイケメンボイスを発する、鋭い視線と手入れされた髭に、ナイスミドルな体格をした男性が皇帝ナポレオン三世の様な衣裳を纏い、此方を振り返ってくる。

 

「貴殿がペッパー殿か。貴殿と出逢える事を、心より待ち焦がれていた。私が現サードレマ大公『ノアベルト・オルトロス・サードレマ』だ。以後、御見知り置きを」

「初めまして、サードレマ大公殿下。私はペッパー、一部の人々より『蒼天を舞う勇者』と、崇め奉られておりますが、此の世界を旅する木っ端の旅人で御座います。よろしくお願い致します」

 

ニッコリと微笑むサードレマ大公。一部の人間にはとことんブッ刺さるだろう魅力を感じながらも、差し出された手を取って、此方もロールプレイを継続して握手をする。

 

「して、ペッパー殿。嘗ての時代、かの『天覇』を模倣し産み出され、人が蒼空を舞う為の答えを、旧き世界に示したという伝説の遺産を手にしたと、イリステラ様より伝書鳥にて報せを受けましたが……」

 

早速本題が来た。ペッパーはノアベルトに、イリステラの時と同じように約束を取り付けに行く。

 

「はい。イリステラ様にも『ジークヴルムさん』との決戦の時までは、公にしないように約束をした上で、提示しました。御約束頂けるのであれば、御見せ致します」

「……解った。サードレマ大公として、そしてイリステラ様に誓って、ペッパー殿との約束を必ずや守ると誓おう」

 

彼の答えを聞き、ペッパーはアイテムインベントリからレディアントシリーズ一式と、レディアント・ソルレイアを取り出し、一つ一つ全身へと装備。全種装備により光輝へと昇る金龍王装(レディアント・ドラゴニウス)になった其れに、合言葉たる「目覚めよ(Wake up)」の掛け声で起動。

 

展開した四肢の白翼のモジュールと、背中の金色たるエナジーウイングと共に、僅かな出力で室内を滑走移動して、天井にゆっくりと舞い上がり。そうして降り立ってノアベルトを見ると、彼は目を丸くしていた。

 

「……凄まじいな………此れが嘗ての遺産、か」

「はい。此れが光輝へと昇る金龍王装(レディアント・ドラゴニウス)、嘗て此の力を巡って争いが発生し、自分が持っている物以外は全て破壊された、正真正銘最後の一つです」

 

此れを公にする事の危険性、唯一残された最後の結晶。そしてノアベルトに向けて、ペッパーが伝えるは、此れを託した女性と、甦らせたヴァイスアッシュの言葉だ。

 

「光輝へと昇る金龍王装を作った女性は、こう言っていました。『私が遺した願いが、心正しき者に紡がれる事を切に願う。唯々自由に、純粋に蒼空を夢見た私の願いが、其の者の手に託される事を』━━━と。

 

そして此れを甦らせてくれた先生は、俺に向けて『嘗て蒼空を夢見た、一人の人間の夢を。おめぇさんに、其の続きを託すぜ』━━━━そう言ってくれました。

 

自分は此の鎧を、約束を、必ず守り抜きます。其れが課せられた使命………いいえ、其れが『運命』であるならば。俺は決して逃げません」

 

託された願いを背負った者として、受け継がれた夢の継承者として、己の役目を果たして見せる。そんなペッパーの言葉と目を見たノアベルトも、ニッコリと微笑み。

 

「………ペッパー殿。貴方の高潔な覚悟と意志、確と見届けた」

 

彼は上着のボタンを外して、内側に手を入れて取り出したのは、銀色の骨董品らしき時計であり。其れを開いてペッパーに見せたのは、一本の銅色の鍵であった。彼は言う。

 

「歴代のサードレマ大公が代々、就任と共に受け継ぎ、そして守って来た物を。貴方に………蒼天を舞う勇者に託そう」

 

━━━━━━と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノアベルトの案内を受けて、ペッパーがやって来たのは城の地下へと続く階段。カンテラに火を着け、ノアベルトが先を行く形でペッパーは後に続いていく。

 

