呪いの権能がペッパーの周りの者に与える影響
ざわざわ…ざわざわ…
「あの~…すいませーん」
「あ、ご、ごめんなさい!」
「…………………」
大学の講義を終え、シャンフロにログインしたペッパーは、早速リュカオーンの
ファステイアの道行くNPCは、彼の右手に刻まれた傷痕を見た瞬間、蜘蛛の子を散らすかのように逃げ出してしまい、周りにいる他のプレイヤーからは、異質なモノを見る視線が背中に突き刺さってくる。
このような状態を鑑みたペッパーは、ファステイア防具店に飛び込み、店員がビビって購入の話が難航しそうになるも、何とかアクセサリーの『旅人のマント』をゲット。
右腕を隠すようにマントを羽織り、その後は道具屋でこれまた店員に畏れられながら、跳梁跋扈の森と貪食の大蛇との戦闘でドロップしたアイテムを売却し、簡易食糧や解毒薬等の消耗品を購入して、最後に武器屋でリュカオーンとの戦いで耐久限界になってしまった、ロックオンブレイカーの修繕を依頼した。
余談だが、武器屋の店主はペッパーに刻まれた傷痕には驚いたものの、快くロックオンブレイカーの修理を承諾してくれ、彼は嬉しくて少し泣いたそうだ。
「さて…ステータスを振ろうか」
ユニーク武器を修理する間、武器屋周辺待機しながら、リュカオーンとの戦いで大きくレベルが上がり、ポイントも貯まったペッパーは、呪いの特性とバックパッカーの役割を加味した振り分けを行うことにした。
「まずモンスターが逃走する以上、其れにある程度追い付ける敏捷とスピードを維持するスタミナは有った方が良い。
が、追い付けない場合には、投擲による攻撃が一番手っ取り早いから器用と技量と筋力が必須になる訳だ。
器用は…リュカオーンの時に余った分を振り込んだから、今回は振らずに技量と敏捷にちょっと、スタミナと筋力は少し多めに………残ったポイントは体力と幸運に。此れで良しっ、と」
そうして振り分けた結果、ペッパーの現時点のステータスはこうなった。
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PN:ペッパー
レベル:26
メイン
サブ
体力 15 魔力 10
スタミナ 60
筋力 50 敏捷 56
器用 31 技量 30
耐久力 22 幸運 15
残りポイント:0
装備
左:無し 右:リュカオーンの呪い
頭:皮の帽子
胴:皮の服
腰:皮のベルト
脚:皮の靴
アクセサリー
・鎖帷子(耐久力+10)
・旅人のマント(耐久力+2)
所持金:3490マーニ
スキル
・スラッシュ→ラダースラッシュ
・刺突→呀突
・フラッシュカウンター
・ブームスロー
・スピックエッジ
・ステップワーク→ハイドレートワーク
・スイングストライク
・レイズインパクト
・剛撃 レベル1→レベル3
・アクセル レベル1→レベル4
・ラッシュ レベル1
・見切り レベル1→レベル2
・ハイプレス レベル1
・一艘跳び→二艘跳び
・タップステップ→スライドムーブ
・ブートアタック
・水平斬り レベル1
・垂直斬り レベル1
・サイダーターン
・ハイビート レベル1
・アクタスダッシュ レベル1
・ステックピース レベル1
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当初の予定通り、バックパッカーとしての役割を果たせるステ振りを行い、スキルも確認していく。
レベルアップで新たに習得した物、一部が進化・変化した物、熟練度が上がった物等、リュカオーンとの戦いで此れだけの手札を手に入れた。しかし、どんなスキルでも使いこなせなくては腐り札に変わってしまう。
(貪食の大蛇はエリアボスだから、多分逃走はしない…よな?逃げたら逃げたで、リュカオーンの呪いがヤバい事になるんだが……。
逃げなかったら、新しいスキルの練習台になって貰おう………)
呪いの影響で他のモンスターを使ったレベリングが出来ない為、エリアボスの貪食の大蛇でスキルの試運転と使用感を探ることに。
其れから少し経ち、ロックオンブレイカーの耐久値が回復し、店主に御礼をしたペッパーは、今度こそセカンディル到着を成し遂げる為、ファステイアを旅立っていった………。
「うわぁ……本当に逃げてるよ………」
跳梁跋扈の森に入り、貪食の大蛇が居る吊り橋を目指して駆け抜けるペッパーは、リュカオーンの呪いの力を目の当たりにする。
走る先々で飛び出そうとしてくるモンスターが、旅人のマントで右腕を隠しているにも関わらず、一目散に来た道を引き返したり、慌てふためいて木の上や土の中に潜ったりと、呪いの表記通りの行動を取っていた。
「武器の耐久値が削られないのは、良いことなんだがな………。でもいざ、こう避けられると、此方は滅茶苦茶悲しくなる………」
溜息を溢し、最初に来た時と同じように、されどスタミナ消費に気を付け、最短最速距離を走り、ペッパーは再び吊り橋の近辺に到着した。
其処には最初に出逢った時と同じように、其の巨躯で蜷局を巻いて、身をドッシリと置いた、貪食の大蛇が。
「………お前は逃げないんだな。貪食の大蛇」
プログラム通りか、はたまた恐れ知らずか。リュカオーンの呪いを前にしても、貪食の大蛇は怯む処か『シャアアアアア……!』と低く、縄張りに侵入した此方を睨み付け、威嚇している。
「良いだろう…!逃げなかったお前には、今の俺の力をしっかり見せてやるッ!」
そう言い述べて、アイテムインベントリから白鉄の短刀を取り出し、ペッパーは2度目となる貪食の大蛇との戦いを開始した。
突進や毒、丸呑み等の様々な攻撃を回避しつつ、獲得したスキルを次々と試しては、武器を斬撃から打撃また斬撃へと幾度も切り替え。
ペッパーは30分掛け、じっくりと自分の手札を把握しながら、最後は貪食の大蛇の喉笛を、
貪食の大蛇のドロップアイテムを回収し、吊り橋を渡りつつも、彼はリュカオーンの事が有った為、周辺警戒を厳重に道を歩み続けていき。一度はリュカオーンによって邪魔され、到着叶わぬままファステイアより再走し直し、ペッパーは此処へ来た。
石造りの建物が幾つも建ち、先の道を豊かな沼地が沈め。開拓者達は此処で沼渡りへと備える、シャングリラ・フロンティア第2の街『セカンディル』へと到着したのであった。
漸く到着、セカンディル
ペッパー所持スキル、一部紹介
呀突:刺突の進化スキル。攻撃時、自身の筋力が高い程、ダメージに補正が入る。
ハイドレートワーク:ステップワークの進化スキル。ステップアクションによるスタミナ減少を半分にする。
ハイビート:発動後1分間、自身の敏捷に上昇補正を掛け続け、終了後1分間、スタミナ回復に減少補正を掛ける。熟練度が上がると効果時間が延長する。
ハイプレス:打撃武器によるノックバッグ率に補正を掛ける。熟練度が上がると、補正が大きくなる。
見切り:発動後、1分間回避に補正を掛ける。自身よりレベルが低いモンスターとの戦闘では、補正は更に掛かる。熟練度が上がると、効果も大きくなる。