クエストを越えて、報酬確認
「戻って来れた……か」
「みたい、なのさ………」
影法師の最終試練を越えたペッパー達一向は、崩壊する劇場からサードレマ上層エリアの裏路地に戻り、意識を取り戻していた。
「そうだ、ペンシルゴン………は?」
「………………」
ハッとなって辺りを見回すと、両手で顔を隠し踞ったペンシルゴンが居て。
「ッ~~~~~~~!!!!!!/////」
「もしもーし、ペンシルゴーン?」
チラッと此方見ては顔を真っ赤にしており、其れを何度も繰り返す奇妙な光景が其処に在り。
「………あ、やべ!?胴装備が解除されたから上半身裸になってたんだ!」
強制装備状態解除により、上半身に何も装備していなかった事に気付いたペッパーは、インベントリの奥底に眠っていた隔て刃シリーズの胴装備を一旦装備。
そして試練を乗り越えた証として『観測者』と名乗った存在━━━━冥響のオルケストラから渡された、新しい装備『
影法師との四度に渡るセッションを見届けた冥響の歌姫が作り出した、特製の逸品。開拓者の魂の音色を糸に束ね、織り合わせて
此の装備は胴・腰・脚の三部位一体の装備であり、体力が0になると破壊され、体力が1以上になった場合に復活する。
装備中、プレイヤーの任意によってPNのON/OFFが可能になる。PKされても所持者の手元を離れない。破棄及び譲渡不可。
此の装備の合計耐久値は、所持者の歴戦値と同じとして扱われる。
此の装備を装備中、一定範囲内に
あ、これヤバい装備だ。ペッパーはそう、一瞬の内に確信する。
此の装備や最後に聴いた『歌の内容』で、ユニークモンスター『冥響のオルケストラ』に関わる重大要素や、攻略に必要となる物等に関する記載が盛り込まれた、情報爆弾の権化たる存在が其処には在った。
先ず征服人形が如何なるモノかは知らないが、間違いなく冥響のオルケストラを
そして歌姫が言っていた『彼女の遺産』とは、オルケストラに由来・模倣した一式装備を指し、其れが『運命と調律の獣に別たれ眠って居る』事を知れた為、其の存在を探してゲットすれば、攻略にグッと近付く事が可能だ。
(コレは……ライブラリに教えるにしても、征服人形と出会ってからじゃないとヤバいなぁ…………)
総じて『今の段階では公に出来ない、爆弾情報満載のヤバい装備』なる形で評価の着地点を作る事にし。と、ペッパーの肩に
「ピヨヨ~」
「え、メール?送り主はサンラクで、内容は………え?」
其処に記載されていた内容に、ペッパーは目を見開き。そして未だに顔を隠したペンシルゴンに、サンラクが持ってきた内容を話す事によって、彼女も落ち着きを取り戻して漸く元に戻り。
そして二人と一羽は何時もの場所となった、蛇の林檎・サードレマ裏路地支店へと全速力で移動するのであった………。
サードレマ下層エリア、蛇の林檎・サードレマ裏路地支店。
一室を貸切りとして取った室内で、ペッパーとペンシルゴンが座って待っていると、始めに
続いてオイカッツォが随分ゲッソリした顔で部屋に入ってきて、しかしペンシルゴンの表情と京極の顔を見て、悪ノリする形でニマニマし。
最後に白頭巾を被ったサンラクが、
そして……………
「初めまして!私、秋津茜と言います!サンラクさんとオイカッツォさん、そしてペッパーさんとはベルセルク・オンライン・パッションで出逢いました!シャンフロでは初めましてクランスカウトされたので、すっっっっっごく嬉しいです!よろしくお願いします!」
『グワアアアアアアア!?』
『ギャアアアアアアア!?』
『ンアアアアアアアア!?』
『ウババババババババ!?』
秋津茜の満ち溢れた純真さから成る『光』に当てられた、外道四人組が纏めて浄化されるアンデッドのように悶える姿を見ながら、ペッパーは『本題』に入る前に話を開始する。
「さて…………メールで呼び出したサンラクには後で話をして貰うが、先ず此方もクランメンバー全員に共有しておかないといけない事がある。━━━━内容はユニークモンスター・冥響のオルケストラに関する『逸品』を、俺は今日発見した」
其の一言で全員の視線が彼に注がれていく。
「だが、此の情報は『出来る限り』秘匿しておいて欲しい。もし『手札』を切らなければならなくなった場合、此れを切る事も視野に入れてくれ」
そして彼は此迄経験してきた、影法師の愉快合羽に関する情報と、影法師との四度に渡る激闘、そして最後の戦いの後にユニーク装備が渡された事を教えた。
「マジか。名前隠しのコートに、そんな秘密が有るなんてな」
「四回の戦闘を越えない限り外れないって、相当厄介だね………。少なくとも乗り越えた後の
「最初の森を走ってたら出逢った『黒い私』、アレが影法師さんだったんですね!全ッ然、歯が立たなくて負けちゃいました!」
「やっぱ名前隠しってオンリーワンの性能だなぁ……」
「さらっと聞き流そうとしたけど、秋津茜ちゃん件の影法師に遭ってるって凄いね………」
ある者はユニークいーないーなオーラを立てて、ある者は冷静に愉快合羽を分析し。そしてペッパーはサンラクを見ながら言った。
「さて、と。サンラク」
「あぁ。ペッパー・ペンシルゴン・オイカッツォ・京ティメット。今回の話はお前等四人の許可と、ペッパーの持ってる『
そうしてサンラクは、此の場の全員が予想だにしなかった話を。別の
「俺達、クラン:
プレイヤー名は『ルスト&モルド』。俺達が保有しているロボットの情報と実物を対価に、ユニークモンスター『深淵のクターニッド』に挑戦出来る『ユニークシナリオ』。其の情報を取引材料として提示してきた」
嘗てペンシルゴンが言った。次のユニークシナリオに『王手』を掛けているのは自分達だと。
そして其の王手から、王将を取る為の
最強種に挑む為のユニークシナリオ