カッツォがもたらした物
「なぁーーーーんで、サードレマの上空を走ってた時の映像が撮られてるんですかねぇ……………」
梓流サーモン刺身膳を作り終えて、夕食タイムに入ろうとした矢先にブシカッツォ━━━━日本最強クラスのプロゲーマー・
「いや、問題は其所じゃないな………。問題は何で『
格ゲー界隈━━━否、プロゲーマーの界隈で彼女の事を知らない人間は、唯の一人として存在しない。何せ彼女は、超と超に超が付くレベルの超有名人である。
シルヴィア・ゴールドバーグ。アメリカで最強の格闘ゲーマーは誰か?という質問に対し、全員が『先ずは彼女━━━シルヴィア・ゴールドバーグだろう』と声を揃えて言い切る程だ。そんな彼女の伝説的な偉業を話すには、彼女の名が初めて公の場に出て其の名を世界に知ら占めるに至った『五年前のとある格ゲー大会における、アマチュア部門での戦い』が話に上がる事が多い。
トーナメント形式であった大会において、無名だった彼女は『全試合ノーダメージパーフェクト勝利』という、有り得ないような結果と共に、優勝とトロフィーを手にし。続くエキシビションマッチに至っては『当時のアメリカプロゲーマー内でもトップクラスの実力者を相手に、3ラウンド方式下で2ラウンドを
大会後、シルヴィア・ゴールドバーグは其の場で、大手マルチプロゲーミングチーム【
「さてと………どう返すか」
刺身を食し、白米を含みながら思考を巡らせる。正直に言ってしまえば、此のメールは非常に
「はぁ…………」
願わくは、どうか穏便に事が済みます様に。淡い願いを神頼みしながらも梓は、食事を終えてブシカッツォへとメールを返すのだった……。
其の時の一連の流れが此れである。
件名:Reお前何やらかした?
from:A-Z
to:ブシカッツォ
よぉ、ブシカッツォ。さっきの画像のプレイヤーは俺だが、何で全米一位が来日してるの?どうゆうこっちゃ?
件名:お前かあああああああ!
from:ブシカッツォ
to:A-Z
お前かぁぁぁぁぁぁぁ!!お前かあああああああ!!なにやってんだお前ええええええええ!!!
件名:Reお前かあああああああ!
from:A-Z
to:ブシカッツォ
いやまて、此れには深い訳がある。理由を述べるなら、サードレマでパーフェクトステルスのスキルを使った、一撃必殺っぽいビルドのプレイヤーキラーに襲われてさ。其れから逃げる為に、使えるスキルを全力で点火して逃げたんだよ。
空中ダッシュすれば地上よりも、ずっと逃げれる領域と選択肢が広がるかなと思いましてね。
件名:ReReお前かあああああああ!
from:ブシカッツォ
to:A-Z
えっ、マジ?此のゲーム、パーフェクトステルスアタック可能なの?
いやそんな事より、お前かぁ…………お前だったかぁ…………まぁじかぁ………。
件名:ReReReお前かあああああああ!
from:A-Z
to:ブシカッツォ
先に断って置くが、住所特定からの全米一位突撃は止めろよ。絶対やるなよ?………って言ってもやるんだろうな?お前なら確実に。
件名:何故バレたし
from:ブシカッツォ
to:A-Z
テレパシーかよ、こっわ………宇宙人の親戚か何かですか?
件名:Re何故バレたし
from:A-Z
to:ブシカッツォ
誰が宇宙人の親戚だよ。俺は至って普通の人間なんだが?????
件名:ReRe何故バレたし
from:ブシカッツォ
to:A-Z
日本最強クラスのプロゲーマー相手に思考で読み勝って、レトロゲームとはいえ勝率五割強で勝ち越し決めてる奴を、世間やプロは普通とは言わないんだよねぇ。
自分が普通じゃないって事、もうちょっと自覚したらどうなんですぅ~~~~?????