そうして辿り着いたのは大きな鉄扉であり、其所には南京錠らしき物で施錠が施されていた。其れを先程取り出した銅色の鍵で解錠し、扉を開いた先。

 

ペッパーが見たのは、神代の鐵遺跡に存在していた扉の内側、研究施設内に在ったタイムカプセルと同じ形状の鉄の箱が一つ、静かに鎮座しているのを目撃する。

 

「ペッパー殿。此方が歴代の大公達が、就任と共に受け継ぎ、地位を次の大公へと渡す時に共に授けた物だ。一説では『蒼天を舞う心正しき勇者現れし時、此の箱の封印は解き放たれ、偉大なる王の鎧は日の元に現れる』………そう、言い伝えられているとか」

 

「成程……」とペッパーは言って、一歩ずつ箱に歩み寄る。そして其の前に立つ。同時にセンサーらしき光が、箱より放たれて、ペッパーが纏う光輝へと昇る金龍王装をスキャンし始めた。

 

そして━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

『光輝へと昇る金龍王装、確認。ロックを解除します。神代の叡智を束ねた結晶を継ぐ、心正しき勇者よ。其の力を正しき為に使う事を祈る』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直後、真空密封された缶ビールを空けるように、プシュゥゥゥウウウ!と鉄扉が重い音を立てながら開かれ。冷たく白い冷気と共に現れたのは、天の雲を想わせる白の武士甲冑が、人が身に付けていないにも関わらず、まるで『纏っているかの様』に鎮座しており。

 

胴体には赤の陣羽織が在り、騎馬にも適すよう背中側が開かれ、胸の両側には白の刺繍で縫られた、手製であろう桜の花が咲く。

 

南蛮鎧特有の軽量化が施されて有りながらも、四肢や胸部に胴体等、遺機装特有のエネルギーラインが引かれ、今もエネルギー供給が行われている。

 

そして極めつけは、甲冑の前の刀置きの。白の鞘に納められている『太刀』であり、其所に存在しているだけで在りながら、其の手で触ろう物なら木っ端微塵に切り裂かれる様な、そんな重圧で鋭利な気配を纏っている。

 

ペッパーは固唾を飲み込んで、手を合わせて一礼。大いなる遺産を受け取る心構えを、行い示してアイテムインベントリに収納し、一式装備の内容をチェックし━━━━━━言葉を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠久を誓う天将王装(フォーエヴァー・ウェザリオ)【ユニーク遺機装(レガシーウェポン)】:ウェザエモン・天津気(アマツキ)が嘗て使用したとされる、数千年前の戦場にて纏った偉大な戦鎧。

 

天下無双と称された将軍が、想い人を護ると強く揺らがぬ誓いを立てた其れは、あらゆる困難を切り開き、あらゆる窮地に膝を付かない。

 

歴戦を重ね紡いだ戦装束には、気高き魂・揺るぐ事無き意志・強き想いが共に在る。

 

己の誓いを護らんとする限り、此の戦鎧を纏いし者は沈む事有らず。其の魂が絶望に屈する事の無い限り、此の戦鎧を纏いし者は倒れる事有らず。

 

 

 

頭装備:天将乃兜(テンショウノカブト)碧羅之天(ヘキラノテン)

胴装備:天将乃胴鎧(テンショウノドウガイ)天照一清(アマテラスイッセイ)

腰装備:天将乃腰鎧(テンショウノヨウガイ)澄清天際(チョウセイテンサイ)

脚装備:天将乃脚鎧(テンショウノキャクガイ)蒼天走川(ソウテンハシカワ)

 

轟斬型(ゴウザンガタ)太刀式(タチシキ)武装(ブソウ):大天咫(オオテンタ)

 

 

FCB:不屈之鎧【時ヲ待テ】

 

FCB:天王招来【時ヲ待テ】

 

FCB:晴天結実【時ヲ待テ】

 

 

不屈之鎧(フクツノヨロイ):装備者と装備者が持つ武器に対する、あらゆるダメージ・デバフ・耐久値減少を1/10にする。此の効果は装甲貫通・装甲破壊・防御無視・スキル無視を含む、最上位のスキル・魔法及び武器の能力以外で無効化されない。

