此所からが本番
「クラン:旅狼は『ユニークモンスターに由来、もしくは模倣した一式装備を探せる』━━━━━そんな『ユニークシナリオを受注している』…………違うかね?」
やっぱり
(ヤバいな……真理書を見てた時から、既に
そんなペッパーとは裏腹に、ペンシルゴンは笑う。此所からは私の
「流石だね、考察クランのリーダー。そう……私達の隠している手札の中には『天将王装』と同じく、
『誰が』『何時』『何処で』受注したかは語らない。話の中で相手から情報を引き出す為、ペンシルゴンの滑舌が唸る。
「其の人曰く『下手に開示したり使用すると、他のプレイヤーから追及される危険が有るから、取り扱いに気を付けろ』との事。そして其れは今、此の瞬間に話を聞いた『ライブラリの皆様方も同様に』ね?あ、後下手したら『クラン:
やりやがった、やりやがったよペンシルゴン。ライブラリが肩を持つと言う、先制の豪速球による手札に対し、後手からエグいホームランクラスの一撃を、カウンターで叩き付けやがった。
クラン:旅狼の肩を持つ上に、手助けをすると宣言した手前、下手をすればクランメンバーが全員蒸発するという『脅し』を掛けたのだ。もし其れが発覚すればクランの威信にも関わる、大きな『傷』になるのは必然的であり、様々な繋がりが断絶する危険も孕む事になる。
「………フフフ……ハハハハハハ!やれやれ、此れは一本取られたよ。成程成程………其れは我々としても『非常に困る』な」
「此方も天将王装っていう『切札』を切ったんだ、タダでは引き下がらないんだよねぇ?」
「真理書提示の時点で、五億マーニを取った口でよく言うよ……」
楽しそうなペンシルゴンを見ながら、そう呟くペッパー。そうしてキョージュは、ペッパーとペンシルゴンに向け、こう言ってきた。
「良かろう、此方もクラン:旅狼に『とっておきの情報』を渡そう。とは言っても、其の情報はまだまだ不透明な部分も多く、『確約』出来る━━━━と言う訳では無いのだがね?」
考察クランが一体何を提示するのか、ペッパーは身構え、ペンシルゴンが余裕を崩さぬ中で、キョージュは己の言葉を以て『其れ』を伝えたのである。
「此れは『
荒ぶる蛇神………其の情報を聞いた時、ペッパーは『
と、コートの中に居るアイトゥイルが震え、飛び出さんとしているので、ペッパーは彼女をコートの上から彼女を撫でつつ宥め、ライブラリを相手に余計な詮索をされる訳にはいかないと、言葉を放つ。
「荒ぶる蛇神、ですか?」
「そう。様々な文献に記載された其の蛇が、君達に渡す情報だ。ある文献には『此の世界に存在する蛇型のモンスター達は、荒ぶる蛇神より産まれた』。他には『其の蛇より分かたれ、形を変え、そして
「そして」とキョージュは、ペッパーとペンシルゴンに其の存在を言葉を以て示した。
「様々な文献に記載されていた、其の蛇神こそ………『
ヴォーパルバニーの宿敵であり、ペッパーのコンビを組む風来黒兎たるアイトゥイルの友を殺した仇敵、そして七つの最強種の一角の存在が、ペッパーとペンシルゴンに伝えられた。
「無尽のゴルドゥニーネ…………蛇のユニークモンスター、か」
「うむ……跳梁跋扈の森のエリアボスに『貪食の大蛇』が居るが、アレもゴルドゥニーネから派生した存在なのだとか」
思い返してみれば、貪食の大蛇は蛇でありながらも、頭部と尻尾に『女性』を思わせる白髪が生えていた。
「つまりゴルドゥニーネは、性別が『雌』である可能性が高い……と?」
「おそらくだかね。そしてゴルドゥニーネに由来もしくは模倣した一式装備は、先程の天将王装に関するペッパー君の発言から、間違いなく『女性用装備』であると予想出来る」
天覇のジークヴルム・墓守のウェザエモンが『男性』、冥響のオルケストラ・夜襲のリュカオーン・無尽のゴルドゥニーネが『女性』と考えるなら、仮にヴァイスアッシュがユニークモンスターであれば、其の一式装備は『男性用』として見て良いだろう。
問題なのは『深淵のクターニッド』であり、其の一式装備が男性か女性かによって、男性と女性の纏える一式装備の『総数』が決定する事になる。
「ただ厄介なのは、一式装備が『性別限定装備』であると言う所でね……。あの様にクランメンバーも、着れないと嘆き叫んでいる」
「実際此れを見付けた仲間の一人が、男性用装備だと知って絶望していましたし。な、ペンシルゴン?」
「うんうん、アレは正直笑った……じゃなくて凄惨だったもの」
そう考えると、アバターと異なる性別の一式装備を纏う場合、何かしらの方法で『性別変更』が必要になるわけだが、其の『方法』が見付からなくては話にならないのは明白だった。
「もしも━━━━━俺達『クラン:旅狼』が性別を変えられる方法を見付けたら、其の重要度にもよりますけど、ペンシルゴンに言っていただければ、『交渉』と言う形で御話も致しますが?」
「ほほう………其れは僥倖だ」
交渉面での話し合いに持っていけば、ペンシルゴンが得意とする領分での戦いが出来る。フフン♪と悪い笑顔を浮かべた彼女を横目に、ペッパーとキョージュは握手を以て話し合いを締結。
そしてペッパーは天将王装を『見る』という条件で、ライブラリに開放し、キョージュも含めて閲覧会が始まって。日本に上陸したパンダに、ガラス越しで群がった日本人の様に、ライブラリの面々から360度見られる事となって。
途中、ペッパーは彼等彼女等からの一式装備に関する質問攻めに逢いながら、午後八時に漸くペンシルゴン共々解放される事となったのである………。
6体目のユニークモンスター