VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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影との戦いはヒートアップ




奏でる歌よ、英雄の道を示せ(後編)

身体が傾く。レペルカウンターを食らったからか!耐久2000の防具で頭まで覆っている以上、俺が黒ペッパーなら此処は打撃じゃなくて、蹴りか首絞めを選択する筈!

 

見極めろ、相手の選択肢を!足……動かず、手は……伸びた!当時の俺のスキルは握撃が有る!タイミング…3…2…1…!

 

(コッこ、ッッッ!だああああぁ!)

 

黒ペッパーの伸びる手……其の手首に向けて烈風轟破(れっぷうごうは)で加速した己の右手を伸ばして、アドバンスト・フィンガーで握り締める。

 

「握撃、だろ?俺がお前なら、此処で必ず握撃を使うって………信じていたよ(・・・・・・)

 

言うが早いか、己の身体を重力に身を任せつつ、致命柔術(ヴォーパルじゅうじゅつ)三日月巴(みかづきともえ)】起動。通常の巴投げ以上の速さで、黒ペッパーを背中から地面に叩き伏せるや、自身は素早く起き上がりつつ、落としたヴァンラッシュブレイカーを拾って、体勢を立て直す。

 

「ペッパーはーん!頑張るのさー!」

「負けるなよ、ペッパー」

「あぁ!反撃開始だ!」

 

英雄王の威光(ギルガメッシュ・サイン)戦帝王の煌炉心(オライオン・スピリッツ)、トルクチャージ起動。

 

前者のスキルは自身と同じか、其れ以上のレベルを持つ相手に対する全ステータスへの10%の強化を。

中者のスキルは戦闘中に1度だけ自己蘇生を据え置きとして、60秒間敏捷・筋力・スタミナを3倍にする能力。

そして後者のスキルは、スキルの熟達に応じた再使用時間の短縮を助けるスキルであり。

 

「ッ!オラァ!」

『!?』

 

スタートダッシュからのオーバーラップ・アクセラレートで瞬間移動。黒ペッパーの後ろに回り込み、聖攣の神覇業(ウルク・フォルセティ)を起動。カッ跳んだペッパーのドロップキックを、後頭部に諸で食らった黒ペッパーが、観客席の方まで大きく吹き飛ばされ、顔面から激突した衝撃で椅子達が爆砕されていく。

 

致命魂の首輪、致命魂の腕輪による高いステータスポイントの確保と、ウェザエモンとの戦闘を経た事で到達したスキルの更なる進化。バフの総数によって更なるダメージ増加が可能なスキルたる聖攣の神覇業なのだが、たった『3つのバフ』だけで凄まじい吹き飛ばしを繰り出せた。

 

此れが最大までバフを乗せたなら、一体何れ程の威力に至るのか。そんな事を頭の片隅で考えていると、黒ペッパーが直ぐに立ち上がるや、ステージまでひとっ跳びで戻ってくる。

 

「良い一撃入ったが……やっぱりフードみたくなってるから、ダメージ軽減が入るか……!」

 

黒ペッパーがアクタスダッシュを起動させ、ドライブスローでギルフィードブレイカーをぶん投げ。ペッパーは適正眼下(ノリティア・アイザック)の自動回避で其の身を屈め、黒ペッパーの動きを視線で追い続ける。

 

バリストライダーの鋭角ターンを切って、ハイビートのブーストを受けて一気に加速する黒ペッパーに、ペッパーは戦神の心構え(モンチュ・レ・プライド)昇華(スタンバイ)天壱夢鳳(てんいむほう)を使用。

 

黒ペッパーがギルフィードブレイカーをキャッチし、ペッパーはヴァンラッシュブレイカーを逆手にスイッチ。ジェットアタックによる加速を乗せたダイナモインパクトと、全身全霊(フルドレイズ)でMPを対価+マシニクル・リブラで動体視力を強化し、ニトロスマッシュとコラプションスマッシャーで対抗する。

 

至近距離で発した衝撃波で、互いにフードがはだけながらも、パリィし合った小鎚を上に放り投げ。黒ペッパーが剛撃+ラッシュ、ペッパーがピッキングアーマー+クリティカルメナス、更に拳乱夕立(けんらんゆうだち)で殴り合う。

 

「オラオラオラオラァァァァァ!!!」

『………………………━━━━!!!』

 

