VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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会談を終えて




勇者は往く、約束の武器を創る為

「やぁぁぁぁと、終わったぁ…………」

「お疲れ様、あーくん」

 

午後八時、ライブラリとの会談を終えてゲッソリ気味に成りながらも、何とか山場を乗りきったペッパーはペンシルゴンと共にエイドルトの裏路地に着く。

 

「今回のオハナシで、ライブラリから『ユニークモンスターの情報』と『後ろ楯の太鼓判』を頂いたからねぇ………。ンフフフ、充分な成果と言えるでしょう♪」

「大手のクランが味方として、今後付いてくれるのはありがたいな」

 

実際ライブラリも幅広く情報は開示するものの、天将王装の様にワンオフのユニーク一式装備の様に、戦争を引き起こし得る存在の秘匿はクランメンバー全員が了承する等、本当に厳重だった。

 

「さてさて、あーくん。私はそろそろログアウトするけど、フリーの日が出来たら『花のクエスト』やらない?」

 

以前ペンシルゴンが言っていた、トワセツナなる花を得る為のクエストの存在を、ペッパーは彼女から知らされている。

 

「良いよ。空いてる日が判ったら連絡入れる」

「うん。楽しみにしてるよ♪」

 

そう言ってペンシルゴンは裏路地の闇に消えて行き、ペッパーも裏路地をある程度移動した後、周囲確認と共にアイトゥイルが開いたゲートを潜り抜け、兎御殿に帰還したのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兎御殿に帰還後、休憩室にてリスポーン地点を再設定したペッパーは、其の足でビィラックの居る鍛冶場へと移動すると、其所にはサンラクとエムル、そしてビィラックの姿が在った。

 

そして彼の両手には、右手には巨大な金の針の籠手と左手には水晶柱の籠手が握られている。どうやらビィラックが、水晶群蠍(クリスタル.スコーピオン)金晶独蠍(ゴールディ.スコーピオン)の素材を使った甦機装(リ.レガシーウェポン)を完成させたらしい。

 

「やぁ、サンラク。こんばんわ」

「おぉ、ペッパーか。見ろよコレ、スゲーだろ?」

「でっか……サンラクや俺の背丈くらい有るだろ、其の籠手。……いや、スゲェな………」

 

ニヤニヤニマニマと自慢してくるサンラク。其れは其れとして、武器自体の完成度は凄まじいの一言であり、出来栄えも抜群。間違い無く、今のビィラックの最高傑作と言える逸品だ。

 

「コイツの名は『煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)』!今のわちが作った最高傑作の『一つ』じゃけ。そしてサンラクよ、ワリャが頼んどいた『もう一つ』も此処で御披露目と行こうか!」

「お、マジで!?」

「もう一つ?」

 

そう言ってビィラックが取り出したのは、金晶独蠍の尾をベースとして使用した、煌蠍の籠手の1.5倍のリーチを持った『大剣』であり。

 

其の剣の鋒には水晶群蠍の『針』を、持ち手部分たるナックルガードには金晶独蠍の『下鋏』を加工した物が取り付けられ、全体像は『蛇腹剣』にも見える。

 

「金晶独蠍の尾を中心として用い、煌蠍の籠手と同時並行で作り上げた甦機装!其の名を………『煌蠍の尾鞭剣(ギルタ・アドラスカ)』じゃあ!!!」

『おぉーーーーーーー!!!!』

 

一回り大きな煌蠍の尾鞭剣に、サンラク・ペッパー共に声を上げた。見た目はどっしりと重量を持ちながらも、両手で振るあば鞭の様に撓り、敵を叩き斬る破壊力を秘めているかのようである。

 

「こりゃスゲェ……!!此れが頼んでた、もう一個の武器か!?てかデッケェ………!!」

「其の通りじゃ、ワリャが『格闘用の籠手(ガンドレット)』と『両手で扱える大剣』が欲しいと言っとったからの!どちらも細部に渡って拘っちょるし、神代の技術を組み込む事で凄まじい『仕掛け』を施した。何せ二つの武器は持ち主の『声』を利用する事━━━━」

「あー悪いが、ビィラック。後は実戦含めて使用感を確認するから良いや!良い仕事ありがとよ!」

 

ビィラックの説明が聞こえる中、煌蠍の籠手と煌蠍の尾鞭剣を自身のインベントリに収納し、鍛冶場から出立するサンラク。

 

「な、製作秘話を聞かんのか!?」

「其れに関しちゃペッパーが聞くってよ!エムル、エイドルトまでゲート頼むわ!」

「え"っ!?ちょ、サンラク!?」

「まぁたオトモダチのお家ですわ、サンラクさん……」

 

流れるようにペッパーを囮に、エムルを肩に乗せて悠々と走り去ったサンラク。其れを見て怒りと共に、プルプルと震え出したビィラックに、ペッパーは「あ、あのぉ………話、聞きますから……」と、何とか怒りを鎮めんとするも。