件名:ReReRe何故バレたし
from:A-Z
to:ブシカッツォ
いや、誰だって努力すれば何とかなるでしょ。将棋とかチェスとかのそうゆうレトロゲームも有るわけだし、プレイしてれば何れ其れくらい余裕だって。
んで、本題は?ブシカッツォは俺に何をして欲しい訳だよ?
件名:よくぞ聞いてくれた
from:ブシカッツォ
to:A-Z
端的に説明すると、お前に大好評発売中のVRゲーム『ギャラクシーヒーローズ:バースト』でシルヴィア・ゴールドバーグと対戦して欲しい。
尚公平を期す為、両者のヘッドギアは最新鋭の同型の物を用意するし、A-Z君にはギャラクシーヒーローズ:バーストのソフトもプレゼント致しますので、泣いて喜べ。
因みに対戦内容だが…………シルヴィアからのオーダーで、お前にミーティアスを使ってくれとさ。リアルミーティアス直々の御指名だから、心してOKするように。
件名:いや何も良くないよね?
from:A-Z
to:ブシカッツォ
相手のホームグラウンドで勝負+触ったことすらないゲーム+全米一位の最も得意とするキャラクターに挑めとか、レトロゲームにある負けイベントじゃねーか!?
試運転無しのぶっつけ本番は、流石に無茶と無謀が過ぎるだろうが!?
件名:Reいや何も良くないよね?
from:ブシカッツォ
to:A-Z
うるさい!此方は全米一位に家凸された挙げ句、アイツ隣の部屋を賃貸したから、もうリアルがゴタゴタ確定になったんだよ!此の一件はお前が原因作ったんだから、責任以てぶちのめされて来い!
其れとヘッドギアとソフトは今日中に届く&今から4日後の午後8時にバーストのゲーム内に専用部屋作るから、其所に行きな!!
【部屋ID///~~~~】
「マァジカヨォ……………」
メールを見ながら、事態がとんでもない方向に進んでいた事実に震えていると、インターホンが鳴り響く。まさかと思いながら応答すると、黒猫マークの宅急便会社の配達員のお兄さんが立っていた。
「お届け物でーす」
「アッハイ、えっと………どちら様からですか?」
「あ、送り主様ですね?送り主は【
電脳大隊━━━━━━━其れは日本最大級のマルチプロゲーミングチームの事であり、格ゲーやFPSにレーシング等々、担当する部門事にチーム分けがされている程だ。
其れを受け取るという事は、自動的に電脳大隊のスカウトを受けるという意味に等しく、まさに『地獄への片道切符』と同義である。
「マァ………イロイロト」
「そうでしたか。では、指紋認証かサインを」
「アッハイ」
右手人差し指で指紋認証を行い、荷物を受け取った梓はスマフォを手に取って、ブシカッツォにメールを送る。
件名:おいどーゆーことだ????
from:A-Z
to:ブシカッツォ
オイゴラ、ブシカッツォ。電脳大隊からの荷物とか、プロチームにスカウトするつもりか?入らんからな?俺絶ッッッッッッ対に入らんからな?
件名:Reおいどーゆーことだ????
from:ブシカッツォ
to:A-Z
まぁまぁ落ち着けって。実はビルディファイトで俺との対戦動画を、ウチのトップが偶々目にしたらしくてね。曰く『コイツの思考深度なら、間違い無く世界にも通用する』との事らしくてさ。
そういう訳なんで頑張れ。因みにギャラクシーヒーローズ:バーストの試合、俺やウチのトップもシークレット観戦するから精々ヘマしないようにな?
「クソッタレがよぉ…………!」
完全に外堀も埋められてしまい、逃げられぬ運命が定まった状況に梓は頭を抱える事となり。一先ずバイトと大学講義の日時を確認して、用意可能な総プレイ時間を脳内計算で弾き出し。
一分一秒でもゲームシステムと仕様に慣れるべく、届いたばかりの最新型VRヘッドギアに同梱された、ギャラクシーヒーローズ:バーストのソフトを挿入、来るリアルミーティアスとの戦いに備えて、準備を始めたのだった…………。
リアルミーティアスに挑め