其の戦いを観た神々達は
プレイヤー:ペッパー・
当然ながら其の戦いをシャンフロの運営元であるUES、ユートピアエンターテイメントソフトウェアの開発に携わった者達の多くも見届け、ネタバレに関わる部分には『此のシーンは配信出来ませんテロップ』でぶつ切りにしたりの根回しを行い。
自分達は此の戦いと待っていたエンディング………ペッパーが冥響のオルケストラの一式装備・
そうして一夜が明けて日が昇り始めた朝方、季節が秋から冬へと移ろう中で寒さを帯びる一つの室内に、三人の人影が其処に居り………………。
「はぁ…………。─────────
電子世界を別の視点、或いは世界其の物を構築・創造する一昔前のデスクトップ型のパソコンを前に表示された、冥響のオルケストラのシステム画面と『クリアランク:S』のリザルト表示。
そしてペッパー・天津気 対 冥響のオルケストラの戦いの
「オルケストラのサーバーをフル稼働させといた上に、前々から準備したくせしてよく言うぜ全くよぉ。─────だがまぁ、
創世の言葉にシャングリラ・フロンティアをゲームとして成立させ、プレイするユーザー達が世界から離れない様に裏から様々な調整を行う神である
彼女がオルケストラの中に在った「正典」プログラムを解禁し、其の出力を
移行条件としては「正典」ルート同様、隠しステータスの一種・歴戦値の一定以上の保有や、シャングリラ・フロンティア内での偉業を達成するを満たした上で、更に其処に『オルケストラの一式装備となるキーアイテム所持、
そして『征服人形を第四楽章終了後と最終楽章前の間幕に呼び出し、最終楽章の前半と後半の両フェーズ内でオルケストラに再現されたプレイヤーを守る忖度ガードを発生させ、其の際に発生したリソースを規定値以上ドレスとマイクに注いで、歌姫王装となった状態で最終フェーズ時にプレイヤーが使用し、再現されたプレイヤーの体力を削り切って倒す事により』、初めて聖典ルートの攻略と特殊エンディングを見届けられる。
当時から破竹の勢いで駆け抜けていたペッパーを躓かせんとし、数ヶ月前から緻密に厳密に準備とサーバーに観測を続けさせていた創世では在ったが、ペッパーの行動や実力を加味したサーバー達は『現時点で持つ様々な武具を駆使し、己の全力を用いれば攻略出来る』との結論を出した。
そしてペッパーはサーバー達の予測通り、己が持ち得る物を全てを賭けて決戦を挑んだ果て、再現されたプレイヤーのアバターに1.2倍のステータスと社内に保管されている
「…………人類の知能を人工知能が超えるとはよく言ったが、逆もまた然りな現象をこんな形で見せられるとはな…………」
創世と律という水と油よりも尚も仲が悪い二つの神を取り持つ
其れ故にペッパーという人間の持つ潜在能力の深淵具合に、世界最高峰の棋士たる永世八冠をクソボスと呼んでいた事には驚かされたが、彼が過去に買ったゲームの調査をレトロゲームの範囲まで広げ、改めて精査し直した事によって彼は確かにゲーム内ながら、永世八冠の思考を搭載したラスボスを打倒せしめた称号を持っている事を知ったのだった。
「木兎夜枝の言う通りね。人間の底力とか可能性を見せられた気分だわ…………」
「……………コイツと同じ意見になったのは癪だが、コレばっかりはどうにもならねーな。寧ろ『ペッパーの
「……………」
仮に創世が『
そして律の立場を鑑みれば、
尤も此の二人が『やり過ぎた時』は、宣伝部長である自分が責任を以て事に当たらねばならず、此のシャングリラ・フロンティアというゲームに深く踏み込んだペッパーというプレイヤーの動向は、運営として『今後より一層注視していく必要が有る』と結論付けた。
「…………で、だ。創世、律、今の『ゴルドゥニーネ達の動き』はどうなっている?」
「無尽のゴルドゥニーネの分け身をパーティーに加えたプレイヤー達が、各自前線拠点に少しずつ向かってるわ。本体は未だ最西端のエリアに居るけどね」
「ゴルドゥニーネと手を組んだのは四組、フリーのゴルドゥニーネは未だ数人居る。後『残存しているゴルドゥニーネの中の三体が倒れる』、もしくは『ゴルドゥニーネがアレを見た時』に
冥響のオルケストラの打倒からワールドストーリーが動き、以前から生き残りを賭けた闘争をしていた無尽のゴルドゥニーネと分け身達が更に激化させ、本体の本格的な動きが起きる段階まで着実に進みつつ有る状況を、世界を作った神と世界を律する神は把握している。
即ち其れは、そう遠く無い内に無尽のゴルドゥニーネのユニークシナリオEX【
牽いては不滅のヴァイスアッシュのユニークシナリオEX【
「…………本格的に大変になるな」
「そうね。PVPイベントも有るし、此処からもっと大変になるんだから」
「レイドモンスターにPVPイベント周りの調整もやんなきゃなんねぇ、まだまだやる事山積みだよ全く…………」
悪態を付きつつも、其々がやる事を理解しているからこそ手を抜く事は断じて無いのが、シャングリラ・フロンティアに関わる三柱の神々の結論だったのだから。
動き続ける世界は此の日、更なる衝撃を伴いながら前へと流転したのである。
世界は変わる、止まる事は無く