VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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最後の試練




魂の旋律(ウタ)を響かすは、己の揺るがぬ心であれ

ペッパーと黒ペッパー。四度目であり、最後の戦いである此の一戦は、ペッパーにとっては絶対に落としたくない戦いでもある。

 

「フッ!」

『………!』

 

左手に握る聖盾(せいじゅん)イーディスで、黒ペッパーの握る兎月(とつき)暁天(ぎょうてん)】を受け流し、振るわれる脚をグランシャリオで受け止めて。

 

黒ペッパーが右拳で繰り出したハンド・オブ・フォーチュンを、イーディスと共にプロテクト・スマッシュで迎え撃って弾き飛ばす。

 

だが、黒ペッパーも直ぐ様レディアント・ソルレイアに切り替えて、其の手に兎月【暁天】から黒鉄丸(くろがねまる)改九を握り。其れを納刀したまま、レーアドライヴ・アクセラレートを繰り出し、此方の死角に回り込んでくる。

 

「ッ!」

 

三天無双(さんてんむそう)護り手の献身(ソラティオン・エモニー)で己を強化。そして致命秘奥(ヴォーパルひおう)【サキガケルミゴコロ】を追加し、彼が見た未来は。

 

『自身が再現した疑似断風を囮に、レーアドライヴ・アクセラレートで移動、絶技(ぜつぎ)太陽両断(たいようりょうだん)】を偽装した咆進快速(フルスレイドル)の加速を行った黒ペッパーが、王斬儀顛(おうざんぎてん)鬼皇刃侵(きおうばしん)】で唐竹割りを繰り出し、真っ二つにする瞬間』だった。

 

「読み合い含めて、高度になってんなぁ!黒い俺ェ!!!」

 

影法師(黒いアバター)自分(アバター)を観ているとはよく言った物で、自分ならこうするだろう行動を越えてきた。繰り出された居合斬りは盾で対処。黒ペッパーが瞬間移動した所(レーアドライヴ・アクセラレート)を、此方は神謳万雷(しんおうばんらい)で距離を詰める。

 

スピードタイプの敵を殺す方法?簡単だ。動き出される前に、超至近距離での戦闘に持ち込めば良い。

 

「対抜刀術奥義━━━━━!」

 

グランシャリオを上空に投げ、アガートラム・ドュヨンペイル・タイフーンランペイジを起動。

 

アガートラムは自身の幸運を参照する拳撃スキルで、クリティカル判定が出ればダメージ補正が入り。

ドュヨンペイルは技量の数値を参照、ヒット時に状態異常を付与する打撃スキル。

タイフーンランペイジは筋力と敏捷を参照する格闘スキルだ。

 

幸運戦士のサンラクに比べれば、アガートラム自体の威力は天と地の差だが、ドュヨンペイルとタイフーンランペイジで補強して、彼方が握る刀の柄を殴り飛ばせるなら、十分な火力であり。

 

「サンラク参考!打たせる前にパイルバンカー!!」

 

今も尚、記憶に根付く墓守のウェザエモンとの戦闘。第二段階で断風を繰り出さんとした、彼の大太刀の柄を殴り付け、吹っ飛ばして封じた動きを模倣、黒ペッパーが抜き放たんとした黒鉄丸改九の柄を、渾身の一撃で其の手より引き剥がす。

 

「しゃおらぁ!」

 

攻めの姿勢は止めない。フルメタルフィスト起動でペッパーは拳を硬化、裏拳と天空の心眼(ラトゥルスカ・アイザイン)を使って、黒ペッパーに一撃を繰り出す。だが黒ペッパーも其れを読んでおり、彼方も両目にエフェクト、使ったのは真界観測眼(クォンタムゲイズ)

 

殴り飛ばされた黒鉄丸に変わり、白磁(はくじ)短刀(たんとう)改五を構え、一撃しか繰り出さないが其の単発威力が極大という、シンプルで強力無比の刺突攻撃スキル『終極刺突(グルガ・ウィズ)』を繰り出し、ペッパーの脇腹に刃を突き立てる。

 

「ぐふっ…!」

 

