墓守のウェザエモン戦、第二段階へ
唯でさえ馬鹿げた馬力を持ち、近距離では突進するだけでプレイヤーは、自身が『ボウリングのピンとして吹き飛ぶ感覚』を直に味わい、其の後ろ足で蹴り飛ばされれば、凄まじい耐久を手にしたタンクでさえ『一撃粉砕』されると言う。
おまけにミサイルとレーザーを撒き散らして、暴れ回りでもしようものなら甚大な被害を被る上に、万が一にもウェザエモンと合流を許せば、其の瞬間にガメオベラ確定と言う鬼畜っぷりだ。
「いや、どーやってコイツと『ロデオ』すりゃ良いんだよ!?うわああああ!!?」
「ロデオする為の心得有るでしょ?『キャバクラ』で3位入賞したっていう、カッツォ君の其の実力見せてよ!」
麒麟担当のオイカッツォがレーザーやミサイルで、時折命の危機に晒されて悲鳴を上げながら、必死こいて逃げる中でペンシルゴンは天秤を操作しつつ、オイカッツォの援護に入る。
(キャバクラって何……ギャルゲーか?)
そんな中、ウェザエモンと戦うサンラクが殺られた瞬間、蘇生&スイッチ出来るように備える京極と。麒麟を担当するオイカッツォに、彼が取り付けるよう援護するペンシルゴンを視野に置きつつ、ペッパーは一人全体を見つめて誰かが倒された場合に涙珠を投げ込める様、準備を行う。
「キャバクラ?何だそりゃ、クソゲーか!?」
「キャバクラはクソゲーじゃないし!サンラク君、ウェザエモンに集中して!」
「あいよー!」
第一段階と同じであるならば、第二段階もウェザエモンと麒麟の合流を阻止しつつ、10分間耐え凌ぐ戦いになるだろう。そしてペッパーは考えた━━━━『滅茶苦茶つまらないな?』、と。
数年前にプレイしたレトロゲームでも、規定されたターンまでプレイヤーは、ボスの攻撃から生き残るタイプのゲームは有った。其れが達成されてステージがクリアとなり、先に進む事が出来たのだが、やられっぱなしのまま終わった不燃焼感で、心をモヤモヤさせられた経験を味わった。
其れはサンラクや
「ぐぁ……!?」
「京ティメットっ!」
「サンラクは戦闘続行!俺が蘇生を!」
袈裟斬りにより京極が叩き斬られ、ペッパーは涙珠を京極の腰に豪速球をブチ当ててリスポーン。サンラクが戦闘へ突入し、京極は離脱する。
「あと少しアイツのモーションが解れば、もうちょっと生存時間を伸ばせそうなんだけど…!」
「さっきから1分半切れずに殺られる、京ティメットさーん?もーすこし、何とか生きられませんかねぇ~~~~????」
「うっさいよサンラクゥ!!」
ギャーギャーワーワー言い争い、ウェザエモンの斬撃に晒されつつも、両者の闘志は衰える事はない。ペッパーは二人は『今』は大丈夫だと睨み、オイカッツォとペンシルゴンの方向を見る。
其所ではペンシルゴンが、麒麟の斜め前に陣取りつつもウェザエモンの方へ行かせないよう立ち回り、オイカッツォはミサイルとレーザーに追い掛け回されながら、麒麟にロデオをする為の突破口を探していた。
ミサイルを放ち、発射口より白い蒸気を吹き上げて、麒麟の動きが僅かに止まるのを見たペンシルゴンは、アイテムインベントリから『
しかし馬鹿力の麒麟の前には焼け石に水の様で、一秒足らずで引き剥がして暴れ回り始め、再びオイカッツォが悲鳴を上げている。
「ペンシルゴン!麒麟の動きを止めるにはどうすれば良い!?」
「ペッパー君!麒麟は上にプレイヤーが乗っかって、振り落としモーションを取らせないと、動き回れて広範囲に被害が出る!」
