vs アトランティクス・レプノルカ
サンラクがアイトゥイルと合流、アラバから反転都市ルルイアスと深淵のクターニッドに関する情報を入手し、突如として現れた深海の王こと、アトランティクス・レプノルカの元へ急行していた頃……………ペッパーは件たる王鯱との戦闘を開始していた。
「
『了解ッ!』
悠久を誓う天将王装を纏い、呼び出したロボットホースの天王にペッパーは兜型のフルフェイスヘルメットよりオーダーを送り、其の頭部を変形・自身の前足と胸部が展開して、ペッパーの両足と腰部と合体。
ギリシャ神話に登場する、半人半馬のモンスター『ケンタウロス』へと、其の御姿を変える。
「ハイヤァ!」
四脚となった事で素の機動力が上昇したペッパーは、其の両手に握られた
噛み付き攻撃を仕掛けるアトランティクス・レプノルカを躱わし、グラビティゼロ起動と共に家屋の合間を跳ね駆け、七星の剣で胴体と胸鰭の間をすり抜け様に切り裂いた。
グランシャリオに宿る刺突及び斬撃攻撃、及びスキルによって発生するダメージ軽減を許さない力によって、胸鰭に斬り傷と、其処から出血するようにポリゴンが溢れる。
(グランシャリオの能力は効いてるが、通常武器の場合だと斬撃系統は効果が薄い!此の炎雷鯱には本来、打撃武器の方が有効か!)
斬った感触を元に、ペッパーはアトランティクス・レプノルカの情報を精査、自身を含めた生物の身体を流れる『電気信号と気』を可視化出来る『
(『気』が流れてる事から、蒼炎蒼雷鯱━━━━━アトランティクス・レプノルカは『生物』では在るようだが………身体が燃えてる光景は、怒り状態になった
先ず此のアトランティクス・レプノルカは、身体の上半分に『炎によるスリップダメージ』が適応されており、仮にも生身の拳や脚で触ろう物なら、ジワジワと体力を削られて行く上に、本体の巨大さも合わさってか『効果範囲』が兎に角広い。
次に此の王鯱の『半径50m以内』は、海洋生物に在るまじき反則と言える、『放雷』による範囲攻撃が襲い掛かる『死地圏内』である事。海中で食らえば、少なくとも電気抵抗装備か絶電耐性装備でなくては、一撃で感電死に追い殺られるのは避けられない。
おまけに此のフィールドは、王鯱が得意とする『水中判定』が適応されており、突撃の破壊力に近接での巨体を生かしたヒレビンタだったりと、コイツはどうやったら倒せるんだ?とか、お前本当はユニークモンスターだろ?だったり、そんな事を思い浮かべてしまうだろう。
(だが此方は『地上判定』としても『空中判定』としても動ける。そして何より彼方さんは『水中判定』であるという事実。うん………油断しなければ『勝てる』ぞ、此の王鯱に!)
突撃からの停止で後隙の生まれた王鯱の下体部を、ペッパーはグランシャリオで斬り傷を付け、其処に大天咫の刃を重ねるようにして斬り裂き、ダメージを立て続けに加えていく。
ペッパーが勝利を確信している理由………其れは『此のフィールド』に適応されている『特性』だった。
アトランティクス・レプノルカが空中を『泳ぐ』時、其の
炎のスリップダメージは天王や天将王装が、マグマの中に放り込まれても、装着者を五体満足で守り抜けるだけの耐久を誇る為に痛くは無いし、放雷攻撃は30秒後に放つタイムラグが存在している上に、予備動作も『鰭が電気を纏う』ので目に見えて解りやすく、人馬形態の機動力で範囲外に回避出来るので問題無い。
「勝利の道は整った!後は倒しきるだけ!さぁ、アトランティクス・レプノルカ!お前の体力と俺の刀に剣………!どっちが先に砕け散るか、勝負と行こうじゃねぇか!」
大天咫とグランシャリオを放り投げ、両手を合掌。一定以上の心拍数を刻んでいた事で、発動条件を満たされた
放たれる雷を避けきり、下体部を斬撃スキル滅多切りに刻み、刺突スキルで幾重にも刺し続け。強化・跳躍・機動系列に属するスキル達を、惜しむ事無く使い潰して、己を強化。夜の反転都市を白い光が超速で舞い躍り、蒼の光を塗り潰していく………。
「オラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァ!!!!!」
「何だあの白光!?滅茶苦茶な動きしながら、アントカレプリカ………いやアントカパプリカ、だっけな?ああーもう、取り敢えず深海の王様染め上げてるって、どーゆーこっちゃ!?」
廃墟となった青の都市を走り、家屋を飛び越えながら進むサンラクは、アトランティクス・レプノルカと思われる蒼い光が、突如として光った白い『何か』によって塗り潰されていく様を見て、声を上げつつも進んでいた。
「あ、サンラクさん!サンラクさーん!」
「サンラクさぁぁぁぁぁぁぁん!」
「ん、んんん!?エムルにレーザーカジキ!?」
と、都市を駆け跳ね進んでいたサンラクの耳に聞こえてきたのは、クライング・インスマン号からクターニッドによって散り散りにされていた、レーザーカジキとエムルの声で。前方の家屋の屋根に乗り、錫杖に巻き付けた青いローブの旗を振りながら、存在を誇示しているのが見えた。
「お前等無事だったか!」
「はい!途中でエムルさんを見付けました!」
「サンラクざぁん!」
「ぐべぇ!」
フリットフロートで勢いを殺し、屋根に着地した所にエムルが突撃。首にダメージと屋根から落ちそうになるが、何とか耐える事が出来た。
「レーザーカジキ、他の皆は?」
「此処に来るまでには、エムルさん以外には……。でも、あの白い光の所に行けば、皆さんと出逢える気がします!」
「同意だ。多分アレをビーコンにして、他の連中も来るだろう。此方はアイトゥイルは見付けたし、セーブポイントと此のエリアの情報も手に入れた」
「サンラクさん!本当ですわ!?」
おぅと答えれば、エムルは姉が無事だった事にホッと胸を撫で下ろし。彼女は何時もの場所たる、鳥面の頭に乗っかった。
「兎に角あの光の所に行くぞ!レーザーカジキ、ちょいと失礼!」
「はい!お、お願いします!」
「はいな!」
レーザーカジキを抱え、エムルを頭に乗せて、サンラクは再び都市を走り出す。
「………陽務君……皆さん………。………ごめんなさい」
そして反転都市ルルイアスの一角に在る、小さな家屋の中では。
光に集まれ