サンラクの致命武器が真化する
エフュールのドールフロントにて、彼女お手製のドールキーホルダーとヴァイスアッシュが嘗て作った、
其処には当然のようにビィラックも居て、サンラクは何で居るんだ?と疑問を抱き、ペッパーはヴァイスアッシュが武器を打った時の歌を、聞きに来たのだろうと予測する。
「おぅ、よく来たなぁ…二人共」
「ウッス、兄貴。エフュールが保管していた腕輪、確かに受け取りやした」
「大事に使わせて貰います、先生」
ロールプレイを絡めつつ、二人は腕輪を手に載せて見せる。
「サンラク、おめぇさんが持ってる
「解りやした」と言うや、サンラクはアイテムインベントリから
「おぅおぅ、良い刃付きに面構えじゃあねぇか。全部から確り『認められてる』なぁ……」
「はぁ……ありがとうございやす」
優しい目で包丁を、小鎚を見つめたヴァイスアッシュ。其れを見たビィラックが炉に火を入れ、石炭へ熱を含ませていく。
「サンラク。おめぇさんの手持ちの中の素材に、苦労して倒した
「強敵……ですか」
「おうよ」
ヴァイスアッシュの発言に、サンラクはアイテムインベントリの中身をチェックし。二つの素材を取り出して、致命兎の王へと提出する。
一つは、クアッドビートルの象徴にして、彼の者の中では最も強靭にして希少なる素材『クアッドビートルの堅雄角』。
一つは、ライブスタイド・デストロブスターの主力武器であり、幾多の敵を打ち倒す力を宿す『命湖大海老の前鋏』。
クアッドビートルはサンラクがエムルの協力の元、頭装備素材確保の為のレベリングで。ライブスタイド・デストロブスターは、エムルの全面協力無しでは、討伐出来なかった強敵。手渡すならば文句無しだろう。
「クアッドビートルの角に、ライブスタイド・デストロブスターの前鋏か……」
「どちらも強敵でした。特にデストロブスターは、エムルの協力無しじゃ、討伐に何時間掛かっていたか解りやせんでした」
「どちらも悪くねぇ……良い素材だぁ」
サンラクの説明に、頷きながら「じゃあ……『真化』を始めようかい」と言い、道具棚に立て掛けた鍛冶道具を手に取っていく。
「真化…?進化となんか違うの?」
「武器の記憶を辿り、まことの姿にする……とビィラックさんが言ってました」
「フフフ………サンラク、ペッパー。ワリャは本当に運が良いの。わち等の頭は『鍛冶師』なんじゃ。其れも只の鍛冶師じゃないけぇ」
炉に空気を送り込み、温度を更に高めながら、ビィラックはサンラクに言う。
「鍛冶を極めた者のみが到達出来る『名匠』であり、神代の遺物を扱う事が可能な『古匠』。そんで其の二つを更に極め抜いた先に在る、鍛冶師の最高にして至高の頂に立つ『神匠』なんじゃ」
着物の右袖を脱ぎ払い、炉へと包丁を入れたヴァイスアッシュが金槌を握り、目を見開くやトンカチを振るい、鉄を打ちて真化を行い始めた。
二本の包丁を、二本の小鎚を。鉄打ちの唄と共に鍛え、ビィラックとアイトゥイル、そしてエムルが聞き耳を立てている歌の事を聞こうとしたサンラクを、ペッパーが小声で「傾聴しなければ彼女達が、不機嫌に成りかねない」と、寸での所で止める事に成功し。
そうして鍛えた武器達にヴァッシュが細かな装飾や、意匠を加えて仕上げる工程を踏まえ、数十分の時間が流れて………。
「おぅし、出来たぜ」
致命武器を四つ仕上げきったヴァイスアッシュが、右腕に着物を通し直して、サンラクの取り出した致命武器達を置いた。
致命の包丁は『白の刃を持つ剣』と『朱の刃を持つ剣』と成り、柄の先端には各々の色に対応した勾玉が。
致命の小鎚は二本共に『太鼓で用いられる枹が漆黒の鉄棒』の様な姿へと生まれ変わっていた。
「おめぇさんの
此方に在るのは『
そしてもう一つの黒い二本の
どちらも二対一体の武器であり、片方が欠けてもいけねぇ。二つ在ってこそ初めて『本来の意味』を成す……そういう武器達だぜ」
二刀流使いとして戦ってきたサンラクの致命武器達は、ヴァッシュの真化によって二刀流対応武器へと姿を改め直した。
ペッパーが二刀流武器見ながら、自分は使えないのにサンラクは使えて良いなぁと、羨望の眼差しを向けているのを見ながら、アイテムインベントリに仕舞って武器の性能をチェックする。
武器種:対刃剣
対となる刃の名は
自身よりレベルの高い相手と戦闘する場合、此の武器によってクリティカル攻撃が成功した場合、装備者の体力を減少させる代わりに、次の攻撃時にクリティカル補正とクリティカル成功時のダメージ補正を追加する。
クリティカル攻撃が成功する度、此の武器の合体ゲージが蓄積し、ゲージMAXとなる事で【
必要ステータス
『筋力45』『器用70』『技量60』
武器種:対刃剣
対となる刃の名は
自身よりレベルの高い相手と戦闘する場合、此の武器によってクリティカル攻撃が成功した場合、装備者の体力とMPを回復する。
クリティカル攻撃が成功する度、此の武器の合体ゲージが蓄積し、ゲージMAXとなる事で【
必要ステータス
『筋力45』『器用60』『技量70』
武器種:双節棍
分かたれた二つの黒枹、暗き夜空に赤く煌々と浮かぶ月の如く、溢れる力は黒の眠りを朱へと起こす。然れど其の真なる姿は、未だ遥かに先に在りて。
自身よりレベルの高い相手と戦闘する場合、此の武器によるクリティカル攻撃が成功した時、攻撃対象のモンスター及びプレイヤーの体温を吸収する。
クリティカル攻撃が成功する度に、此の武器の連接ゲージが蓄積し、ゲージMAXとなる事で【
必要ステータス
『スタミナ90』『筋力50』『技量60』
致命魂の首輪で鍛えられたステータスによって、真化された武器の全てが、ちゃんと装備出来る事に安堵したサンラク。早速新武器の試運転の為、ヴォーパルコロッセオで打ち込み練習が出来ると言う案山子を求めて走り出し。
ペッパーも自身のスキルのリキャストタイムや、自分の真化武器の性能と効果確認を行う為、彼を追い掛けようとした其の時。同期させたEメールアプリに、一通のメールが届いた。送り主はアーサー・ペンシルゴンであり、其の内容が━━━━━━
『4日後に満月の夜になるから、其の時に千紫万紅の樹海窟の写真の場所に集合する事。
墓守のウェザエモンと戦う為のユニークシナリオ受注に必要不可欠なので、サンラク君とカッツォ君は絶対に忘れないように。あと万が一に追跡してくるプレイヤーが居たら、必ず振り切ってから来る事。イイネ?
其れとペッパー君、
━━━━━━と。
合体と連結は、何時だって男の子の浪漫