VR初心者ゲーマーが往くシャングリラ   作:ガリアムス

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剣に込められた『力』の意味




夜天に星を、勇気に灯火を 其の九

『其れ』 は、『夜の帝王(ワタシ)』を切り裂いた『刃』である

 

『其れ』 は、『(ワタシ)』の光を半分奪った『モノ』である

 

『其れ』 を、見付けたならば真っ先に『(ワタシ)』は殺しにいく

 

必ず、殺す

 

絶対に、殺す

 

どんなになっても、殺す

 

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アハッ♪

 

やっと、見付けた♪

 

やっと、逢えた♪

 

さぁ……サぁ……サァ……!!!!

 

 

 

コロシアイマショウ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!???」

 

戦闘開始から二時間が経過した頃、戦局は大きく動き、変わった。

 

分身が襲い掛かる。本体が襲い掛かる。ペッパーは正直生きた心地がしなかった。

 

(だがッ!『此れで良い』んだ!!!)

 

星皇剣(せいおうけん)グランシャリオ。夜襲のリュカオーンとの戦いの最中、致命の包丁(ヴォーパル.チョッパー)時代に其の右目を突き刺し、切り裂いた事により、夜の帝王の復讐の誓いたる残照が、刀身にはこびり付いた。

 

墓守のウェザエモンの魂たる『折れたバンガード』を用いて、ヴァイスアッシュの力によって真化に至った剣であり、リュカオーンにとって自分の片目を奪った武器であり、其の持ち主を必ず殺すと誓いを立てた。

 

故にこそ、持ち主であるペッパーに攻撃が集中する。彼を完全に殺すまで、其のヘイトは、其の攻撃は文字通り永遠(・・)に続く。

 

「ヘイトがペッパーに移った……!」

「というか、あの剣から『黒いオーラ』出てない?呪いの剣?」

「あーくんが囮を買ってくれたから、サイガちゃんは今の内に作戦続行!カジキ君は今の最大魔法準備、秋津茜(アキツアカネ)ちゃんは引き続き空蝉での緊急エスケープ。シークルゥちゃん・私・アイトゥイルちゃんで遊撃とサポート絡めるから、京極(キョウアルティメット)ちゃん・サンラク君・エムルちゃん・カッツォ君はサイガちゃんの援護兼アタックお願い!」

 

単身でリュカオーンのヘイトを全て受け持ち、フィールド内で駆け跳ねて、左手に聖盾(せいじゅん)イーディスを握ったペッパーの代わりに、ペンシルゴンが指示を出して皆が行動に移る。

 

「オイカッツォさん!敏捷強化魔法です、頑張ってください!」

「お、ありがと。レーザーカジキも魔法援護、頼りにしてるよ」

「はいっ!大きな一撃、放つ準備します!」

 

距離を維持しつつ、メンバーが動いたのを見ながら、ペッパーもまたリュカオーンに挑発を入れる。

 

「どうした、リュカオーン。俺は此所に居るんだぜ?」

 

サイガ-0が奴等の要だと言うのは『解っている』。だが目の前に在る『復讐対象』を、リュカオーンは無視する事は出来ない。剣の切っ先で手招くペッパーに、リュカオーンが襲い掛かる。

 

幕末や様々なレトロFPSで培った、バトルロイヤルの知識を総動員し、リュカオーンの視線や瓦礫の影の位置を把握、分身攻撃と本体の攻撃から身を守り、そしてメンバーの攻撃を当てられる位置に誘導していく。

 

「アポカリプス……!」

「アガートラム!」

拳気(けんき)火彩色(ヒヒイロ)】!」

 

左脇腹にサンラクとオイカッツォの、左後ろ足にサイガ-0の攻撃が突き刺さり、リュカオーンが体勢を崩す。

 

「サンラクさん、オイカッツォさん、ペッパーさん……!このまま、カタストロフィーを……ぶつけます!」

「了解だ、レイ氏!」

「解った!」

「任された!」

 

分身攻撃の合間を縫い、本体の攻撃を掻い潜り、ペッパーの握りしグランシャリオが、リュカオーンの毛並みを切り裂く。傷は僅かに出来はしたが、其れも直ぐに修復されてしまう。

 

彼の攻撃の御返しとばかりに、分身攻撃が襲い掛かる中、イーディスで往なしてグランシャリオで斬る、パリィ&スラッシュで反撃しながら、ペッパーは思考を止めない。

 

(効果が薄くても良い………!俺が一分一秒でも、リュカオーンから生き残れば!皆を守り、作戦を遂行出来る!)