拳と拳がぶつかり、互いに距離を取る。だが、今のペッパーには黒ペッパーに無い、攻撃手段を持っている。ワンスフリップより始まり、セブンスに至った回転蹴りスキル。進化により選択可能として提示された、二つのスキルである『サイクロンセイル』と『トルネードレッグス』。

 

前者はスタミナが尽きるまで、連続蹴りを繰り出せる脚バージョンの『獣鏖無尽(じゅうおうむじん)』。後者は凄まじい速度の蹴りを放つが、其の真髄(・・)は其処に有らず。此のスキルは他の脚撃系スキルの影響を受けられるだけではなく、レベル1に付き━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

『!??!』

「今の俺の攻撃は、其処まで届くッ!」

 

 

 

 

 

 

 

一回の衝撃波を飛ばす遠距離攻撃スキル(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)になるのだ。メタルレッグスによる硬化、デュアルリンクによる強化。そして凄まじい威力を持つが、『使用したスキルが多い程』に、攻撃速度と威力と相手への昏倒や気絶に脱力と言った、様々なデバフが付与される『破戒神の舞脚(カルナダーハ・シヴァ)』。

 

甲皇帝戦脚(エクスパイド.ウォーレッグ)の爪先に使用されたクアッドビートルの角より放たれ、様々なバフスキルにより強化された敏捷と筋力を以て放たれた、『刺突属性』を宿した衝撃波が、愉快合羽を纏った黒ペッパーの腹部に直撃。破戒の神の名を賜りし脚撃が炸裂し、大きく後ろへ吹き飛ばす。

 

同時に響くは、クライマックスを告げる歌声。

 

協奏曲(コンチェルト)終幕(フィナーレ)へ至る……勇者は巨獣を打ち倒した。放たれるは全てを捧げる一投、全力を駆ける意思は致命の鎚と共に、打ち破りし後頭に引導を渡す………』

「良いぜ、再現してやる……!」

 

ライブスタイド・デストロブスターを仕留めた時、其の時はペンシルゴンとアイトゥイルとパーティーを組んでいた。其の場合、該当スキルは有るが、問題はどうやって其処まで持っていくか………そう思った直後、真横を猛スピードで通り過ぎる『黒い一本の槍』が見えて、黒ペッパーの喉に深々と突き刺さった。

 

「えっ!?あ、其処等辺はそっちが再現するタイプなのかよ!?」

 

ウツロウミカガミ→乾坤一擲(けんこんいってき)全力開速(フルスロットル)の順でソロ再現しようとした矢先の出来事だったため、一瞬反応が遅れはしたが誤差の範囲内、何とか修正出来る。

 

驚雷羅刹(きょくらいらせつ)全進開速(フルスロットル)の起動で加速し、槍が刺さった衝撃で硬直した黒ペッパーを抜き去り、クイックスピンで方向転換。ヴァンラッシュブレイカーを兎月(とつき)暁天(ぎょうてん)】にスイッチし、破天爽駆(はてんそうく)で更なる加速。

 

そして━━━━━━━

 

冥土神の裁き(ヘカーティエ・ジャッジメント)!!!」

 

地殻を叩き砕き、対巨竜規模(・・・・・)にまで到達した、鎚武器攻撃スキルが黒ペッパーの後頭部を直撃。其の瞬間構築された劇場と観客席が、音を立てて崩壊を始め。

 

「ペッパーはーん!ペッパーはーん!」

「ペッパーや、よう頑張ったのぉ」

 

レッドカーペットのスロープにより、アイトゥイルとポポンガがペッパーに合流。同時に聞こえるは、昨日と同じように戦いの閉幕を告げる歌声だった。

 

『勇者は再び力を示した。………光を、輝きを、そして強さを。影は貴方を見ています……どうかまた、貴方の魂の歌を……奏でて、繋いで………』

 

襲われる倦怠感と脱力感、そして遠退く己の意識。ブラックアウト直前、ペッパーが目撃したのはあの時と同じ、リザルト画面だった……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『勇者は影法師の試練を越えた』

『魂の音色は紡ぎ、次へ至る………』

『ユニーククエストEX【七星の皇鎧よ、我が元に集え】が進行しました』

『全ての歌を歌う時、影法師の愉快合羽は己の身より離れる』

『残された歌は━━━━━━━二つ』

 

 

 

 

 

 






決着と試練をまた一つ越えて


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