つまり、一刻も早くオイカッツォを麒麟に乗せないと、ウェザエモンと合流を許す事になるのは明白で。ペッパーはレディアント・ソルレイアを一瞬見て、此れ以上ユニーク
「ペンシルゴン、しくじったら蘇生頼んだ!」
「え、ペッパー君!?」
彼は覚悟を決めつつ、レディアント・ソルレイアのエネルギー残量に目を通して、ミサイルとレーザーに追われるオイカッツォの元へ、浮遊滑走をしながら急速移動を行った。
「オイカッツォ、無事か!」
「コレの何処が無事に見えるよペッパー!!うわぁふぉ!?」
レーザーを跳躍で回避して走るオイカッツォは、籠脚で浮遊滑走するペッパーに、ユニーク怨唆を含んだ声を上げる。
「はいちょっと、失礼しますよオイカッツォ!」
「えっ何っ、わわちょおわああああああ!?」
ペッパーがオイカッツォをおんぶし、レディアント・ソルレイアの飛翔機能を解放。合言葉の『
「ハァァァァァァァァ?!!?!」
「ちょっ、ペッパー君!?何で空飛んでるの?!」
「其れも後でな!オイカッツォ、このまま麒麟に肉薄するよ!掴まっててな!」
「お、おう!」
麒麟が空を舞い踊るペッパーとオイカッツォを狙い、ミサイルとレーザーを放つが、ティラネードギラファとカイゼリオンコーカサスとの戦いで培われた、レディアント・ソルレイアの空中機動と軌跡を残し、弾幕の合間を縫うように麒麟に接近。
「オイカッツォ!ミサイルの切れ目まで、あと何秒!?」
「あと7秒!」
「やぁあああああってやるぜぇ!!!!」
レーザーを、ミサイルを、巨体の振り回しを躱わし。麒麟が白い蒸気を吐き出し、攻撃に隙間が産まれた。
「よし、行けオイカッツォ!そっちのロデオも、此の戦いで鍵を握ってるから頼む!」
「任せとけ、運送分確りロデオしてやんよ!」
ペッパーにおんぶされていたオイカッツォが、彼の背中をサーフボードの様に乗り変えて、渾身の力を込めた跳躍で麒麟に迫る。
「暴れ馬には
アイテムインベントリから取り出すは、オイカッツォがサブ
「さぁ、麒麟!此処からは『
取り付いた小さな開拓者を振り落とさんと、跳ね始めた麒麟の前足の踏み付けで発せられた轟音をゴングとし、オイカッツォにとっての長い戦いが、此処に始まったのであった………。
「ペッパー、何で空飛んでるの!?」
「うわぁ……実際見るとやっばぃ、なぁ!?」
ウェザエモンと戦うサンラクと京極は、ペッパーがレディアント・ソルレイアで空を飛んだ姿を見て、各々の言葉を溢していた。スキルや魔法の類いを用いず、ノーリスクかつ超スピードでの飛行を可能にする籠脚の、凄まじい性能を目の当たりにしたのだから。
『…………………………』
サンラクに斬撃を放ったウェザエモンが、レディアント・ソルレイアを装着し、空を舞い踊っているペッパーを見上げ、其の動きが止まった。
「おい、何止まってるんだウェザエモン!」
「隙有りッ!」
動かないウェザエモンへ、此処まで殺られた鬱憤を晴らすが如く、其の一撃を叩き付けた。
だが。
「は?!」
「えっ!?」
京極の渾身たる太刀の斬撃も、サンラクの全力の小鎚と短剣の斬打すら意に介さず、ウェザエモンの双眸はペッパーを捉え続け。
そして━━━━━━爆ぜるような音と共に、其の巨体は駆け出して。空中飛翔から着陸して来たペッパーに向かい、真っ直ぐに突撃していく。
「ッ…
ウェザエモンが、眼前のサンラクと京極の二人を無視して、ペッパーに斬り掛かりに行った。此の瞬間二人はほぼ同時に同じ思考へと至る。
最優先撃破対象が自分達から、ペッパー
シャンフロのAIが成す、新たな思考