紅き翼よ、羽ばたき舞え
其れは
ユニークモンスター・墓守のウェザエモンの討伐報酬として、ペッパー・ペンシルゴン・サンラク・オイカッツォ・
「アレがウェザエモンの遺産の一つか…!」
「ええっ!?えっ、大きな……赤い、鳥?いやロボット……!?」
「サ、サンラクさんの頭が、ガチガチの硬いヘルメットになっちゃったですわ!?」
「ほほぅ……。アレが墓守の御人の遺した、遺産なのさね……」
「頭だけというのは、些か奇っ怪な姿で御座るな……」
遊撃隊とサポート組が好き勝手に何か言っているが、半裸に成ったのも規格外特殊装甲を纏えないのも、全部引っ括めて彼処に居るリュカオーンが悪い。
責任転嫁をやっておこう。おのれリュカオーン!!!━━━━━━と、何時ものデイリーミッションを達成しつつ、サンラクは目の前に広がったデータに一通り目を通していく。
「リュカオーンには後で、俺の『必殺技』をぶちかますとして………シャンフロのロボット操作、楽しむとするかァ!」
規格外特殊装甲の頭装備たる
『━━━
「よし、朱雀。お前の武装関係は、大体把握してる。今から伝える事を、お前にやって欲しい。いいか?━━━」
サンラクが朱雀に指示を出す中、ペッパーとペンシルゴンは各々の
「ペンシルゴン、其の位置だと分身攻撃が当たる!2m左側に移動して!」
「あーくん、サンキュ!」
ペンシルゴン・サイガ-0の動きにシンクロしつつ、ペッパーがリュカオーンに、前足攻撃を『誘発させる』位置取りを行い。
リュカオーンの前足がディレイを絡めて速く振るわれる中、ペッパーは其の攻撃に対し
「うおりゃあ!」
『
「ぐぬお!?ッアアァ!!!」
イーディスを通して伝わる、リュカオーンの攻撃の『重さ』。よっぽどの筋力と耐久が無いなら、まともに受けずに回避した方が良いと確信しつつ、吹っ飛ばされて地面を転がる。
ダメージは受けれど、パリィ自体は成功。再誕の涙珠をインベントリアへ仕舞って、取り出した回復ポーションをガブ飲み、直ぐに立ち上がったペッパーの視界には、バックステップを取るペンシルゴンと、カタストロフィーを後ろ足に直撃させたサイガ-0の姿が映る。
「アポカリプスと、カタストロフィー……は、後二回ずつ。此れなら……!」
「あーくん、また『曇ってきた』!」
「っ………こんな時に!」
が、此所で夜空に雲が掛かり始め、フィールドには暗闇が満たしていく。再び襲い掛かるリュカオーンの、視認性最悪状態での透明分身攻撃に備え、ペッパーはサンラクの策が状況打開の一手になる事を祈り。
「さぁ、朱雀!リュカオーンに味方する『雲』を━━━━吹き飛ばせ!」
フルフェイスヘルメットを通じて、サンラクからオーダーを受けた朱雀は、翼と尾羽を模した
出力を最大に、旋回軌道を開始した紅い鋼の鳥が、夜空の雲を取り払い、月光を再び戦場へともたらした。
「秘技・
「ははは……!すっげぇ、雲を物理的に祓いやがった…!!ペンシルゴンとオイカッツォは役割をスイッチ!サイガ-0さんは今の内に切札への準備を!」
「………了解、です!」
「オッケー!」
「ウッシャア!」
ウェザエモンの遺産、四幻獣が一角を模したロボットバード朱雀の力を目の当たりしながら、ペッパーは此の機を逃すなと声を張り上げた。同時に、機動力が其処まで高くないオイカッツォが走り始めて、其れなりに有るペンシルゴンがバックステップで前衛後衛を切り替る。
ペッパーが持ち前の機動力とキャリースキルでオイカッツォを運びながら、サイガ-0と共に切り込み。途中で分身攻撃が三人に襲い掛かるが、危険なルートを視覚に提示するスキル『ルーパス・アサイラム』で、攻撃を交い潜ってオイカッツォを運搬。
「ペッパー!カッツォ!先行ってるぞ!!」
「うぉ!?また黒雷纏ってるな、サンラク!?」
「はっやいなぁ!負けてらんねぇ!」
おそらく同じようにルーパス・アサイラムを使い、其処に
ペッパーも負けじと、ミルキーウェイと
空中に描いたマナ粒子の道を超スピードで駆け抜け、ペッパー・オイカッツォがリュカオーンの真上を。真正面を
「ペッパー!ぶん投げろ!」
「行って来いッ、オイカッツォ!」
投擲スキル『ブランチャイズ・スロー』で、リュカオーンの眉間に全力投球。人間砲弾に成ったオイカッツォが、己の掌を重ね合わせ『気』を混ぜる。
「拳気の赤と青、合わせて紫!
モーションはベルセルク・オンライン・パッションの通常技・
「顎貰ってくぞ、リュカオーン!!!」
サンラクの煌蠍の籠手が、アッパーモーションと共に黄金の軌跡を描きながら、アガートラム・テンカウンター・
『グルァ……!』
「ちぃたぁ効いたか!今だ、レイ氏!」
「はいッ!」
頭部に連続で襲い掛かった格闘による衝撃と、アガートラムのクリティカルによる追加ダメージで、リュカオーンが歯軋りする中、サイガ-0は思う。
(正直、到底敵わないと……ずっと思っていた)
圧倒的な強さ、そして理不尽な力を持つ、夜襲のリュカオーン。サンラクと、そして
(でも、陽務君となら……!そして、旅狼の皆さんとなら……!どんな強敵だろうと、負ける気がしない!)
「アポカリプス!!!」
漆黒の一撃が、夜の帝王に叩き付けられる。押せ押せのムードが漂う中、リュカオーンは静かに。そしてサイガ-0を、片目でジッ………と『見詰めて』。
そして小さく『グルッ』っと鳴いたのだった……。
戦い続けろ、帝王を倒す其の時まで。