影法師の愉快合羽(グルナー・ト・シェミンコート)と敵の攻撃を受けた場合に、ダメージ減少効果が働く『護り手の献身(ソラティオン・エモニー)』によって押さえられたとはいえ、やはり痛いものは痛い。

 

体力が今の一撃で1/7まで減らされてしまい、黒ペッパーは其のまま、ドリルピアッサーに繋げようとする。だが黒ペッパーは上空から落ちてくるグランシャリオに気付き、攻撃に繋げず其のまま後ろへバックせんとして。

 

「逃がさ……無いっ!」

 

左足で黒ペッパーの右足を踏み付け、投げていたグランシャリオをキャッチ。黒ペッパーが白磁の短刀改五を構えてパリィ態勢に入るが、そんな事知った事かと言わん勢いで、神律燼風(しんりつじんふう)の加速を加えた十傑斬覇(じゅうけつざんは)&刃王斬(ばおうざん)修羅(しゅら)】を点火した、渾身の上段切り下ろしを放ち。

 

黒ペッパーが構えた短刀によって受け止められる瞬間、ペッパーは保有する不世出の奥義(エクゾーディナリースキル)の一つ、偉風導動(リーガルック)を使用して、高出力の竜巻でパリィを無効化。風の回転と加速による威力上昇を加えた、反撃の刃が黒ペッパーの身体に届き、深い斬撃が刻み込まれる。

 

強大な一撃に怯みながらも、黒ペッパーは鬼蹴りを使い、ペッパーはガード行動を加速させる『シールド・スティーブ』でイーディスを差し込み(インターセプト)。足蹴りによって後退させられながらも、レディアント・ソルレイアで踏ん張り。そうして剣の鋒を黒ペッパーの心臓に向けつつ、盾を構えて次なる一手を思考する。

 

(反撃は出来たが、問題は此処からだ………。俺がFM'sクリサリスを倒した時、トドメに使ったのは兎月【暁天】の専用スキル。アレを使うには、クリティカルで王撃ゲージを200%まで蓄積し、叩き込まなきゃならない。其の間、装備しているイーディス&グランシャリオが使えないとなれば、不意の事故で倒される可能性も出てくるな……!)

 

ウツロウミカガミ起動。其の場に残像(ヘイト)を残留させ、自身は全力でステージから離脱。観客席の方へと移動しながら心拍数を高め、回復ポーションをがぶ飲みしつつ減らされた体力を回復する。

 

彼方が残像に目を捕らわれている隙に、超星時煌宝珠(クロック・スタリオン)を使用可能な心拍数に持っていき、イーディスを手より離してオブジェクト化からの合掌。己の全身を、中世の劇場を、真っ白に染め上げる程の白光(びゃっこう)を解き放ち、特殊状態:白刻閃(はくこくせん)に移行。

 

白い閃光を纏い、兎月【暁天】を左手に。オブジェクトになった事で右手に握る事が出来た、聖盾イーディスを右手に掴み、神威光臨進(かむいこうりんしん)戦神の心構え(モンチュ・レ・プライド)を起動。劇場の壁をスキルレベル1につき10秒間、足裏が天井もしくは壁に接触している場合に、重力の方向を変更出来る『グラビティゼロ』で高速疾走。

 

セルタレイト・ケルネイアーを使い、壁より跳躍。残像が消えた事でヘイトが戻った刹那、高潔度と歴戦値を参照する鎚武器系スキル『秀越なる鎚撃(オルフェイム・タンザライナ)』と打撃攻撃により与える『ダメージの数値を操作する』という、一風変わった効果を宿している『ヴァーテクス・ガーラザイド』。

 

其れ等をイクス・トリクォス並びにマーシフルチャージャーで補強しつつ、黒ペッパーの顔面にクリティカルで一撃を叩き込み、後頭部から黒の己をステージへ打ち倒す。同時に王撃ゲージは、45%まで上昇した。

 

「武器の都合上、あまりチンタラ出来ないんでな………合計270%のゲージを貯めさせて貰うぞ、黒い俺!」

 

黒ペッパーが武器を聖盾イーディスに切り替えて、ペッパーは兎月【暁天】を握り締める。

 

戦いは新たなステージへ突入していく………。

 

 

 

 






戦え、勇者よ


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