 

 

天王招来(テンオウショウライ):試作型戦術機獣(しさくがたせんじゅつきじゅう)天王(テンオウ)】を召喚する。天王は通常の軍馬形態・装着者との合体により、機動力に秀でた人馬形態・覇撃力に秀でた甲冑形態に変型する。

 

 

晴天結実(セイテンケツジツ):装備者が晴天流を使用した上でレベルアップした場合、其の熟達に大きな補正を追加する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(コレ絶ッッッッッッッ対、ウェザエモンのユニーク遺機装じゃん……マジで言ってるの?しかもウェザエモン・天津気って墓守のウェザエモンのフルネーム?で、天王って麒麟のダウングレードバージョン……で合ってるか?確かトワの話だと、人馬形態は有るって言ったが、甲冑形態って何?別形態有るの?

 

装備は出来るけど、時を待てって何?アレか、ウェザエモンとの戦いの時までは使えないから、時期を待つ事も大事って事か?ダメージ抑え込む装甲もヤバいし、晴天流って何なのさ?………いや、まさかウェザエモンの使う技って、俺達プレイヤーも習得可能な技……?……コレ、色々とヤバくね?)

 

サードレマ大公の城。其の地下にて安置されていた、七つの最強種を模したユニーク遺機装(レガシーウェポン)の一つたる・悠久を誓う天将王装(フォーエヴァー・ウェザリオ)

 

またしてもペッパーは、とてつもない装備一式という戦力爆弾を掴まされ、頭を抱える羽目になってしまったのだった。

 

しかしユニークモンスター・墓守のウェザエモンが、嘗ての時代に用いたという戦装束を、ペッパーは受け継ぎ。其の鎧に刻まれた能力は、此の先のウェザエモン攻略に向けて、大きな意味を持つ事になる……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『勇者は嘗ての偉大なる将軍の鎧を受け継いだ』

『悠久の時を越えて、伝説は再び動き出す』

『称号【残影を纏う者】を獲得しました』

『称号【天に示すは我が想い】を獲得しました』

『特殊クエストEX【七星の皇鎧よ、我が元に集え】が進行しました』

 

 

 

 

 

 

 






其れは一人の男の、嘗ての相棒



悠久を誓う天将王装(フォーエヴァー・ウェザリオ):サードレマ大公屋敷の地下に在る、神代のタイムカプセルの中に封印されていた、ユニーク遺機装(レガシーウェポン)

若き日のウェザエモン・天津気(アマツキ)が、戦場で纏っていた戦装束であり、掛けられた陣羽織の襟元に在る手作りの桜刺繍は、其の昔に彼の恋人の刹那(セツナ)天津気(アマツキ)が戦いから無事に帰って来れるよう、御守りとして着けた物である。

墓守のウェザエモンに由縁するユニーク遺機装であり、全種装備状態(フルカウルモード)となる事で、秘められた能力が解放される。

悠久を誓う天将王装の持つ機能は『装着者に対するダメージやデバフ等を抑え込む堅牢な装甲』と『装着者の音声認識により三形態へ変型する戦術機獣の招来』、そして『晴天流と呼ばれる古武術の習得速度の上昇』がある。

しかし現在、其の能力は使用出来ない様で……





モチーフはバトルスピリッツのXレアカードにして、バトルスピリッツ烈火魂(バーニングソウル)の主人公・烈火 幸村の最終キースピリット『戦国龍皇バーニングソウルドラゴン』の胴並びに腰鎧と陣羽織、其の鎧の胸に在る六文銭を桜花へ変更。

四肢の甲冑を仮面ライダー鎧武・極アームズをベースとして、ゴッドゼクス・終ノ型のエネルギーラインが引かれ、頭兜は仮面ライダー鎧武・カチドキアームズをイメージした歯朶の葉前立ての兜飾りに、武田信玄の兜の白毛を着けた物になっている。

大天咫のモチーフは、『ONE PIECE』の海賊狩り ロロノア・ゾロの愛刀にして、大業物21工の一本『和道一文字』。

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