 

『そいつらがどんだけ凄いもんか解っちょらんじゃろ、おどりゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』

 

兎御殿全域に響く彼女の怒号に、ペッパーとコートの中に居たアイトゥイルは、思いっきり引っくり返る事となり、そしてビィラックの製作秘話を一時間に渡って聞く事になったのだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神代の技術………かぁ」

「ビィラック姉さん、語ってる時の目がキラキラしてたのさ。余程聞いて貰えたのが、嬉しいようなのさ……」

 

煌蠍の籠手及び煌蠍の尾鞭剣の話を聞き終え、ビィラックから修繕依頼を出していた武器達を受け取ったペッパーは現在、アイトゥイルと共にサードレマの裏路地に来ていた。

 

「アイトゥイル、行ってくるね」

「うん、気を付けてなのさ」

 

ペッパーが此所に来た理由は唯一つ。ユニーククエスト【インパクト・オブ・ザ・ワールド】の進行と共に解放され、ティラネードギラファ・カイゼリオンコーカサスの双皇甲虫と戦えるクエスト【風雷の挑戦状:強者よ、双皇樹に来たれ】を受注、彼等の素材を用いた甦機装をビィラックに作って貰い、其の上でユニーククエストの第五段階に望む為である。

 

何より決定的になったのは、煌蠍の籠手と煌蠍の尾鞭剣の二種を拝見した事で、弩弓剣(アーチブレイド)よりも先に作っておかねば!と、決意したからに他ならないのだが。

 

サードレマの裏路地を駆け抜け、千紫万紅の樹海窟を走り抜け、ティラネードギラファとカイゼリオンコーカサスの待つ、月光の光差し込み神秘の気配漂う、双皇樹の入口までやって来た。コロシアム状のバトルフィールドを見れば、全米一位との戦いを思い出すものの、アレはアレで此所は此所だと割り切り、中へ入ろうとする。

 

と、目の前にクエストの受注画面が表示。ユニーククエスト第三段階クリアと共に追加された、クエストのタイトルと同じ【風雷の挑戦状:強者よ、双皇樹に来たれ】だ。迷い無くYesボタンをタッチして、入場すると雷と風で出来たフェンスが退路を塞ぎ、双皇樹から声が響く。

 

『此所ニ……何ヲシニ、来タ!』

『今スグニ、立チ………去レ!』

 

神代の遺産たるレディアント・ソルレイアの輝きを刮目し、消えてしまった双皇甲虫達を思い出す。見上げれば彼等と同じサイズを誇る、颶風の申し子たる翡翠色のギラファノコギリクワガタたる『ティラネードギラファ』と、雷嵐の申し子たる黒黄金色のコーカサスオオカブトたる『カイゼリオンコーカサス』の二体が羽を羽ばたかせて降りてきた。

 

「会いたかったぜ、ティラネードギラファ!カイゼリオンコーカサス!」

 

故郷で出逢い友となった親友と、数年振りに再会した感動の様な感情と共に、ペッパーは双皇甲虫に言葉を発し、インベントリから兎月(とつき)暁天(ぎょうてん)】を取り出して。

 

『!夜ノ帝王ヨリ、呪イ……受ケシ者…!』

『貴様ハ、強キ………者!』

 

右手に刻まれた呪い(マーキング)に反応して、双皇甲虫達が言葉を紡ぐ。そして………

 

『我ハ、颶風の申し子!ティラネードギラファ!』

『我ハ、雷嵐の申し子!カイゼリオンコーカサス!』

『『強キ者ヨ、我等ニ其ノ力ヲ……示セ!!』』

「やってやる!俺の実力、確りと刮目せよ!双皇甲虫達!!」

 

バフスキルを乗せて、ペッパーは双皇甲虫達に立ち向かう。全てはビィラックに彼等の素材を用いた、甦機装を作って貰う為に。

 

 

 

 

 






甦機装の為、勇者は双皇甲虫と戦う








煌蠍の尾鞭剣(ギルタ・アドラスカ)

正式名称:甦機装(リ.レガシーウェポン)ビィラック・煌蠍の尾鞭剣(ギルタ・アドラスカ)。金晶独蠍の尾をベースとして、煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)と共に開発されたもう一つの甦機装であり、蛇腹剣。

月光を浴びる事で自己修復を行った特性を活かし、月光から得た魔力を蓄積して、武器の切味と耐久値を回復する『修繕せよ(Repairing up)』を始め、剣身から晶刃(クリスタブレイド)を産み出し、切断能力を高める『研磨せよ(Sanding up)』の他、蛇腹剣特有の伸縮効果を持つ。

要求ステータスは筋力150 技量100 スタミナ130


モチーフは『BLEACH』で同時する斬魄刀の一つ『蛇尾丸』。



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