熱き視線の数々
「ッ、気持ち悪い感覚………!」
『悪寒やばーい!!?』
『コレあれだよね!?システム干渉的なヤツだよね!?!?』
「ねぇケイ、あの目達『此方を見てるわよ』!?」
『うわ、目玉が此方見てる!?!気持ち悪ッ!!』
『其れ』を土砂降りの雨の中に浮かんだ『赤一色に燃え上がる十五個の眼球達』を見たプレイヤー達が、全員共通して抱いた
其の寒気は
正しくはシステム側からのプレイヤーに対する
『瞳孔が動いてる!!』
『ヤバいぞ、目を潰すべきか!?』
『いや、アレでもニラ蝶の炎と熱だ。触れたら熱が暴発って可能性も無い訳じゃない!』
プレイヤーがどうするべきかと考える中、オイカッツォは焠がる大赤翅に挑んだプレイヤー達の情報や、此迄に見てきた敵の特色と特性含め、灼熱の始源が次なる行動を起こすまでの限られた時間で、己の思考を全力でブン回し始める。
(浮遊する眼球、瞳孔の変動、エネルギー生成、欠損の補填する特性、熱注入の殺意と視線、カウンターと範囲攻撃、始源の赤、フォーカス合わせ、むさたん、
オイカッツォが思考し、焠がる大赤翅が起こすアクションとして『最も濃い線』を──────真実を言えば『正解』を弾き出した、此の一連の思考方法。
其れは奇しくも嘗ての時代、一線を風靡したプロゲーマー・Z-Aこと
或いは其の息子のA-Zにして
「ッ………此れで合ってなかったら数年恨むぞ神様!」
「ケッツォ!?」
「ケイ、何其れ!?」
「…………オクトパス、か?」
「…………どうやら我々はニラ蝶を甘く見てたらしい………!」
「皆、警戒を厳にしろ!オイカッツォ氏が『其れ』を使うならば、此方も負けられない!!!」
そう言ってインベントリアから『其れ』を速攻で取り出すや否や、有無を言わずに全身換装を行い纏ったオイカッツォに、ペッパー・カルダモンやアージェンアウルにホークアイを含めたシャンフロを初めて日が浅いプレイヤー達は文字通り『驚愕』し。
相応の時間を遊んで来たプレイヤー達は、シャンフロ指折りの七クラン連盟の頂点の
深淵のクターニッド討伐作戦決行日、要求ステータスが足りずに外道三人衆から煽られた屈辱を心に刻んだオイカッツォは、リアルでの仕事等を含めて時間を見付けてはクリア報酬として渡された隠しステータス確認アイテム『深淵の雫』によって、該当ステータスが如何なる状況で変動するかを徹底的に検証した。
レベルキャップの解放、天覇のジークヴルムの打倒と再生の物語の踏破、ラビッツへの来訪と実戦的訓練の完遂に、国の末端への着席…………他の受注者達の後追いになりながらも、自分に出来る事をコツコツと積み重ね続けた
名を
「さぁ俺としては初運用だ、一か八かの丁半だけど景気良く行こう!」
『Boooooooodddddddddddddooooooooooooooooo!!!』
瞳孔のブレが収まり、炎の眼がプレイヤーたちを見定め、一際大きく目が見開かれた瞬間、十五の炎眼は閃光の如く光を放ち。
「『ビームよ霧散しろ』ッッッ!!!」
オイカッツォが言霊を放ち、世界の理を表裏を軸にし意の儘に操り、反転させ、入れ替える、深淵の盟主が振るいし同じ
─────────パパパパパパパパパパパパパパパシュン!!!
『Kyyuuuvvvveeeeeeeeeeeeeeeeee……………!?』
「ヨッシャ、上手くいったァ!!!」
「「「うおおおおおおっ!!!」」」
灼熱の始源が放った熱線達の其の尽くが一つの例外も無く、赤い粒子と化して目の前で霧散するという顛末により、信じ難くも現実を見せ付けられた大赤翅は思わず困惑の声を上げた。
「氷の繭が無い今ならやれる!全員『消化準備』だ、俺がビームを無効化する!!!」
「おっしゃあ任されたぁ!!!」
「やってやるです!!!」
状況改変効果の持続時間三十秒計測に神経を尖らせるオイカッツォが、他プレイヤー達へ後詰めを頼むと声を上げれば、全員が一斉にインベントリやインベントリアを操作。
取り出された物は嘗ての時代にベヒーモスやリヴァイアサンで元々造られ、ベヒーモスの第六階層にリヴァイアサンの第四殻層で売られていた
象牙曰く『人類が住まうに値する惑星を発見した際、
直撃対象の熱を奪い取り、容量が満たされない限りは膨らみ続ける、高から低へと流れるエンタルピーの基本原則を促進させる
『Ky──────Kyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy!?!?』
土砂降りの雨、熱喰らいのガジェット、そして生き延びているプレイヤー達の攻撃が、此処まで
「氷繭防御には氷属性魔法、目玉ビーム発射時はエンタルピーイーター投擲だ!此のままニラ蝶をブッ倒すぞ!!!」
『応ッ!!!』
「物理職の出番まだかなぁ………」
成果は示され、開拓者は咆える