京極、ペッパーの神秘チャレンジ
※明けましておめでとうございます
「さて、其れじゃあ頼むよ?アーカナムのおじいさん」
『強きに至りし者……汝が
サンラクと同じように絨毯が京極とアーカナムを包み、外界と隔絶し約一分が経った所で、
「おう、京ティメット。オメーの神秘は何だった?」
「僕は『
PKerとしてプレイしている京極にはピッタリな神秘だったようで、大満足といった顔をしている。そして最後の一人となったペッパーは、アーカナムの座る絨毯に正座して向き合う。
「アーカナムさん、よろしく御願い致します」
『強きに至りし者……汝が
絨毯がペッパーとアーカナムを包み、外界と隔絶された空間でタロットカード達が浮遊する、奇妙な光景を彼は目の当たりにする。
「おおう……こんな風になってたのか」
『さぁ、汝が神秘は運命が決める……札を引きたまえよ』
浮遊するタロットカード達を見つめ、ペッパーは自身の神秘が一体何になるのかと思いつつ、此れだと思う物を其の指先で掴み取る。
其のカードに描かれていたのは『X』と『車輪に凭れる自分と車輪の上に乗った一羽の黒兎、自分を追い掛けるリュカオーン』。そして四隅には『デフォルメされたヴァイスアッシュとジークヴルムにウェザエモン、オルケストラと思われる歌を謳う女性が各々鎮座』する、イラストの時点で破壊力が有り過ぎる代物だった。
「………色々言いたい事は有るけれど、ナンバーはX。……10って事は、確か『
『ほう………汝、流転の大河に揺蕩う者。其れまで得てきた物は偶然か、はたまた神の定めた宿命か………』
絨毯が開かれ、元の場所へと戻る。ペンシルゴン達が見つめる中、アーカナムはペッパーに神秘:運命の輪のフレーバーを伝える。
『運命の輪の神秘は、そなたに新たなる出逢いを与えるだろう………。だが、汝は其の激流に抗う事は許されぬ。其の大導に背きし時、積み上げた栄誉は腐り落ちて、全ての
そうして一仕事を終えたアーカナムは、敷かれた絨毯に其の身がくるまれて消え去り。再び裏路地に静寂が訪れる。
「あーくん、運命の輪はどんな効果秘めてるの?」
ペンシルゴンが気になる様子で聞いてきたので、ペッパーは「ちょっと待ってて」とインベントリに収納、効果確認の為に神秘:運命の輪をチェックする。
「神秘:運命の輪………効果は『幸運二倍にレアアイテムのドロップ率倍増』と『武器・防具・アイテムの耐久値減少倍増』………まぁたチグハグな能力で」
つまりサブ
ともあれサンラクは愚者・京極は死神・自分は運命の輪と、皆各々で違う神秘を手にした。此の神秘はプレイスタイル等で手にする物に変化が起きるのか、少し気になったので後でシャンフロのwikiで調べてみる事にしよう。
「さて……皆、フィフティシア行軍お疲れ様でした。サイガ-0さん、御協力ありがとうございました。では……解散!」
ペッパーが音頭を取って、サンラクとペッパーは同じ方向へ走っていき、オイカッツォ・レーザーカジキ・京極は各々で別々の宿を探しに歩き始める中、サイガ-0はポワポワとした雰囲気を纏っていた。
「……………えヘヘ」
一晩をゲームの中で共に過ごし、突発的に始まったリュカオーンとの戦いを、ぶっつけ本番で倒しきった充足感は計り知れない。何よりサンラクの……彼の力になれた事が彼女にとっては嬉しかったのだから。
「ふぅ………んんんん~。一徹しちゃったかぁ、私もそろそろログアウトしないとだなぁ」
「あ、サンラクさん達はラビッツに戻っちゃったんですっけ?シークルゥさん、私達も『ラビッツ』に行きましょう!」
天真爛漫に
「あ、秋津茜ちゃん。ちょっと良いかな?」
「あ、あの……少し御伺いしたい事が、有ります!」
「え?」
所変わって、ラビッツの兎御殿。
秋津茜よりも先に帰還した、サンラクとペッパーはビィラックの鍛治場を訪れて、武器の修理に来ていた。
「バカァァァァァァァァァァァァァァァァ!?!?
「いやな、ビィラックよ。何せフィフティシアを目指して進んでたら、リュカオーンと遭遇してな?協力者の助けが有ったとはいえ、コイツの必殺技叩き込まなきゃ勝てなかったんだよ」
破損した煌蠍の籠手を見せられた、ビィラックの悲鳴と怒号が兎御殿に響く中、申し開きをしたサンラクの言葉にペッパーと、各々のパートナーたるヴォーパルバニー達もこくこくと首を縦に振った。
「はぁぁぁぁぁぁ………。ワリャは毎度毎度派手に壊しおって………
そう言いつつも、彼女は煌蠍の籠手の修理を了承して。サンラクを見ながら問いを投げ掛ける。
「そうだな……ログアウトする前に『刻傷』の能力を、キッチリ確認しときたいと考えててな。取り敢えず素材は有るから、作ってくれない?」
インベントリアからゴロゴロと素材を取り出し、ビィラックが手頃な一式装備を作り上げ、サンラクに渡した。
「ペッパー、時間計測頼むわ」
「OK、任せろ」
そして此所から、サンラク主催・リュカオーンの刻傷検証会が開始され。ペッパーが観測、ビィラックが防具作りという分業を始めた。
爆ぜる防具達にビィラックの悲鳴が木霊し、金が無いからとピーツの元に走っていったサンラクによってピーツが悲鳴を木霊させ、更にはサンラクが武器や防具を強化したいとビィラックに悲鳴を上げさせたりと、朝っぱらから大騒ぎになりこそしたが、刻傷に関しても色々判明した事も沢山有った。
『三分』━━━━━其れがサンラクの身体に刻まれた呪いが刻傷となった事で、装備可能になった防具が破壊されるまでの時間。強弱厚薄問わず一律三分で装備は内側から弾け飛んで破壊される。無論、規格外特殊装甲達も例外無く三分経てば、爆散して同じ運命を辿る事になるだろう。
「わ、ワチの作った装備がボロボロじゃあああ………」
「家のサンラクが本当にすいません、ビィラックさん……サンラクの武器が終わったらで良いので、グランシャリオの修復御願いしても良いでしょうか?」
黒鞘から剣を抜剣・剣身から宝玉を取り外すと、世界の真理書へと戻り。鞘に納めて持ち手をビィラックに向け、彼は剣を渡す。
「解ったけぇ……直ぐに取り掛かる」
落ち込んだテンションを何とか戻し、ビィラックは早速サンラクの武器の強化と真化、ペッパーのグランシャリオの修理に取り掛かるのを見届け、サンラクとペッパーは休憩室に移動し、ログアウトしたのだった………。
動き出す魔王と最大火力