其の頃のサンラクは
ペッパーがルルイアスを探索し、ユニーク
「此処が座礁船エリア、ねぇ?」
ギガリュウグウノツカイことアルクトゥス・レガレクスを討ち果たしたサンラクは、座礁船が砂浜を占拠するエリアに到着していた。ペッパー曰く此処の船内には金銀財宝宝箱の山脈が在るという話らしい。
「やぁやぁ、サンラク君。君も御宝ゲットしに来たのかい?」
そんな時に船の上から見下ろし、声を掛けてきたのは自分の所属する
「こちとらフィッシュハンティングだったり、ギガリュウグウノツカイをブッ倒したり、色々大変だったんだからな?まぁ、臨時収入得られたから良しとはしたが」
実際アルクトゥス・レガレクス一匹の討伐だけで、一式装備が作れそうな量のドロップアイテムが手に入った。幸い此方には、深海のモンスターと出逢う
人間とは欲深い生き物であると同時に、数という恐怖に敏感な生き物でもある。ゲーマーなら其れは特に顕著であり、狩りゲーをしていて規定数集めたと思ったら、妖怪一足りないに泣かされた………何て言うのもザラだ。故にこそ『海中』でありながらも
「ギガリュウグウノツカイ?」
「運が良けりゃ、七日の内に合えるんじゃねぇの?」
座礁船をよじ登り、甲板に立ったサンラクは眼前に広がるルルイアスの景色を見る。何時見ても異様な淡い青一色の街並みは、夜の静けさも相俟って不気味さを加速させていた。
「さて、私はそろそろログアウトするよ。座礁船はまだまだ沢山在るみたいだし、昼間のルルイアスってのも気になるからね」
「おーう、じゃあなー」
船から降りて、セーブポイントの建物へと向かっていったペンシルゴンを見送り、サンラクはニンマァァァ…………と悪い笑みを浮かべる。
此れから彼が行うのは、座礁船に残っている金銀財宝宝箱を『全て』。根刮ぎインベントリアにブチ込む事。兎月に煌蠍の籠手を含めて、真化に強化に作成諸々で素寒貧になった懐を温める為に。
「んじゃ、やるかぁ……!」
「フフフフフフ………ウヘヘヘへへへ…………!!!」
ニ十分後、座礁船エリアに在った船々にありったけ置かれていた、金銀財宝宝箱の山々の『全て』をインベントリアに収納し終えたサンラクは、表示された収納アイテム一覧に並んだ宝石や財宝系アイテムを見て、気持ち悪い笑みと声を溢す。
『眠れる宝石』を千近くに『古代のコイン』数万枚、他にも様々な宝系のアイテムを手に入れたりと、一室に積み重なっていた山だけで、小さな城が建てられるレベルの金額が手に入った。
座礁船を隅から隅まで探して、財宝を根刮ぎ手にしたので、今の気分はまさに億万長者どころか京兆長者。しかも換金に関して、一つ『心当たり』が在るので、フィフティシアに帰った後が楽しみになってきた。
「いやぁ………金持ちになると心がホクホクするなぁ~」
ゲームでの力には其のゲーム内の金も含まれる。其れが多ければ多い程、必然的に自分の出来る事が増えていく。資本主義が台頭する世の中、武器の強化をするにも新調等にも、やはり金は居るのだ。
「さぁて…………ログアウトする前に、ちょっと反転の力を調べてから終わるかね」
深淵のクターニッド撃破の為にも、此処ルルイアスに働く反転の力が如何程かを確かめようと、サンラクが行動を起こさんとした、まさに其の時。
ルルイアスの中心の空、空間の水面を穿ち水柱を上げながら反転都市に落ちてきたのは、所々が黒く焦げてボロボロとポリゴンを散らす『巨大鮟鱇』。其の身体から無数の魚群を次々に
「うぉっ、何じゃあのアンコウ!?周りの魚を発射してやがるぞ………!てか、何か瀕死になっ!?」
一体何があってズタボロに成ったかは知らないが、漁夫の利を狙う
ボロボロの巨大鮟鱇の真上の空を突き破り、水柱を上げながら飛び出した、蒼く光輝く突撃槍を想わせる水晶の一角を掲げる、蒼炎を上体部に纏って燃やし、水晶の胸鰭から蒼い雷を帯びる、一匹の『アトランティクス・レプノルカ』が物凄い勢いで突撃。
巨大鮟鱇の背中を一刺しにしたかと思えば、鮟鱇の体内が青白く発光して、其の巨体を貫く光の槍が産まれ、ルルイアスの大地に風穴を穿ったのである。其の一撃に瀕死だった巨大鮟鱇はオーバーキルされて力尽き、発艦していた魚達も次々と死に絶えては、ドロップアイテムと成り果ててルルイアスに落ちていく。
ペッパーが討伐した深海の王こと、アトランティクス・レプノルカの中でも産まれつき頭蓋骨が異常発達した結果、突撃槍の如く成長を遂げた個体であると同時に、己の命を、己を満たすマナを捧げ続けるようになる
通常であれば脳髄が焼き切れ、廃人ならぬ廃鯱となる末路を辿るが、極僅かだが試練を乗り越える個体が現れる。其の頭角に結集した光によって、深海を貫く『帝王の槍』とした其れは炎雷を滾らし、太陽の如く反転都市ルルイアス全土を照らす。
「おいおい、とびっきり『ヤベェ』のが居るじゃねぇか………!コイツは丁度良い、此処ルルイアスに働く反転の検証、オマエで試してやろうじゃねぇの!」
巨大鮟鱇を追い詰め、自慢の角で貫き仕留めた怪物を利用し、ルルイアスに蔓延る反転の力を確かめる為、サンラクが動く。そして実験体として彼にロックオンされた冥帝鯱はというと、仕留めた巨大鮟鱇の肉を囓って食らっていて。
食事の意識の合間を縫いながら、サンラクが鮟鱇に付き従っていた
「オイゴラ、一角鯱サンよぉ。オメェ、自分の獲物が横取りされても、笑って許してくれるんかい?」
ニンマリと笑い、挑発と共に鮟鱇のドロップアイテムを取り出すサンラク。其の行動に、冥帝鯱の上体部が業火・胸鰭は轟雷を帯びて、小蠅たる半裸の鳥頭目掛けて襲い掛かる。
「ヨッシャ釣れたァ!」
背中に刺さる殺意の濁流に押されながら、サンラクにとってはシャンフロプレイから初めてとなる、
襲来、深海三強の不世出