VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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秋津茜の御挨拶




三人合流、大兎との謁見

便秘にて出逢った『ドラゴンフライ』━━━━━此のシャンフロでは『秋津茜(アキツアカネ)』と名乗る彼女は、ユニークシナリオ【兎の国の招待】を受注し、此の兎御殿へとやって来た。

 

不思議な巡り合わせもあるものだと思っていると、秋津茜がペッパーに質問してくる。

 

「ペッパーさん、此の兎御殿に一番最初に来たんですか?」

「あ、あぁ。そうだけど……。秋津茜はジークヴルムさんと戦って、顔に呪いを?」

「はい!とっても強くて、何とかジークヴルムさんの『逆鱗』に攻撃を当てたのですけど、焼き払われてしまいまして………目覚めたら顔に『呪い(マーキング)』が付いてました!」

 

紛れか実力か、何にせよ新たにユニークシナリオの受注者が現れた以上、サンラクにも大至急伝えなくてはならない。

 

「あ~……秋津茜。此のユニークシナリオと兎御殿の事を、他のプレイヤーには出来るだけ内緒にする事って出来ないかな?理由としては、此のシナリオ━━━俺と『もう一人』そして秋津茜以外に受注者が居ない、とても希少な物なんだ。協力してくれるかい?」

「はい!解りました!」

「いや、即決かい」

 

彼女を守る為、サンラクと交わした秘匿同盟の為、秋津茜に進言するペッパーに、目を輝かせながら言った彼女に彼は困惑した。秘匿同盟に基づき、ペッパーはサンラクにEメールで連絡を入れる。

 

 

 

 

件名:緊急速報

from:ペッパー

to:サンラク

 

 

サンラク、大至急シャンフロにログインして下さい。俺とサンラク以外で『ユニークシナリオ【兎の国の招待】』を受注したプレイヤーが現れた。

 

プレイヤー名は秋津茜、俺とサンラクとカッツォが便秘で出逢った、ドラゴンフライで名乗ってるプレイヤー。

 

今、兎御殿で待機させてるから、会いに来て欲しい。其れから彼女をクラン:旅狼に加えたいと考えてるので、1プレイヤーであるサンラクの意見が聞きたい。

 

 

 

 

件名:Re緊急速報

from:サンラク

to:ペッパー

 

マジか!?解った、直ぐ入るわ!!あとスカウトするなら賛成、情報秘匿するなら自分の所に引き来んじまえば、実質秘匿になるからな!

 

 

 

 

 

「サンラクさん!もしかして、便秘のサンラクさんですか!?」

「お、おぅ……いやマジかドラゴンフライなのか、秋津茜」

「はい!秋津茜です!よろしくお願いします!」

 

数分後、ログインしたサンラクと秋津茜を引き合わせる事に成功したペッパーは、早速彼女に質問をした。

 

「えっと、秋津茜。君は今、何処かのクランに所属していたりする?もし所属していないなら、俺やサンラクが所属しているクラン:旅狼(ヴォルフガング)に入らないか?」

「えっ、良いんですか!わぁ、ありがとうございます!私、シャンフロでスカウトされたの初めてで!是非!!」

「「いや即決かよ」」

 

何と言うか此の娘から漂う感じは、ある種の後輩系ヒロインか何かかと、秋津茜というプレイヤーの雰囲気をペッパーとサンラクは抱いた。

 

「あ、サンラクさん!シークルゥおにーちゃん!アイトゥイルおねーちゃん!探したですわ!」

 

と、そんな時エムルが少し慌てた様子で走ってきたので、サンラクとペッパーは何事かと彼女に視線を向ける。

 

「おう、どーしたエムル?」

「サンラクさん!おとーちゃんが、サンラクさんを呼んでましたわ!あとアラミースさんが、サンラクさんに『例の物』が完成したので御届けに来たって言ってましたわ!」

「例の物?あ、もしかして『アクセサリー』か!?」

「はいな!」

 

数日か十数日前に、ビィラックがアラミースを通じてダルターニャに依頼して渡した、水晶巣崖(すいしょうそうがい)で掘り出した宝石達。どうやら其れを用いた品が出来上がったようだ。

 

