オーバードレス・ゴーレムを解体せよ
『『一分以内にブッ潰す!!!』』
オーバードレス・ゴーレムに左右から挟撃する形で肉薄しに行く、ペッパーとサンラクは各々のスキルを点火していく。
ペッパーが使用したのは、自身の体力・MPを残り5%に至るまで減少させて、その数値分だけ自身の全ステータスを高める『
自身が自傷によるダメージか、エネミー・プレイヤーによってダメージを受けて、残存体力が残り5%を切った場合に全ステータスの上昇と、其の戦闘中に自傷及び反動で受けるダメージを半減する『
重力や風といった外的要因を軽減し、其の身をより高い場所まで到らせる、
サンラクは
熟練度MAXに至った『グラビティゼロ』と『トライアルトラバース』による重力の軽減と共に、エリアボスとのバトルフィールドまで走り続けた事で、発動条件を満たした『メロスティック・フット』のスタミナ減少軽減を加え。
『夜か暗闇の状態時に』発動する事で、視覚・敏捷・筋力にバフをもたらす『ウォーロック・ティーン』。そしてトルクチャージとアドレラリン・バーストの合成スキルで、同じ系統に属するスキルを『三種類以上連続で使用した時』、此のスキルの熟練度合で『再使用時間を短縮する』という『ニトロテック・チャージ』を使い、オーバードレス・ゴーレムの身体を右側から跳ねて、駆け上がって行く。
「うわぁ…………」
「片や空中を駆け上がり、片や不安定な足場を跳ね上がるって、相当じゃん………」
「カッツォ君!
「あっめあめふれふれ、かあさんが~♪わぁ!?」
「秋津茜はん!?歌ってないで自衛するのさ!?」
「ぴゃあああ!?瓦礫飛んで来てますわぁ!?」
砲丸投げの如く、重機クレーンから豪速球で放り投げられる瓦礫を、両肩に乗ったアイトゥイルとエムルが何とか迎撃を続けるも、撃ち落とし損ねた一つが秋津茜に迫り。
「秋津茜殿!」
箱の擬態を解除、彼女の頭より跳ね飛んだシークルゥが刀を取り出し、連続で斬り結んだ瞬間に瓦礫はバラバラに斬り割られた。
「わぁ!シークルゥさん、凄いです~!」
「あまり油断なされるな、秋津茜殿よ」
パートナーの素晴らしい剣劇に、秋津茜は目を輝かせ。
「えっ!?箱がウサギに変わった………?!」
「白毛の武者ヴォーパルバニー、かな?アレ……」
秋津茜の背負っていた箱が、まさかのヴォーパルバニーだった事に驚愕する、オイカッツォと京極が居て。
其の直後、彼等彼女等の戦うオーバードレス・ゴーレムの頭頂部付近から、一際大きな破砕音が鳴り響いた。
時間は十数秒程遡る。
「到着!」
「よっしゃ、着いたァ!」
暗い空中を走り抜け、不安定な瓦礫の道を駆け抜け、ペッパーとサンラクは各々の持ち場に辿り着き、己の武器を装備する。
片や双皇甲虫達の素材を贅沢に使った武器であり、風と雷の両属性を利用した機能を持ち、ビィラックへ修繕に出していた物を、集合時間が迫る中で何とか回収した『
片や
「一撃で!」
ドュヨンペイルとアガートラムの合成を行って誕生、幸運と技量の合計数値を参照し、技量が高い程にクリティカル発生が高まり、クリティカル成功時に追加攻撃補正が働く格闘スキル『
「ブッ壊す!」
発動中の武器による攻撃補正値の強化&武器の耐久値減少を抑制する『
レベルMAXとなったアガートラムとハリケーン・ハルーケン、拳撃スキル『
『『砕けろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』』
巨大ホイールを支える左右の支柱金具が、二人の開拓者が纏う武器より放つ、絶大な威力を誇る格闘攻撃により爆砕され。一際大きな破砕音が、バトルフィールドに木霊して。
「サンラク!」
「ズラかるぞ!ペッパー!」
其の身を翻し、両者共にオーバードレス・ゴーレムの頭頂部から空中に飛び出し。『ダンクシュートだ!』と叫んだ瞬間、巨大泥人形の頭部をホイールが直撃。
シャンフロが誇る物理エンジンのもたらす、質量と重力の融合攻撃が炸裂。自身を動かす核を押し潰し、其の身を構成するポリゴンが崩壊・爆発四散を遂げて。
同時にオイカッツォと秋津茜のレベルアップを告げるSEが鳴り響き、ペッパーが
サンラクは程々の落下位置で空中に踏み留まる『フリットフロート』で落下エネルギーをリセットしながら、続け様にレベル×三歩の空中歩行を可能にする『フローティング・レチュア』で、更に落下エネルギーを取り払いつつ、煌蠍の籠手をインベントリに収納・着地する。
「やぁやぁ、あーくん。サンラク君。二人共、オーバードレス・ゴーレムのホイール落とし、お疲れ様だね」
「あぁ。サンラク、さっきの一撃は凄かったぜ」
「ペッパーもな。彼処まで火力出せるたぁ、やるじゃねーの」
先んじて走り寄ったペンシルゴンの声掛けに反応しつつ、二人は御互い拳をぶつけ合わせ。両者共健闘を讃え合いながら、パーティーメンバーが駆け寄ってくるのを見つめて。
オーバードレス・ゴーレムのドロップアイテムは、クランメンバー同士の話し合いの結果、秋津茜が持つ事となり。旅する狼達は其の脚で再び、全力疾走し。
午後八時半過ぎ、彼等彼女等はクラン:
煌めく蠍の籠手と双皇の御手が、泥人形を打ち砕く