 

「エムル!マジックチェーンいけるか!」

「はいなぁ!!」

「頼む!んで、リュカオーンよぉ。ペッパーばっかに『オネツ』なら、コイツを食らってやがれ!」

 

煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)の左手側に備えられた機能には、右手側で集めた月光の魔力を用いる事で『晶弾(クリスタルバレット)』を生成出来る。

 

「行くぞ、【発射せよ(Firing up)】!」

 

そして生成された水晶柱は打撃時の威力上昇だけでなく、水晶の砲弾として発射可能なのだ。リュカオーンがペッパーに集中している中、今後(・・)の攻撃を考えた位置と、ペッパーを仕留めようとするリュカオーンの前足攻撃が交錯する其の場所に発射・突き刺し。

 

僅かにリュカオーンの前足が止まった所に、エムルのマジックチェーンが絡み付く。

 

「カタストロフィー!」

 

サイガ-0の攻撃が突き刺さる。切札発動の為の条件の一つ、カタストロフィーを同一対象に当てるという目標は達成し、残すはアポカリプスを一発当てるだけの所まで来た。

 

「あと、アポカリプスを……一回で、条件達成……します!一分、ください……!」

「きっちり生き残ってみせる、よぉっ!!!」

「よっし、このまま一気に『ビーッ!ビーッ!』んぉ、何だ!?」

 

だがそうは問屋が下ろさないとばかりに、悪い事が起きる。サンラクの頭に装着された艶羽(アデバネ)頭機殻(ヘルム)が、朱雀(スザク)のエネルギー残量が5%を切った事をアラートと共に伝えてきたのだ。

 

「ちぃ、マジか!?まだ十分も経ってねぇのに、燃料バカ食いか……!朱雀にゃあ、まだ『大仕事』が残ってるんだ!ブースターを切って、低出力で下降して待機!」

「サ、サンラクさん。一体誰とお話してるですわ……?」

「お空の鳥さん」

「サンラクサン……頭がオカシク………」

「俺は極めて正常だよエムル」

 

何かオイカッツォが遠い目で此方を見ていた。取り敢えず奴には、此の戦いの後でデコピンを叩き込む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「サイガ-0さんにサンラクさん、ペッパーさんにオイカッツォさん……皆凄いです………!」

「僕も前線に出たい所だけど、生憎リュカオーンには斬撃は薄いと来た。まぁ、出番と有らば即行動の心構えでは居るけれども」

 

前線を張り続け、最大火力(アタックホルダー)の由来たる切り札発動の為に戦う、四人と一羽を秋津茜と京極は見る。

 

「雲は………まだ大丈夫。後はレイちゃんの切札発動前に曇らなければ、何とかなる………!」

「ペッパーはん、エムル……気張るのさ……!」

「アイトゥイル、拙者達も各々の役目を全うしようぞ」

 

ペンシルゴンが空を見上げて雲と月の状態を確認し、アイトゥイルとシークルゥは来るべき時に備えて。

 

「巡り満たす水よ。暗闇を照らす炎よ。生命を育む土よ。音色を奏でる風よ。四の素と輪廻は廻り、歯車は噛み合い、大いなる力の奔流は出で顕る………」

 

レーザーカジキは今の自分に繰り出せる、最高の魔法を繰り出すべく詠唱を続けていく。

 

 

戦いはクライマックスを迎えようとしていた………。

 






いざ、終幕へ


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