「サンラク。先に先生に秋津茜を会わせてから、アクセサリーを受け取るって形には出来ないかな?」

「そうだな……焦ってる訳じゃないし、其れで行くか」

 

話の流れを決めて、エムルとシークルゥの案内を受けたペッパー・サンラク・秋津茜は兎御殿の廊下を歩いて行き、移動中にペッパーは秋津茜へ粗相が無いように気を付けてと、先達者としての意見を彼女に伝え。そうして三人と三羽は、ヴァイスアッシュが待つ謁見の間へとやって来た。

 

「頭。ジークヴルム殿との戦い、其の身に呪いを刻まれた強者を連れて参った」

「おぅ、シークルゥ。よくやったぁ……」

 

エムルとアイトゥイルが襖を開いた先、其処にはヴァイスアッシュが人参型の煙管で煙を吹かして座っていた。何時見ても彼からは凄まじい気迫が滲み出ており、此処からでも覇気が伝わってくる。

 

「おめぇさんかい。ジークヴルムと殺り合って、顔に印を刻まれたヤツぁ……。中々ヴォーパル魂が有るじゃねぇか」

「はい!ジークヴルムさんはすっごい強敵でした!」

 

ド直球に感想を述べた秋津茜に、「だろうなぁ………」と煙を吸い込み、ヴァイスアッシュは彼女を見つめながら言った。

 

俺等(オイラ)は此のラビッツで頭ァ張ってる、ヴァイスアッシュってもんだ。もし、おめぇさんが望むなら俺等直々に鍛えてやっても良いがぁ………どうする?」

 

問題は此処からだ。自分は緊張によって選択肢をミスったが、サンラクは舎弟としてパーフェクトコミュニケーションを成し遂げ、現在に至っている。

 

ヴァイスアッシュからの問い掛けに対する秋津茜の答えは、畳に正座した後に「よろしくお願いします!師匠!」と述べて。

 

其れを聞いたヴァイスアッシュは、微笑の後に「おぅ、おめぇさんは今日から弟子だぁ」と述べて、シークルゥに向けて言葉を発する。

 

「おぅ、シークルゥ。コイツの世話ァ、おめぇさんに任せるぜ?」

「ウム、承ったで御座る!」

 

一先ず気に入られた様で、やり取りを見ていたペッパーとサンラクは一安心し。そしてヴァイスアッシュは、自身の懐から致命魂(ヴォーパルだましい)首輪(くびわ)を放り投げ。まるで意思を持った様に、首輪は彼女に巻き付いた。

 

「わわっ!?コレは!?」

「弱者が強者に至るにゃあ、尋常成らざる苦難が必要だぁ。ヴォーパル魂を忘れるべからず!だ」

 

そして彼は入口でやり取りを見ていた、サンラクとペッパーの方を向いて言った。

 

「おぅ、サンラク。おめぇさんの客人が来てるぜ」

「エムルから話は聞きやした。何でも(くだん)のアクセサリーが出来た………と」

「あぁ。其のアクセサリーなんだが、当事者がおめぇさんに『話』をしたいってェ、言ってきてなぁ。おぅ、入ってくれや」

 

横の襖が開き、やって来たのは黒猫の猫妖精(ケット・シー)のアラミース、そして虎柄の毛並みをした猫妖精が現れた。

 

「アラミースさん、御久し振りです」

「おぉ、ペッパー殿にサンラク殿!御久し振りで御座います。………もしや、そちらの御方は『黄金の龍王』に挑んだ強者でありますか!?」

 

頭に乗せた帽子を外し、胸に当てながら御辞儀をしてきたアラミースと、もう一匹の猫。そしてアラミースは秋津茜の額にある呪いを見て、声を上げる。

 

「はい!ジークヴルムさんはすっごい強敵でした!」

「成程………!我が名はアラミース、以後御見知り置きを。そしてサンラク殿、此方にいらっしゃるのが我等キャッツェリアの誇る、最高の宝石匠(ジュエラー)『ダルニャータ』殿であらせられる」

「よろしくで……御座います………」

 

其のケット・シーことダルニャータは、何故か『怯えて』いた。其の理由を、俺達は此れから知る事になる…………。

 

 

 






彼は宝石匠


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