新たな出逢い
※作者様の除夜ゲロにて神秘:星の能力が明かされたので変更します
終点と港の街・フィフティシア。
シャンフロ・第15の街にして、此の大陸を統治する『エインヴルス王国』の終わりの街として知られ、サードレマから分かれた三つのルートを通り、幾多の難関を越えた
ルートは異なれど、此処まで辿り着いたプレイヤー達のレベルは軒並み高い上、其の殆どがレベル80後半から90台前半に至っており、差異は有れども皆強い者ばかり。
そして
「Animaliaさん、SOHO-ZONEさん、マッシブダイナマイトさん、レーザーカジキさん。今日は此方の呼び掛けに答えて下さり、本当にありがとうございました」
「アイトゥイルちゃんを堪能出来たし、ペッパーさんの実力を間近で見れて良かったわ。レーザーカジキさんを良くしてくれて、ありがとうね」
「何か新しい武器が見付かったら、是非とも声を掛けて下さい。価値に見合う金額や報酬を提示します」
「良い経験になったわぁ~♪」
「と、とても楽しかったです…!ありがとう、ございました…!」
フィフティシアの街に入り、パーティーを組んだトッププレイヤーに御礼を言いつつ、パーティーを解消して街を歩く。
此れからの予定を聞いた所、Animaliaとレーザーカジキは宿屋でセーブとログアウト、マッシブダイナマイトはクラン:
そしてやはりと言うか、当たり前と言うか。高レベルプレイヤーの一団が、其れもシャンフロをプレイする者からすれば、名の知れたプレイヤーが行動を共にしている状況は、良くも悪くも目立つ物であり。
「マッシブダイナマイトさんだ……!」
「園長に武器狂い、あと廃人狩りまで居る……」
「名無しプレイヤー誰だよ……」
往来する他のプレイヤーのざわめき声を耳にして、一向は足早に其の場を離れ、街の裏路地へと入る。
「やっぱり昼間だと目立つなぁ、此のコート……」
「色々目立ってるからねぇ、ペッパー君」
「ウフフフ、有名になると大変ねぇ~」
「ん………?」
其の老人は立派な白い髭を蓄えており、涅槃に至った様に腕を広げ。顔までスッポリとローブで覆い隠し、不思議な紋様を背中に背負い、質素な絨毯に座っている。
「ペッパー君、どうしたの?」
「あの御爺さん、誰なんだろうって」
ペッパーが指差す先を見た他のメンバーも、其の老人に気付いて慎重に近付いて行き。其の老人は突然喋り始めた。
『強きに至りし者よ……。
「神秘?何ですかソレ?」
『強きに至りし者よ……。汝が神秘を、覚醒してしんぜよう……』
「あ、昔のレトロゲームのNPCみたいな奴か」
何度話掛けても、同じ会話しか繰り返さないタイプだと判断したペッパーは首を傾げ、同時にローブで見えていない其の老人の視線が、Animalia・SOHO-ZONE・ペンシルゴン・マッシブダイナマイトの四人に注がれているのに気付く。
「此のおじいちゃん、さっきから同じ事しか言わないねぇ?ボケてるのかな?」
「辛辣だなオイ……。どうもペンシルゴンとSOHO-ZONEさん、其れとAnimaliaさんにマッシブダイナマイトさんが関係してるみたい」
「えっ、そうなの?」
「あら、私も?」
「自分も……ですか」
「まぁまぁ……」
神秘と言う気になるワードを放つ、老人が起こしたイベント。誰が先にやるか、水面下での視線の送り合いの末、先陣を切ったのはSOHO-ZONEだった。
「どうも、よろしくお願い致します」
『強きに至りし者よ……。汝が神秘を、覚醒してしんぜよう……』
絨毯に座り、声を掛けた其の直後。SOHO-ZONEと老人を包むように、絨毯が展開してドーム状に二人を覆い隠した。
「あわわ……!どどどど、どうしよう……!」
「落ち着きなさい、レーザーカジキさん。此れは一種の演出よ、慌てない慌てない」
パニックになるレーザーカジキをAnimaliaが静めていると、蓮の華が開くように絨毯が元に戻り、手に『1枚のカード』を掴んだSOHO-ZONEと、老人が現れる。
「何が起きました、SOHO-ZONEさん?」
「簡単に述べると『
SOHO-ZONE曰く、どうやら此の老人は『覚醒の導師アーカナム』と呼ばれ、プレイヤーに対してサブ職業限定ながら、アイテム状の新しい職業を与えてくれるユニークNPCであり、其れがタロットカードの大アルカナたる22種に関係する物なのだとか。
そして【
「サブ職業限定ねぇ……じゃあ、私もやってみようかしら」
SOHO-ZONEが手にした神秘が気になるAnimaliaは、自分は何れに成るのか確かめるべく絨毯に座り、先と同じく絨毯のドームに包まれて。数分後に出て来た彼女の手にも同様、タロットカードが握られていた。
「あ、あの……神秘は、何でした……か?」
「私は『
つまり神秘と言う特殊な職業は、プレイヤーにハイリスクハイリターンの恩恵を与える物で有り、其の能力も大アルカナに由来する物だと解る。
「ふぅーん………。なら私も試してみるか」
SOHO-ZONEとAnimaliaに続き、ペンシルゴンも神秘チャレンジをおこなって。数分後に出てきた彼女の手には、前の二人と同じくタロットカードが握られていた。
「で、ペンシルゴン。神秘は何だった?」
「私は『
「弱い者虐めせず、ジャイアントキリングしろって事かな?」
廃人狩りの名で知れ渡っていた、ペンシルゴンにある意味でピッタリな神秘だろう。そして最後にマッシブダイナマイトがアーカナムの前に座り、数分後に出てきたのだがタロットカードが握られていなかった。
「あれ、マッシブダイナマイトさん。タロットカードは?」
「其れが神秘を選んだら、身体の中に吸い込まれちゃってねぇ。あら、でも外せるみたいよぉ」
そうして掌に納めたタロットを見て、マッシブダイナマイトは自分が手にした神秘を説明する。
「私のは『
「まぁた極端と言うか、強烈な神秘な事で……」
戦車は筋力と敏捷を高め、力は影響を与え。太陽は昼間に恩智をもたらし、隠者はスキル習得に影響を及ぼす。確かに極端なメリットデメリットを抱えているが、使いこなす事が出来れば面白い能力ばかり。
そうして一仕事終えてか、覚醒の導師アーカナムは絨毯に包まれて、一瞬で其の場から消えたのだった。
「………取り敢えず、本日はありがとうございました!」
対象メンバーの神秘チャレンジ終了と、ペッパーの言葉を皮切りとして、パーティーは此処にて御開きとなり、皆目的地に向かって歩みを進める。
一期一会か運命の巡り合わせが有るならば、開拓者達は再び集い、手を取り合って困難を乗り越えるだろう………。
各々の手にした神秘